MAVICのキシリウムエリートのラチェット音ってどれくらい?爆音?と聞かれたのですが。

読者様から、マヴィックのキシリウムエリートのラチェット音について質問を頂きました。

読者様
読者様
MAVICのラチェット音ってどれくらい音ですか?
爆音でしょうか?
キシリウムエリートを検討してますが、MAVICならラチェット音はどれでも同じですか?

というお話です。

FTS-Lとインスタントドライブ360

まず、マヴィックのラチェット方式は、FTS-Lインスタントドライブ360の二つがありまして、両者で全く構造が違います。
音も違います。

FTS-Lというのはこんな感じで、
blank

小さな爪が二つあるタイプです。
インスタントドライブ360は

全く構造が違います。

リムブレーキ用のホイールは、上位モデルにはインスタントドライブ360が多いですが、キシリウムエリートUSTはFTS-Lです。
ところがディスクブレーキモデルについては、全てがインスタントドライブ360になってます。

インスタントドライブ360のほうがラチェット音がはるかに大きいので、同じキシリウムエリートUSTでも、リムブレーキ用とディスクブレーキ用では全く音が違います。

ラチェット音ですが

私もキシリウムエリートを使ってますが、手持ちの動画の中にラチェット音を撮ったものがないので、ネット上で見つけた動画から見てみます。

まず、こちらはリムブレーキ用のキシリウムエリート(FTS-L)。

で、そこそこ大きな音がしていますが、これはメンテナンス不足の結果です。
というより、この状況は結構ヤバイので、後述します。

こちらもキシリウムSLのラチェット音(FTS-L)ですが、これもメンテ不足の音。

マヴィックのFTS-Lについては、専用のフリーボディオイルを使ってメンテナンスすることとなってます。
blank
メンテ前後の動画がありました。

ちゃんとメンテナンスすると、このように無音に近いレベルになります。

インスタントドライブ360のほうですが、グリスアップ直後は音が小さくなりますが、結構早い段階でこんな感じです。

セミのような音、とも言われますw

なのでラチェット音だけでまとめると、

・FTS-Lラチェットの場合、本来はかなり静音。ただしメンテナンスを怠るとそこそこ爆音化します。

・インスタントドライブ360のものは、メンテ直後には多少音が減るものの、基本的に爆音です。
セミの鳴き声とも言われます。

FTS-Lで音が大きいのがヤバイ理由

先ほどの動画で、メンテ不足で危ないと書いたのですが、

音が大きいからヤバイ、というわけでもないのですが、この症状が出ているときはだいたい音が大きい、メンテナンス不足の結果であることが多いです。
この動画、何がヤバイかというと、

管理人
管理人
クランクから手を離した後も、チェーンが正回転してクランクが勝手に回っていること

これが結構ヤバイのです。
これは幽霊ペダリング現象です。
というのも、例えばですが、長い下り坂でペダリングを止めて進んだとしますよね。

この、幽霊ペダリングが起こるような状態で、ホイールは回転している、ペダルは足で止めている状況があると、どうなりますか??

答えは、チェーンだけが前に進んでいるのに(=幽霊ペダリングが起こる状況)、クランクの回転は足で止めているので、チェーンがクランク・FD付近でだぶついてしまう。

これがヤバイのです。

これ、私も一度やってしまったのですが、

走行中にチェーン落ちした、驚きの理由。

長い下り坂で同じような状態でペダリングを止めて進んでいて、平坦に変わりそうなタイミングでペダリングを開始したところ、FD付近でダブついていたチェーンがFDを破壊してチェーン落ちです。
一瞬、何が起こったのかサッパリわかりませんでした。
平坦になるタイミングでペダリングした瞬間に、バキっと大きな音がして、フロントがチェーン落ちしてクランクロックです。

そのまま緊急停止して確認したところ、FDがとんでもない方向に曲がってまして、変速も出来ない状況になってました。
そのときは確かフロントをインナーにチェーンを掛けることは出来たので、インナー縛りで帰ったと記憶してます。

フロントのチェーン落ちのときに、ある技を使うと手で掛けなくても戻せるのですが、そのときは余計なことしたらもっと酷くなっていたかもしれません。
なにせ、FDの羽が斜め方向に向いちゃってましたし。

