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難しい、のか?

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こんなのが話題になっているようですが。

https://twitter.com/Azuazuma/status/1521821626316496897

右折車と左折自転車

動画が切り取られているのでわかりづらいけど、自転車が左折、対向右折車が右折直後に道路外に左折しようとしたものと思われます。

 

凄く微妙な位置関係なのでわかりづらいけど、車が道路外に左折するなら後方確認義務(より正確に書くと右折中の前方注視義務と右折して自転車よりも先行した状態の左後方注視義務)を怠り合図不履行と言えるかと。
後方というよりは対向左折自転車なので、ギリギリ37条の優先権が関係するか否かの難しいところ。

第三十七条 車両等は、交差点で右折する場合において、当該交差点において直進し、又は左折しようとする車両等があるときは、当該車両等の進行妨害をしてはならない。

ただしこれ、自転車が左折するときに法の規定に則り徐行していたら回避できたと見なされる可能性あり。

(左折又は右折)
第三十四条 車両は、左折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、できる限り道路の左側端に沿つて(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分を通行して)徐行しなければならない

34条1項の徐行義務は、何かしらの危険要素の有無に関わらず一律で義務を課しているのでね。

 

車のほうが過失が大きいとは言え、そもそも左折時の徐行義務を果たしているようには見えず。

二十 徐行 車両等が直ちに停止することができるような速度で進行することをいう。

もちろん右折車にも徐行義務が課されてます(34条2項)。
いろいろ怠るとこういう結果に陥るわけですが、自転車、特にロードバイクは交差点左折時に徐行していないのが多いよね。

 

けど、右折直後の道路外左折はかなりリスキーなので、車が相当なアホなんだと理解できる。
左折自転車を妨害しちゃダメだし、右折直後に道路外に左折するならかなりの注意義務が課されていると思わないと。

 

右左折完了直後と見るのか完了直前と見るのかはビミョーなところだけど、民事の過失はそのあたりはまあまあどうでもよい。

 

左折するときには法の規定に則り徐行するし左折している最中に右折車が被せるように進行してきたらその時点で警戒するし、これって事故回避が難しい案件なのか?と聞かれたら

管理人
管理人
別に。

漠然運転と言われてもおかしくはない。
具体的危険があるかないかは問わず、左折時には徐行したほうがよろしいかと。

民事の過失

民事の過失というのは、民法709条の不法行為責任を意味しますが、過失=予見可能なことを回避しなかったことを意味します。
道路交通法違反を指すとも限りません。

 

なのでこういう認定をされることは割と普通。

 

路線バスを自転車が追い越そうとして接触した判例。
ロードバイクに乗っていて注意しなければならないのが路線バスの存在。 バス停で停車していた路線バスを自転車が追い越そうとしたときに、路線バスが動きはじめて接触したという判例があります。 路線バスとロードバイクの接触事故 判例は東京地裁 平成2...

 

原告と被告の過失割合について検討すると、道路交通法31条の2の趣旨を考慮しても、進路変更するに当たり、原告自転車が間近に迫っていたのに、右後方の安全確認を十分しないで原告自転車を見落とした被告の過失は大きいというべきである。

 

しかしながら、(中略)原告がブレーキを掛けるなどして本件事故を回避することは容易であったというべきである。にもかかわらず、原告は、漠然と追越しを行っている。
以上によれば、本件事故の主たる原因は原告の過失にあるというべきであり

 

東京地裁 平成23年12月5日

路線バスの発進とほぼ同時に追い越ししたロードバイクの判例ですが、後方確認を怠ったバスの過失が大きいと指摘しながらも、事故回避義務違反を重視しロードバイクの通行方法が事故の主原因としている。
違反行為をされたことと、事故の発生は必ずしもイコールではないので。

 

たぶんTwitterの件は、仮に裁判しても車のほうが過失が大きいと判断されるとは思います。
けど、回避が著しく難しいのかというと、そもそも交差点で左折するときには「すぐに停止できる程度の徐行」を法が求めているわけ(34条1項)。
義務を果たし徐行進行していると同時に、交差点安全進行義務(36条4項)として前方左右の注視義務を果たしていたなら、何ら難しくはないのかと。

(交差点における他の車両等との関係等)
第三十六条
4 車両等は、交差点に入ろうとし、及び交差点内を通行するときは、当該交差点の状況に応じ、交差道路を通行する車両等、反対方向から進行してきて右折する車両等及び当該交差点又はその直近で道路を横断する歩行者に特に注意し、かつ、できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない

左折時には徐行し(34条1項)、右折車の進行を現認したならさらに注意していれば(36条4項)、右折車が右折しながら道路外に左折するというプレイ(合図不履行、同一進路の後方確認義務違反)をされても軽くブレーキングすれば事故は回避できる。

 

けど注意義務自体は先行車についても同様。
こんな右折方法と直後に道路外に左折するならかなりの注意義務が課されてます。
車が違反行為をしたことと、漠然走行して事故に至ることは必ずしもイコールにならないわけですし、事故回避が極端に困難だとは思いません。

 

なぜ交差点で左折するときに徐行義務が課されているのか、意味を考えたほうがいいのではないかと。
トラブル発生やミスが多いのが交差点の右左折なので、だから徐行義務が課されていると思わないと。

 




コメント

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