何度かシリーズ化している、アルカリ性洗剤によるチェーン洗浄の話。



アルカリ性洗剤は避けておいたほうが無難、ということは間違いないこととして、水を使った場合の後処理と、水置換性オイルについて。
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水置換性オイルは割り込み効果
金属表面に水分が残っていても、水置換性オイルの場合は金属と水分の間に割り込んで進入し、金属表面に被膜を形成するという効果があります。
ただし先日も和泉チエンのご担当者様から言われたことなんですが、
水置換オイルの存在も存じてはおりますが置換する為に必要な量も状況により変化すると考えられるので「かけたから大丈夫ですよね?」と聞かれても証明が難しいです。製品の問題ではなくメーカーが想定する使用量なのかが分かりかねるので。
調べた限りでは、水置換オイルの場合は少量の界面活性剤が含まれている・・・らしい。
詳しくはこちらでの研究がありますが、私も専門分野ではないのでイマイチよくわかりませんw
ただまあ、金属表面にある水分が少なければ少ないほど、水置換性オイルで表面被膜が形成されやすいというところは間違いないのかと。
どれくらいかければ大丈夫なのか?というところは、和泉チエンのご担当者様が言うように、絶対的に大丈夫なラインというのは事実上検証不可能なのかと。
まあ、しっかり水分は水分で飛ばして、その上で念のため水置換性オイルを使うという方向になるのかなと思うのですが、どうやってしっかり乾かすのかというところはなかなか難しい。
エアブローとか持っていればある程度は水分を飛ばせるでしょうし。
私は全力でクランクを回して水分を遠心力で飛ばした後、しっかり拭いて、その後はこんなの使ってみたりしてます。
効果があるのかないのかまではよくわかりませんし、気休め効果しかないのかもしれません。
ドライヤーとかのほうがいいんですかね?
気分次第でしばらく扇風機を当てたりはしてますが。
まあ、和泉チエン様のお言葉としては、こうなりますがこれが正論と言えば正論。
水洗いを推奨していない理由も内部の水を完全に出し切る確認が非常に難しい、水を出し切る労力が大きい為です。
どこまでリスクを考えるか?
実際のところ、アルカリ性洗剤をずっと使っているけど問題ないよという声も寄せられています。
もうね、この問題は難しいです。
和泉チエン様の画像は、アルカリ性洗剤を使用後、【しっかり】水洗いして、しっかり乾かしていたそうですが、試験紙を当てるとアルカリ性の反応が出ている。
しっかりというところは人それぞれどの程度なのか変わる上に、しっかり出来たかどうかの証明も難しい。
強いて言うなら、毎回水で流した後にリトマス試験紙でも当てる・・・なんてバカな話もないし。
内部にアルカリ成分が残留しているなら、それはチェーンをバラバラにしないと検査できないし。
で、今までずっとアルカリ洗剤を使ってきて、チェーン交換するときに分解してバラバラにして確認して門d内が出ていないという人がいるなら、何が何でもやめるべき!とまで言うつもりも実はありません。
これも人それぞれチェーンの使用環境で変わり得るので、金属が脆くなってクラックが入った事例もあるよ、ということは頭に入れておいていただければ。
ちょっとでもリスク因子を減らしたいのであれば、もちろん推奨はしませんが。
こういうのってホント難しいなと思うんですが、少なくとも第三者に勧めるにあたっては一定の責任があると思っているので、あのような画像を見た上で気にせず使っても大丈夫などと安易なことは言えません。
自己判断でそのままアルカリ洗剤を使うということについては自己責任になっちゃうし、それを無理に止める権利もないし。
アルカリ性洗剤と弱アルカリ性洗剤でも話が変わるんでしょうけど、中性を選んでおいたほうが無難、ということですかね。
恐らく、重いギアでゴリゴリ乗り回す人と、軽いギアで乗っている人でもチェーンへの負荷が違うはずなので、ケミカル系+力学的な負荷+環境因子などが重なってクラックに至るのだと思うので。
水置換性オイルは、割り込んで痴漢する。
その前には徹底的に水分という邪魔者を排除してから痴漢したほうがいいということは確実です。

2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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