ちょっと前に書いた林道の記事についての補足。

この記事の冒頭で、読者様の質問を取り上げてます。

私自身はその手の自転車に乗らないので詳しく存じ上げないのですが、MTBなどオフロード車に関してです。
一般開放された林道などいわゆるダブルトラック、明らかに自動車用の道に関しては疑うところはないかと思うのですが、
遊歩道や登山道などシングルトラックと呼ばれる狭小な未舗装道、または河川敷など道ではない場所(道であると判断が難しい場所)の通行について、法的にはどのように判断されるのでしょうか。またこの場合、普通自転車とそれ以外で扱いが違うところはあるのでしょうか。
河川敷の道ではないところについては、通行を明確に禁止するような法律はないにせよ、構造物の破壊などがあれば器物損壊に問われる、という認識でいいと思います。
けど河川管理者としてやってほしくないプレイがあるかもしれないので、マナーとしては先に確認しておく方がベストかなと。
自転車で荒らされるということはあまりにないにせよ、オフロード系の方々はオンロード自転車よりも走れる場所が少ない。
オンロード自転車の人は、道路さえあればそれでいいのに対し、オフロード系は道なき道を走りたいのでしょうから、管理者に嫌われるといいことが無い。
ついでになんですが、ちょっと調べている段階で疑問に思ったことなどをまとめておきます。
Contents
荒サイ下流域のダート舗装問題
何年か前に荒川下流域の自転車マナーが悪い、スピードを出し過ぎて怖いという問題から一部がダート舗装になりました。

これ自体に大きな効果があるとは思えませんが、荒サイはいろいろ問題が多いという認識です。
その上でですが、荒サイダート化問題の頃、自転車と歩行者を分離する構造を作るべきだ!という意見はそこそこあったように思います。
他のサイクリングロードは歩行者と自転車を分離しているところもある!などと直接管理者に迫った人とかもいるらしい。
あと、あれだけ広いのだから並走可能にすべきだとか。
こういうのってそもそも、あそこが何なのかを分かってない人たちの戯言。

荒川の上流域については、正式名称が埼玉県道155号さいたま武蔵丘陵森林公園自転車道線となっているように、県道でかつ自転車歩行者専用道路。
では下流域は?
あそこは緊急用河川敷道路。
災害時や河川管理のために物資を運搬するために、河川管理者(国土交通省)が設置した道路。
下流域については、前に書いた林道と同じく、通行禁止にするような法的な規制を掛けることができない。
道路法に基づく道路であれば道路管理者が通行禁止にすることも出来るし、サイクリングロード(道路法でいう自転車歩行者専用道路)であれば、管理者が責任を持って整備する義務がある。

けどそもそも、荒川下流域については災害時の物資運搬や、河川管理のために使うだけの道路。
一般人の通行を禁止するような法律はないので、勝手にサイクリングロード・遊歩道風になっているけど、本来は違うよね?という話なわけです。
そういう意味では、林道に似ている。
なので、


災害時とか河川管理に使うだけの道路なんですけど。

そういうのを知っているのか?


あれだけ広いのだから問題ないだろう。

あそこって管理者が【ここはサイクリングロードではない】と明言しているにも関わらず、勝手にサイクリングロードと誤解した人たちが好き勝手騒いで、しまいには歩行者と自転車を分離すべきだなどと言いだす。
荒川下流河川事務所は、明確に【サイクリングロードではない】と表明しているにも関わらず、サイクリングロードとして整備しろ!と迫るのは単なる業務妨害としか思えないw
サイクリングロードではないんですよ、というスタンスを維持しながらも、法律上で通行禁止にするような規制も出来ないし事故多発になると困るんで安全に走ってほしいな程度の場所なわけです。
林道も似ているなと思うのですが、林道も公安委員会規制を掛けていないところに付いては、明確に通行を禁止するような法律はない。
なので事実上は好き勝手は入れるわけですが、【自転車と歩行者分けるような構造にすべきだ!】などと言われても、いやいやそもそも林道であって林業関係者のために作っているだけなのにわがまま言うなバカチンが!というだけのこと。
ちなみに荒サイ下流域は、道路交通法上は道路(一般交通の用に供するその他の場所)に該当するので、道交法は適用されます。
歩行者の横を通過する際は徐行もしくは安全側方間隔保持義務があるし、左側端通行義務もある。
けど荒サイのダート問題の頃って、河川事務所に突撃して、歩行者と自転車の分離空間を作るべきだなどと無茶苦茶言った人もいるみたいですね。
何か勘違いしているんじゃねーの?と思う。
災害時や河川管理のためだけの目的の道路なのに。
道路法での自転車歩行者道(サイクリングロード)であればあーだこーだと意見するのもいいとは思うけど、下流域はそもそもサイクリングロードでもないし遊歩道でもない。
管理者が限られた予算で、仕方なくダート化したことに文句をつけること自体が間違い。
予算も、本来は河川管理の予算でしかないのだから。
結局、そういう事情からあそこについてはマナー論でしか語れない場所なんですね。
道交法では道路になるので、理論上は並走すると違反とは言え、イチイチ取り締まるわけにもいかない。
余計な構造物を作ったりして、サイクリングロードだと思われるのも困るし、そもそも災害時や河川管理のための場所なので、本来想定している車両が通行しづらい環境を作れば本末転倒。
そういう事情を分かっていれば、歩行者と自転車を分離すべきなどとは普通は言えない。
国有地で公共性があるとはいえ私道のような場所なので、本来は自転車がガンガン走る場所ではない。
けど一般人の通行を禁止するような法律もないし、空いているときは自由に使ってくださいという立場とは言え、自転車が走りやすいように整備しろ!と迫るのはちょっとお門違いも甚だしいような。
けど
そもそも下流域については荒サイと呼ぶこと自体が不適切なような。
荒川下流域緊急用河川敷道路なので。
あそこって2回しか行ったことが無いですが、歩行者がわんざかいる中でよく走れるなと・・・
トレイン組んで暴走しているチームの話とかも聞きますが、バカなんじゃないかと。
ちょっと話は逸れましたが、河川敷の道なき道についても、荒らしたり壊したりしない限りは法的な問題があるとは言えません。
けど最低限、管理者が嫌がるようなことはしないのが大人のマナーなのかなと考えます。

2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント