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ロードバイク、同一車線内の追越しは違反?

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前にあったウーバーイーツとバスのトラブルについて質問。

 

読者様
読者様
ウーバーとバスのトラブルで、自転車の同一車線内の追越しは違反だと話がたくさん出てました。
複数車線ある道路で、ロードバイクがロードバイクを追い越すときも同一車線内の追越しは違反扱いだから、隣の車線に移動しないといけないのでしょうか?

 

これの件ですね。

ウーバーイーツとバスの幅寄せトラブル問題、当サイトなりのまとめとトラブル回避の対策を。【警察からも法適用の助言あり】
もう何度か、ウーバーイーツの配達員が、バスに幅寄せされたという件を取り上げています。 この件、法の適用という観点で不明確な部分があり、ネット上では間違った意見も続出しています。 警察にも法の適用を確認したうえで、当サイトなりのまとめをします...

 

図式化すると、これは違反なの??というところ。
これは同一車線内の追越しですね。

そうするとこっちが正解なの??という疑問。

 

これだと第二通行帯に車線変更しての追越し。

さてどっちが正解なのかという話なんですが。

同一車線内の追越し

この記事取り上げる内容は、複数車線ある道路に限定します。

 

同一車線内の追越しというのは、この規定です。

車両通行帯
第二十条 車両は、車両通行帯の設けられた道路においては、道路の左側端から数えて一番目の車両通行帯を通行しなければならない。ただし、自動車(小型特殊自動車及び道路標識等によつて指定された自動車を除く。)は、当該道路の左側部分(当該道路が一方通行となつているときは、当該道路)に三以上の車両通行帯が設けられているときは、政令で定めるところにより、その速度に応じ、その最も右側の車両通行帯以外の車両通行帯を通行することができる。

2 車両は、車両通行帯の設けられた道路において、道路標識等により前項に規定する通行の区分と異なる通行の区分が指定されているときは、当該通行の区分に従い、当該車両通行帯を通行しなければならない。

3 車両は、追越しをするとき、第二十五条第一項若しくは第二項、第三十四条第一項から第五項まで若しくは第三十五条の二の規定により道路の左側端、中央若しくは右側端に寄るとき、第三十五条第一項の規定に従い通行するとき、第二十六条の二第三項の規定によりその通行している車両通行帯をそのまま通行するとき、第四十条第二項の規定により一時進路を譲るとき、又は道路の状況その他の事情によりやむを得ないときは、前二項の規定によらないことができる。この場合において、追越しをするときは、その通行している車両通行帯の直近の右側の車両通行帯を通行しなければならない。

この20条は車両通行帯の話なので、複数車線がある道路の話です。
これの3項ですね。

3 車両は、追越しをするとき、第二十五条第一項若しくは第二項、第三十四条第一項から第五項まで若しくは第三十五条の二の規定により道路の左側端、中央若しくは右側端に寄るとき、第三十五条第一項の規定に従い通行するとき、第二十六条の二第三項の規定によりその通行している車両通行帯をそのまま通行するとき、第四十条第二項の規定により一時進路を譲るとき、又は道路の状況その他の事情によりやむを得ないときは、前二項の規定によらないことができる。この場合において、追越しをするときは、その通行している車両通行帯の直近の右側の車両通行帯を通行しなければならない。

追越しをするときは、その通行している車両通行帯の直近の右側の車両通行帯を通行しなければならない。】とあります。
車両という言葉には車もオートバイも、原付もロードバイクも含まれますので、これを読む限りでは同一車線内での追越しは違反です。

 

ただこれ、根本的な勘違いがよくあります。

 

※道交法での車両には、車、オートバイ、原付、自転車などが含まれます。

追越しの定義

道路交通法での追い越しの定義はこのようになっています。

第2条
二十一 追越し 車両が他の車両等に追い付いた場合において、その進路を変えてその追い付いた車両等の側方を通過し、かつ、当該車両等の前方に出ることをいう。

これ、以前もどこかで書いたような記憶があるのですが、これかな?

 

解釈の話。
ちょっと前に書いた記事で、二段階右折と、信号で停止するときの左すり抜けのことを書いたものがあるのですが、 ここで挙げたケース6の事例、左すり抜けが問題ない理由として、 と書きました。 これについて、 このような意見を頂きました。 ※長文にな...