この幽霊ペダリング現象がなぜ起こるかですが、FTS-Lタイプの場合、フリーボディの奥に、黒いゴムシールがあります。
blank

これがフリーボディが収まる場所の奥に入ってます。
blank

この黒いゴムシールと、フリーボディの白い樹脂部分が接触しています。
blank

で、この黒いゴムシールと白い樹脂部分に十分なオイルがないと、ここがうまく潤滑しないので、このように幽霊ペダリング現象が起こります。

ここのオイルアップは、ラチェットのオイルアップと同時に行うのですが、ラチェット音がこれだけ大きくなっているときは、だいたいはゴムシール部のオイルも足りてないので、幽霊ペダリングが起こります。

ただ私がチェーン落ちしたときは、むしろオイルアップした直後でした。
マヴィック純正オイルだと粘度が高いのでこれが起こりやすいらしく、それ以降はショップで勧められたRESPOのチタンオイルを使ってます。

[amazon_link asins=’B00VFKKV9E’ template=’new1′ store=’roadbikenav05-22′ marketplace=’JP’ link_id=’06ecb49c-9d6a-498e-85ac-00d060f1d226′]

ここのオイルは何でもいいわけではなく、メーカー推奨はマヴィック純正オイルです。
ゴムや樹脂に攻撃性があるオイルはNGなので、攻撃性がないチタンオイルを使ってます。

で、マヴィック純正オイルのほうが、ラチェット音自体は小さいです。
小さいというよりも、ほぼ無音レベルまで持っていけます。
RESPOのチタンオイルの場合、純正オイルよりもラチェット音は大きいですし、やや甲高いラチェット音になります。

マヴィックでも、ゴムシールのほうにしっかりオイルを挿して、ラチェット部のオイルを少なくすれば音は大きくなると思いますが、マヴィックの場合、フリーボディのメンテナンスは1000キロに一度程度とかなり短めのスパンで要求されています。
オイル量を減らせばもうちょっとメンテ頻度は上がるかもしれません。

ラチェット音が大きいのは

blank

カンパニョーロ・フルクラムについてはラチェット音が大きいですが、ラチェット音を期待してホイール買ったのに、全然爆音じゃなかったという話もよく聞きます。

これについてはちょっといろいろあるのですが、昔のカンパ・フルクラムのホイールって、フリーボディのグリスアップがあまりされてない常態がデフォルトで販売されていただけで、本当は購入したらまずグリスアップしてから使ってね!というのが正しい姿でした。
しかしそれを知らずに乗り出す人があまりにも多かったので、ここ最近はメーカー出荷時にきっちりグリスアップされています。

なのでカンパ・フルクラムのホイールは、最近は購入直後はむしろ静音です。
そのうち、グリスが抜けて大きくなっていきますが。

さきほど挙げたようなマヴィックのFTS-Lタイプのラチェットの場合、ちゃんとメンテしてないと走行中にいきなりチェーン落ちするリスクもあるので、ラチェット音大きい=カッコイイ、という単純な図式で見るのはやめたほうがいいかと。
単にメンテ不足で音が大きくて、しかも危険な場合すらありますので。

FTS-Lラチェットで、メンテナンスする目安は、ラチェット音が大きくなってきたら、もしくは走行距離が1000キロ超えたら、もしくは、幽霊ペダリング現象が確認されたら、のいづれかです。
変速調整などしてみて、幽霊ペダリングが出ているときは完全にアウト。

で、マヴィックのインスタントドライブ360とか、DTのスターラチェットなどは、

このように、ラチェット音は大きいです。
セミのような音ですので、私は不快ですが。

カンパ・フルクラムの場合はある程度ラチェット音も調整は出来ます。
ラチェット音重視でホイールを選ぶという価値観はイマイチわかりませんが、音が大きいことが危険なサインであることも多いので、そこまで気にする問題なのかはわかりません。

まあ、サイクリングロードでわざとラチェット鳴らして、歩行者をどかすために使うという人すらいますから、世も末だなと思うときもありますが・・・

で、結論ですが、

・マヴィックのラチェット音は、インスタントドライブ360のものであれば大きい。
FTS-Lタイプで音が大きいのは、ヤバいサインなことも。

・キシリウムエリートでも、リムブレーキ用とディスクブレーキ用ではラチェット音が違います。

・マヴィックホイールの中でも、ラチェット方式は二つあるので、全てのマヴィックホイールがラチェット音が同じではない。