なんか最近、自転車関係の事故のニュースって多くないですか?
68歳の女性が道路の左側を自転車で走っていたところ、後ろから来た自転車が、さらに左側から無理矢理追い抜いていきました。女性は驚いて転倒し、頭を打撲する軽傷を負いましたが、追い抜いた自転車は止まらずに走り去ったということです。自転車同士が接触した形跡は見当たらないということですが、警察は、追い抜いた自転車が転倒の原因を作ったのに助けなかったとして、ひき逃げ容疑で捜査しています。
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まあ、当サイトを見ているようなロードバイク乗りでこんなことする奴がいるとは思いませんが。
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非接触驚愕事故
当たってもいない、ぶつかってもいないのにひき逃げ扱いになるのが、非接触驚愕事故。
簡単に言うと、驚かして転倒させたということになります。
怪我された自転車は路側帯を通行していたようなので、さらに左から追い抜きしたということはこんなイメージではないかと。
驚かして転倒させた場合、加害者になりうる。
ただしこの事故では、それ自体が容疑になっているわけではなくて、容疑としては怪我人の救護義務と警察への通報義務を怠っていることになっています。
非接触驚愕事故については、映像が残ってないと立証しようが無いです。
というのも、危険なほど接近していたのか、そもそも本当に左から追い抜きしたのかの立証が出来ない限りは、難しい。
けど、怪我人が出ているのに救護義務を怠っていることについては間違いないので、道交法72条に違反することになってしまう。
(交通事故の場合の措置)
第七十二条 交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。以下次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。以下次項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。
ちょっと前にあった、小学生が立て続けに2台にひき逃げされた件もこれですね。
で、ここからが問題。
もしもですよ。
もし、左から追い抜きした自転車が、事故に気が付いていない場合どうなるのか?という話。
ママチャリなんて15キロとか20キロ程度のスピードしか出ていませんが、もしロードバイクで時速40キロとかで駆け抜けた場合には、接触も衝突も無い以上、事故に気が付いていない可能性もある。
まあ、路側帯の中で左から追い抜きするロードバイクなんてまずいないとは思いますが、こういうのって被害者が泣き寝入り状態に陥るパターン。
事故に気が付いていない場合に、ひき逃げが成立するのかについては・・・どうなんですかね?
前にあった小学生の事故では、
一台目の女性は既に出頭してますが、二台目の男性はいまだ出頭していない。
二台目の男性、小学生に声を掛けているようなので、事故に気が付かなかったという言い訳は無理。
まあ、追い抜きでも追越しでもそうですが、至近距離でするなという話なんですけどね。
特に相手は高齢者のようですし。
気をつけたほうがいい話
前にSNSで出ていた話なんですが、ロードに乗っているときに、前方から逆走ママチャリが登場した。
それを交わしたときに、逆走自転車から罵声を浴びたみたいな話が出てました。
このロードバイクの人、相手が完全に悪いというような感じで動画まで載せてましたが、逆走自転車が悪いのは当たり前として、側方車間距離も開けずに交わすからそうなるだけの話だったりする。
こんなイメージでした。
普通こういうときに、後続車がいない、もしくは逆走自転車との距離が近過ぎるなら、もっと右に寄って避ける。
もちろんですが、逆走自転車が見えた時点で減速するのが当たり前。
もしくは、逆走自転車との間に距離が結構あるなら、早い段階で左に寄せて停止して待つ。
逆走自転車に対して、こっちがどう動くのか意思表示しないと危険。
これを、たいして右に寄るでもなく、左に寄せて停止して待つでもなく、減速も十分にせずに至近距離でパスすれば危険。
こんな場合に逆走自転車と接触が無くても、相手が転倒すれば加害者になりうるので、こんな至近距離でパスするとかやってはいけない行為の一つ。
ちなみに、逆走自転車と距離がある場合、左に寄せて停止して待つほうがいいです。
これは二つの理由があって、一つは停まっている自転車に突っ込んでくるバカはいないこと。
何度もこうやってますが、突っ込めば怪我をすることくらいはわかるので、特攻隊みたいなアホはいない。
二つ目の理由は、逆走自転車と接触・衝突した場合、過失割合は50:50だから。
あくまでも生活道路での過失割合ですが、教本によると50:50になってます。
これが自転車同士の事故の恐ろしさ。
逆走自転車とぶつかっても、過失割合は50:50。
(幹線道路では変わりますが)
これも停止して待っている状態なら、万が一停車中の自転車に突っ込まれても、0:100を主張できる。
そもそも停車中の自転車に突っ込んでくるバカがいるとも思えませんが・・・
逆走自転車とこんなパスの仕方をして、
接触が無くても、逆走自転車が転倒して怪我すると、非接触驚愕事故になる。
しかも逃走すればひき逃げ容疑で捜査対象になってしまう。
逆走自転車が転倒したことに気が付かなくても、容疑はひき逃げとして捜査されちゃうわけです。
なのでこういう至近距離で追い抜いたり、追越ししたり、パスする人をみると、安全意識が足りないんだろうなと思うわけです。
まあ、まともなロード乗りの人が路側帯の中で、至近距離で左追い抜きするとは思えませんが、高齢者とか子供とかを追い越しするときは、不自然なほど横の車間距離を大目に取るくらいのほうがよかったりする。
車でもいません?
ロードバイクに乗っていて、物凄く距離を取って追越ししてくれる車。
ああいうのって、下手なことして事故を起こしたくないという意思表示でもあるし、非接触でも驚愕事故が起こることをわかっているからだと思うんですが。
サイクリングロードでも、歩いている人のすぐ横をそれなりの速度で通過するロードバイクとかいますが、歩行者がビックリして転んでも驚愕事故になる。
当たったか当たってないかは、あんまり関係ないんですよね。
他人を驚かせて怪我をさせれば、加害者になりうるので。
前にロードバイク用のブザーの開発者が、ながらスマホの歩行者に対して後ろからブザーを鳴らす画像を載せてましたが、
あれも法に反する警音機の使い方をしているわけで、驚かせて歩行者が転倒したら大問題なんですよね。
そこまでわかっているのか、わかってないのか不思議なんですが。
法律どおりの使い方をしていればまだいいけど、違法な使い方をして驚かせたらかなりマズイ話になるだけだと思うんですが。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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