 

道交法での追い越しの定義については多々判例もありますが、追越しが成立するには4つの要素、全てが当てはまる必要があります。

車両が他の車両等に追い付いた
その進路を変えて
追い付いた車両等の側方を通過
当該車両等の前方に出る

この4項目が全て成立した場合に追越しとなるので、どれか一つでも当てはまらないならそもそも追越しではない。

 

先行車も追従車もロードバイクの事例で見てみます。

 

車両が他の車両等に追い付いた

まず追越しの定義として、前車に追いついた場合となっています。
この場合の追い付いたとは、道交法26条でいうところの車間距離まで迫った場合と解釈されています。

(車間距離の保持)
第二十六条 車両等は、同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行するときは、その直前の車両等が急に停止したときにおいてもこれに追突するのを避けることができるため必要な距離を、これから保たなければならない。

なので追いつく前に進路を変えているなら、そもそも追越しではありません。

・・・・・・・・・・・・・・・・
※26条の車間距離については、【同一の進路を進行】とあり、このように解釈されます。

左右いずれかに方向を変えないで直進した場合におけるその車両の幅に相当する道路の部分

 

「同一の進路」とは、追従車の進路と先行車に進路とが、(中略)、その一部又は全部が重なり合っているものをいい

 

野下文生 道路交通執務研究会、執務資料 道路交通法解説、p249、東京法令出版、2017

このように先行車と追従車が重なっている状態を指す。
車の車間距離は目安が示されているが、自転車の車間距離は明示されていない。

<参考>

【警視庁管内自動車交通の指示事項】では必要な車間距離を以下のように定めている。

速度(キロメートル) 車間距離(メートル)
55 20
50 18
45 17
40 15
35 13
32 10
30 9
25 8
20 6
15 5
10 4
8 3

野下文生 道路交通執務研究会、執務資料 道路交通法解説、p68、東京法令出版、2017

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

20条で規定しているのは、複数車線の道路における【追越し】についての規定なんで、このように追い付く前に進路を変えているなら、そもそも追越しにはなりません
なので同一車線内であっても、このように追い付く前に進路を変えているなら追越しではないので、何ら問題はありません。

 

「他の車両等に追い付いた場合」とは

 

車両が同一の進路にある他の車両等に対し、おおむね必要な車間距離(法二六条)まで接近した場合という意味である(昭42・4・10長崎簡裁)。

 

野下文生 道路交通執務研究会、執務資料 道路交通法解説、p68、東京法令出版、2017

「追越し」は、追い付いた場合に進路を変更して、その側方を通過し、前方に出ることをいうのであるから、「追い付かない」前に進路を変更して、その側方を通過し、その前方に出たとしても、それは追越しとはならない。

 

野下文生 道路交通執務研究会、執務資料 道路交通法解説、p68、東京法令出版、2017

複数車線ある道路の場合、ロードバイクは左寄り通行する必要がなく、第一通行帯の中であればどこでも走れます。

これでも違反ではない。

 

この第一通行帯の中で、左寄り走行しているロードバイクがいたとして、追い付く前に右寄りにしているなら、同一車線内でも前に出ることは違反ではないです。

追いついてもいないし、進路も変えてないので追越しにはなりません。

 

こちらも同様。

追越しと区分する意味で、追い抜きと呼ばれることが多いかと。
まあ、前車(ロードバイク)がこんなところを走っている時点で、なんかおかしいなと思い私なら警戒しますが。

 

なので理論上、前が車であったとしても、同一車線内で前に出る行動は可能です。
追い付いてから進路を変える行動が追越しなので。
同一車線内であっても、追い抜きは成立する。

※先行車、追従車の両方が車の場合、物理的に車幅の関係から同一車線内での追い抜きは不可能。
なので車と二輪車の関係性、もしくは二輪車同士の関係性でしか、現実的には成立しないのではないかと。

 

これ、どういうわけか勘違いしている人が結構いるように感じます。
同一車線内での追越しは違反ですが、追い抜きは違反ではない。
同一車線内で、左追い抜き、右追い抜きのどちらも成立しうるので、追い付く前に進路を変えて追い抜きする分には違反にはなりません。

たぶんですが

ウーバーとバスのトラブルでは、同一車線内の追越し違反についてのコメントは確かに多かった。
それと同時に、ウーバーの方の過去の運転動画から、お前も同一車線内で追越ししているじゃん!みたいなツッコミも。

 

複数車線がある道路で、同一車線内での追越しは違反です。
ここからがポイントで、【前に出る行為=追越し】だけではないということ

 

追越しは、
1、前車に追いついて
2、進路を変えて
3、前車の側方を通り
4、前に出る行為

 

この4項目が揃わない限り、道交法では追越しではない。
前車の側方を通って前に出るという行為だけで、脊髄反射的に【追越しだ!!】と考える人が多いのかなと推測しますが、前に出る行為の全てが追越しとは限らない。
なので同一車線内で【前車よりも前に出る行為】には、追越しも追い抜きもある。

