自転車の少額違反金制度の創設については、前にも書いてますが、


これ、私としては大賛成でして、意味不明なプレイをする奴らは違反金で制裁してほしいと以前から願ってました。
どこまで対象になるのかは今後詰めていくところだと思うのですが、これってママチャリユーザー的には歓迎しないシステム・・・なんですかね?
そりゃ違反金取られるよりも取られないほうがいいでしょうけど、そもそも論としては違反しなければ違反金を取られることはないわけですし。
逆走とか信号無視とか一時停止違反とかする奴らがいるから事故が増えるわけですし、今世紀最大級のいい制度だと思うのですが。
少額違反金制度
少額違反金制度については警察庁の有識者会議で提言された段階なので、実際に導入するのか、どうやって運用するのかなどはまだ未定です。
大手サイトでもこの報道は出てますが、なんか雑だなぁ・・・と思うこともしばしば。
新聞などでこのニュースをご覧になって「ついに自転車にも違反金か」とびっくりされた方も多いかと思う。3歳児が補助輪付きの自転車に乗っても誰もびっくりしないぐらいの身近な乗り物だ。その子が近所の「止まれ」と書かれた交差点でちゃんと一時停止をしなかったら反則切符を切られるのだろうか。
報告書では具体的な違反金制度の詳細については触れられていない。一部新聞報道では違反金の対象は14歳以上になるのではとの観測が見られたが、別の新聞には「今後対象年齢や身分確認の方法、違反金額について議論を進める」とも書かれていた。
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少額違反金の内容を見ると、要は車の反則金と同じシステムを目指しているのかなと思います。
車の違反金制度は、
一種の飴と鞭の制度。
そもそも、交通違反の全てを起訴していると警察、検察、裁判所は崩壊します。
なので起訴(刑事罰)を与えない代わりに反則金で済ませてやるぜ!というある種の【穏便に済ませてやる】制度です。
自転車の少額違反金制度も同じことで、反則金を払えば起訴して前科持ちにしないよ、という制度になるだろうと。
少年法の関係で、14歳未満は刑事処分の対象外。
3歳の子に違反金を求めることなんて無意味だということもわからないのだろうか???
3歳の子に払えと言っても、払わなくても刑事処分を課すことすらできないわけだし、しかも一般的な感覚からしても3歳の子の違反について切符切るとかありえないw
身分確認をどうするんだ?という話も出てますが、そんなもんはいろんな方法で可能。
・身分証の提示
・防犯登録からの照会
・家族に電話させて確認
写真付き身分証を持っていない場合は、例えば防犯登録から確認して、名刺とかキャッシュカードの名義確認など複数の手段を使って確認することになるだろうと予想されます。
身分証を持っていないと嘘をついたりすれば逃げられるのか?という話になってくるわけですが、そもそも、道交法は特別刑法になるので、違反に対して逮捕しようと思えばできる。
けど交通違反のほとんどは逮捕しないわけですが、こういうのもちゃんと理由があるわけですよ。
(身柄拘束に関する注意)
第二百十九条 交通法令違反事件の捜査を行うに当たつては、事案の特性にかんがみ、犯罪事実を現認した場合であつても、逃亡その他の特別の事情がある場合のほか、被疑者の逮捕を行わないようにしなければならない。
逮捕は身柄拘束なので、理由が無いと出来ない。
違反したというだけではダメで、不当な逮捕が原因で損害賠償を認めた判例もあります。
けど、逆に言えば逃走の恐れありのときは逮捕しても構わないわけで。
身分証を持っていない、家族もいない、所属会社や学校も明かさない、防犯登録してない、名前がわかるものを何一つ提示できない、名前も住所も明かさないなどの条件が揃えば、逃亡の恐れありで逮捕してもいいんですよ。
それこそ、名前と住所から免許情報の検索も出来るでしょうし。
バカな人は【たかが自転車の信号無視】と思って甘く見るでしょうけど、逃亡の恐れありなら逮捕可能。
無駄に逮捕歴を付けるくらいなら、従っているほうが合理的。
そもそもですが
この少額違反金制度の話ですが、狙い撃ちしたい対象はどこなのか?という話になります。
表向きの理由としては、そのへんを走っているママチャリどもが信号無視するし、逆走するし、一時停止なんて守る気も無いし、高速道路を走るヴァカまで出ているわけですよ。
このような日常化してしまった無法地帯に対し、そろそろ歯止めを掛けるべきというのが表向き理由だと思います。
こちらの71ページに多少触れてあります。
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/council/mobility/interim-houkoku.pdf
電動キックボードの実証実験についてはいろいろ意見は出てますが、


実証実験の結果を踏まえて、新しく小型低速車という免許不要のカテゴリーを作る方向性なわけですよ。
電動キックボードのうち、時速15キロまでしか出ないものについては、免許不要、ヘルメット任意、自転車レーンや自転車道走行可能などの新しいカテゴリを作る方向性。
で、現在のシステムのまま、免許不要で小型低速車のカテゴリが法制化された場合に、現在の自転車と同様に違反に対して厳しく取り締まり出来なくなってしまいます。
現在の自転車も、違反しても起訴されることはほぼないですが、小型低速車も免許不要だったら同じ運命をたどる恐れがある。
その結果、今のママチャリと同じくやりたい放題の信号無視や逆走などが生まれる危険性がある。
なので自転車にまず少額違反金制度を導入して、ある種の心理的拘束感は作りたいんじゃないですかね。
自転車の信号無視も、せいぜい警告カード貰う程度で終わってますが、そもそも警察官が現認していなかったら完全スルー状態。
自転車でも違反すれば違反金なんだよ、という流れを作らないと、電動キックボードも同じ運命をたどるので、それを阻止するためにも自転車に少額違反金を作るのだと思われます。
なので小型低速車も法制化された際は、同じく違反金制度になるはず。
あと、狙い撃ちしたい対象としては、社会問題化しているウーバーですよ。
スマホ見ながら歩道を爆走しているバカも多いですが、今まではせいぜい警告カードどまり。
違反金が設定されたら、スマホ見ながら乗る人が減ってくれるといいなという願いもあるんじゃないですかね。
なのでもし自転車の少額違反金制度が出来たら、まず集中取り締まりをして社会にアピールするだろうと思われます。
ノーブレーキピストの集中取り締まりと同じですね。
スマホ見ながら歩道を走ってしまいにノールックで信号無視しているウーバーを見たことがありますが、そういうのは違反金をガンガン取ればいい。
違反しなければ違反金を求められることはないのだから、何も恐れる必要が無い。
少額違反金についても、その場でQRコード決済出来るようにすれば、かなり簡略化できるはずなんですよ。
警察手帳の中にQRコード入れておいて、読み取ってもらってその場で支払いとか。
電子マネーだと膨大な端末機が必要になるけど、QRコード決済なら費用もほぼ掛からないし。
時代に合わせて、違反を厳罰化しながらも反則金の支払いもその場で完了システムにすればいいのですが、根本的なところで言うと、取り締まりする警察官の数が足りていない。
だから最初に集中取り締まりして世間にアピールして、後は心理的効果を狙うんだと思われますが、警察官の書類処理を簡略化するためにもその場でQRコード決済を導入すべき。

2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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