何度かアルカリ性洗剤によるチェーン洗浄の影響について書いてきましたが、

若干矛盾する内容で、シルテックのチェーンについて過去にこういう記事も書いています。

シルテックというのはいわゆるテフロン加工。
つまりは酸やアルカリにはむしろ強い・・・はず。
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どう捉えるべきなのか?
こちらの記事にご意見を頂きました。



先日、和泉チエンの担当者さんからも言われた件がこちらになります。
この場合、アルカリが直接金属を犯したと考えるべきなのか、残留アルカリがオイルを分解してしまった結果と見るべきなのか、どうなんでしょうか?



チェーン会社によってもいろいろ差は出ると思いますが、やはり残留アルカリ⇒オイルを分解⇒油分が足りなくてクラックや錆・・・という感じなんでしょうかね。
サンポールで錆び取りも聞きますが、その手間は時間の無駄というか、チェーンを交換したほうがいいと思うんですよね。



オイルの分解に関しては、ひたすら濯ぐしかないですね。酸で中和する方法もありますが、酸性方向に傾き過ぎればそれはそれで、やるとしたらクエン酸水溶液ですすいで、中和かな。リトマス試験紙でPH確認して、PH7になったら残りは水ですすぐ。
SDSが発行されていれば、内容物がだいたい把握できるのですが、日本ではコンシューマ向け商品にはSDSの発行義務がないのでねー
ちなみに業務用 マジックリンのSDSです
ちなみにですが、最近の食器洗剤や洗濯洗剤もアルカリ性です。食器洗剤には水切れや油の再付着防止のためにシリコンが含まれているものもあるので注意してください。

シルテック加工されているのはデュラエース~105のチェーンですが、グレードによってどこまで汁テクを使っているかが違います。
シルテック自体は酸やアルカリには強い、というところを考えると、それでも中性洗剤を使うように書いてあることについては、残留成分がオイルを分解してしまい、オイルが不足してカピカピになっていることがクラックの原因になり得るのではないか?という感じ?
ちょっと気になったので詳しい人に聞いてきたのですが、洗浄液自体が強アルカリではなくても、チェーン内部に残留アルカリ成分があり、水分が飛んで濃縮されればチェーン自体を犯すリスクはあると言われました。
あと、画像を見る限り、残留アルカリ成分がオイル分解しただけではあのようにはならないでしょ?と。
全くオイルを付けてないというのは考えられないし。
パイプクリーナーでチェーンを洗う人がいるのかも疑問なので、いろいろ条件が揃えばアルカリ洗浄液で錆やクラックの原因になることはある様子。
和泉チエン様の画像についても、しっかり水洗いというしっかりの具合は、リトマス試験紙で検査する以外では証明できませんが、そこまで毎回するくらいなら最初から中性を選んだほうが楽でしょうね。
チェーン洗浄に流用されそうな洗剤に水酸化ナトリウムが含まれるのかは・・・ちょっと調べた限りではなさそうな気がしますが、パイプクリーナーでチェーン洗浄する人がいるのかは相当謎ですw
マジックリンはアルカリ性なのでph11~14になりますが、残留成分&水分が飛ぶと濃縮されるのかもしれません。
難しい点としては
酸性はリスクがあるというのは当たり前として、ではシルテック加工されたデュラチェーンにアルカリ性洗剤はダメなのか?という問題があります。
結局のところ、しっかり水で流しましたと言っても残留アルカリ成分がゼロだということが証明しにくいというところにあるのではないでしょうか?
シルテックは酸やアルカリに強いという面では、非シルテックのチェーンとも差が出る可能性もありますが、デュラのみがフルシルテックで、アルテグラと105は一部シルテック。
特にチェーン内部については、分解してリトマス試験紙で検査して・・・なんとことをする人はまずいませんw
そんなことをする暇があるなら、チェーンを新品に交換したほうがマシです。
どれくらい水で流せば残留成分が無いのか?という匙加減も不明な上に、水分を完全に追い出したという証明も困難。
そうなってくると、メーカー的にはリスクマネージメントの一環としてやめてねと言うことしかできませんし。
まあ、そういうことまで知った上で、どこまでリスク管理するかは人それぞれ感覚が違うのかと思いました。
私もディグリーザーを使った後、水で流しているので・・・
シマノのチェーンでいうと、酸やアルカリはダメ、中性洗剤で洗ってくださいというアナウンスになっています。
他社も同じ。
説明書でダメとなっていることについて、自己判断で使うのは誰にも止める権利はないですが、他人に勧めるのはちょっと違うかなと。
難しいことですが、情報の読み方というか、書いてあることを盲目的に信じる人もいますし。
輪行袋の時も思いましたが、実際に駅員からダメだと注意された人がいるにもかかわらず、後輪を外さない輪行袋でも大丈夫だよなんて安易なことは書けません。
それで乗車拒否された人が出た場合に、責任取れませんから。
こういうのってある種の責任感も関係すると思うのですが、世の中無責任な人もいるので、それを考慮して読むべきだとは思いますが、全ての人がそのように読んでくれるとは限らない以上、安易な発信にはならないように気をつけてます。
こういうのって何でもそうだと思うんですが、それこそ自転車横断帯の解釈についてもそう。
あるサイトで、交差点の外にある自転車横断帯については、交差点を直進するときには通行義務が無いと説明し、判例があることになっている。
けど判例自体を聞くと教えてくれない上に、有料の判例検索サイトを2つ使ってもヒットしない。

