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路外から合流する自転車が賠償責任を負う可能性。

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ちょっと興味深い記事が出てますが、

車に突っ込まれ負傷、自転車も大破…「被害者」のはずが賠償金? “追突された側”に「車の修理費の3割」の支払義務が生じる理由【弁護士が解説】 | ゴールドオンライン
交通事故の被害に遭った場合でも、状況に対する認識の違いや証拠関係によっては、賠償金の支払い義務が生じることがあります。「相手が追突してきたのだから自分に落ち度はない」と思っていても、必ずしもその主張が通るとは限りません。さらに、相手方保険会...

「追突された」自転車にも、追突した後車に対する賠償責任が生じるというもの。
ただしよく読めばわかるように、この記事が解説しているのは通常「追突」とは呼ばない。

 

ところで、ちょっと興味深い判例があります。

「道路外から右折合流車」と道路直進車が衝突した場合。
道路外から道路に右折合流する場合には、25条の2により正常な交通を妨げることはダメ。なので事故になった場合、右折合流車に過失のほとんどがつきます。ですが、右折合流車が無過失になる場合もあります。右折合流車の事故判例は名古屋地裁平成21年10...

判例は名古屋地裁平成21年10月2日。
車道の制限速度は時速40キロで、はみ出し追い越し禁止の道路。

右折合流したのは原付ですが、車道通行車両は制限速度を二倍以上の時速90キロ。
右折合流した時点で両者の距離は70.5mほど離れていました。

右折合流後、10mほど進行したところで後続車が衝突した事故です。

要はこの事故を「追突態様」とみるか、「路外から右折合流車態様」とみるかが争点。
裁判所はまず、原付が路外から合流した地点での両者の距離が70.5m離れていたとし、この距離で右折合流した原付には25条の2第1項の違反はないと判断。

(横断等の禁止)
第二十五条の二 車両は、歩行者又は他の車両等の正常な交通を妨害するおそれがあるときは、道路外の施設若しくは場所に出入するための左折若しくは右折をし、横断し、転回し、又は後退してはならない

制限速度は40キロなので、通常想定される40~60キロ(いわゆる信頼の原則)を考慮してもこの距離感であれば危険なく右折合流できるのが普通。

 

裁判所はこれを「右折合流態様」ではなく「追突態様」だと捉えた。
次に問題になるのは「追いつかれた車両の義務」と左側寄り通行義務(18条1項)。

原付とセンターラインの間は2mあり、27条2項でいう「道路中央との間にその追いついた車両が通行するのに十分な余地がない場合」に当たらないとし、結局追突車の一方的過失(原付無過失)とした。

 

で。
冒頭の記事に書いてある事案は「追突態様」ではなく「路外から合流態様」と捉えるべき事案だからそうなるわけで、その場合には過失相殺され自転車にも賠償責任が生じる。
個別具体的事情によって左右されるとしか言えないのよね。

 

ところで、「合流態様」であっても自転車対クルマの関係では、車道通行していたクルマの過失割合が大きい。
要はこの基本過失割合は、車道通行車にも過失がある前提(回避可能なのに前方不注視などにより回避できなかった)になっているため、完全死角から合流し回避可能性がない場合には自転車のほうが過失割合が高くなる可能性もある。

 

けど記事にある内容をみると、やることは変わらないのよね。
「路外から合流する際には十分確認する必要がある」でしかなく、名古屋地裁判決も十分確認していたことを評価しているからこういう結果になるだけのこと。

 

これは自転車だけではなく全ての車両に言えますが、路外から合流する際には十分な確認が必要なのよね。

コメント

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