 

同一車線内で、ロードバイクよりも車が前に出る行為。

同一車線内で、車よりもロードバイクが前に出る行為。

これどちらも追いついていない上に、進路も変えてないので追越しには当たりません。
追い付くという行為も、車幅が同一の進路上に来ることと解釈されているので。

 

たぶんですが、同一車線内での追越しが違反だという指摘。
横を通って前に出る=追越し、このように勘違いしていることが全てなのかなと・・・

 

あとそもそも論としてですが、車と自転車の関係でいうと、よほど車線の幅が広くない限り、危険です。
こんなん、されたくないし。

当然これも危険なことが多い。

 

けど、追い付いてもないし、進路も変えてないから追越しではない。
道交法では側方距離は定められていないので、近過ぎても違反とは限らない。
まあ、あまりにも近い場合は安全運転義務違反を主張することは出来なくもないですが、安全運転義務違反はなかなか成立しないので・・・。

 

違法なのか合法なのかという議論と、安全か危険かの議論はまた別です。
合法でも危険な行為はある。

 

合法か違法かの議論と、安全か危険かの議論が混同している人も多いような気はします。
合法なことは合法で、そこから先の話をしないといけないわけで。

 

で、当初の質問。

読者様
読者様
ウーバーとバスのトラブルで、自転車の同一車線内の追越しは違反みたいな話がたくさん出ていたと思います。
複数車線ある道路で、ロードバイクがロードバイクを追い越すときも、同一車線内の追越しは違反扱いだから、隣の車線に移動しないといけないのでしょうか?

 

追い付く前に進路を変更しているなら、それは追越しではないので違反にはなりません。
同一車線内で前に出ても問題なしです。

 

ケーススタディ

あくまでも先行車、追従車の両方がロードバイク(自転車)のケースで見てみますが、先行車が車でも同様です。

【A】

追いついてから進路変更しているので追越しに該当します。
追越しで、かつ左から追越ししているので違反ですね。

【B】

こちらは追いつく前に進路変更しているので、追越しには当たりません。
なので違反ではない。

【C】

こちらは追いついてから進路を変えているので追越しに当たります。
複数車線ある道路で同一車線内の追越しになるため、違反です。

【D】

こっちだと問題なし。

【E】

追い付いてから進路を変えて前に出ているので、追越しに該当し違反(このケースでは第二通行帯から追越しする義務がある)。

【F】

追い付く前に進路を変更しているので、追越しには該当せず違反ではない。

 

当サイトの過去の記述を読めばわかると思いますが、基本的にロードバイクが前の車に対してすり抜けていく行為、

よほど道幅が広くない限りは、全くオススメしません!
これ自体違反にはなりませんが、左から追い抜く行為自体の危険性もあり、事故例もある。

 

大型車とロードバイクの追い抜き事故、判決が納得いかないという意見を結構いただくのですが。
何度もお伝えしている、大型車とロードバイクの追い抜き事故の件。 そしてアンケート。 この判決について、判決がおかしいんじゃないかと思う人がそれなりにいるようです。 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || [...

 

信号待ちですり抜けて前に出る行為も、よほど道幅が広いなどの事情などがない限り、あまりオススメしません。

この幅で前に出るロードがいるとは思いませんが・・・

 

この同一車線内での追い抜きについて、違反だと書いてあるサイトも正直あります。
ただそれを言うならば、

複数車線道路で、ロードバイク同士でこの形態で前に出ることが違反になってしまいますが・・・
追越ししか出来ないなら、第二通行帯に移動して追越ししないと違反になる。
しかしこれが違反にならない理由は、追越しではなく追い抜きだから。
【追い付いてないから】、【進路を変えてないから】が屁理屈だとするサイトもありますが、判例上、追い付くというのは26条の車間距離を指すと示され、同一進路とは車幅が重なるところだとなってます。
なので同一車線内でも追い抜きは成立します(左側も右側も)。

 

走行中に前車(自動車)の左横からすり抜けて走るのも、だいたいはドライバーに嫌がられます。
自分がされてイヤだと思う行為は、自分自身もやらない。

 

これが鉄則なのかもしれません。

 

※この記事はあくまでも片側2車線以上の道路での話です。
また自転車の車間距離(法26条)については明確な判例も無さそうなので、警察官の判断によっては【追い付いてから進路変更した=追越し】と判定される可能性もゼロではありません。
また、ロードバイクで左からすり抜けて走行するのは危険なケースも多いため、原則としてはオススメしません。




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