これについても私なりの解釈としてはこうなります。
・交差点の外にある自転車横断帯でも、交差点と一体と認められる範囲のものは法律上の通行義務がある。
・横断帯は歩道⇒歩道へ渡ることを考慮して作ったものなので、本来の意味合いとしては車道を通行する自転車に向けたものではない
・警察庁も、横断帯の撤去を進めている
・現場レベルの警察官に聞くと、車道を通行しているロードバイクが無理に横断帯を通行する義務があるとは考えていないし、左折する形になるのでむしろ危険
・横断帯の通行義務には罰則が無く、警察官の指示に従わない場合のみ罰則で、しかも現場の警察官は指示することはまずない
・罰則が事実上ない条文なので、刑罰規定に関する判例があるはずもない(あっても民事)
こういう理由から、通常の交差点内の安全通行義務(36条4項)に気をつけていれば、無理に自転車横断帯を通行する必要はないと解釈しています。
通行義務が無い、ではなく、通行義務があるけど車道を走るロードバイクが従うのは危険と考えるべきこと。
万が一事故に遭った際は、若干過失割合が変わりうるのですが、

これも、判例によっては差をつけていないものもあるので、主張次第になるかと。
どちらにせよ、交差点に入るときには安全運転義務があるので、そこを気をつけていれば無理に横断帯を通るほうがリスクが高い。
テキトーな説明で終わらすのか、しっかり考察するかの違いだと思いますが、結論をどう導いたのかって大切だなと思います。

2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
火気に気を付ける必要があるので積極的に人に勧めるませんが、ホワイトガソリン(現実は高いから普通のガソリン)が一番使いやすいです。洗浄力も強くて、揮発性が高いため灯油のように中がいつまでも乾かないなんてことは無い。レーシングカートに乗ってたときは余ったガソリンでチェーンやスプロケを洗っていたので、ガソリンに対する抵抗が全くありません。ただ、皮膚に付くと炎症を起こしますし、引火性が高いから気は使います。
引火性といえばリチウムイオンバッテリーのライトとか多いですけど廃棄で困りませんか?自治体では引き取ってくれないし、家電販売店も原則無理。かといって放っておいて劣化すると破裂して燃え出す危険もある。処理業者に出すと小さなものでも1000円はかかりますし、自分でセルを取り出さないといけない。身近に燃やした人が何人かいて、処理に困ることが分かっているので極力電池式を選びます。
コメントありがとうございます。
ホワイトガソリンですか・・・
可燃性が強いものはさすがに勧めるのは厳しいですw
リチウムイオンバッテリーですが、おっしゃる通り私も困ってます。
正直なところライトは乾電池式のほうが好きですが、今はいいライトというとほぼバッテリー式なので・・・
すみません、コメントを載せてくださった方。
恐れ入りますが、メール転載の許可を取っているのかどうかもわかりませんし、誹謗中傷に当たる可能性があると自認されている内容はさすがにコメントとして許可するわけにはいきません。
ご了承ください。