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何メートル手前から?

先日の記事と関係してのことですか、

こちらの判例について質問をいただきました。 事故態様 正直なところ、出来ればご自身で判例を入手して読んで...

読者様
読者様
この判例は、被害者を発見したのは衝突地点何m手前ですか?

ちょっと前に取り上げた判例なんですが。 この事故、そこそこ有名な事故だったんですね。 知りませんでした。 ...

出来れば自分で調べて頂きたいのですか。

何メートル手前か?

この判例は片側三車線(交差点付近は四車線)で、夜間に自転車が自転車横断帯を赤信号横断した事故。
自転車横断帯の長さは約29m、車は第1車線を時速約72キロにて進行。

で、ドライバーが何m手前で発見というのは書いてありません。
「検察官の主張」によると、衝突地点手前約61.3m地点にて被害自転車を発見可能だったとしていますが(事故後の現場検証より)、裁判所は検察官の主張を認めませんでした。

理由はいくつかあるのですが、衝突地点手前約61.3m地点での注意義務違反の検討は以下の点。
・被害自転車を発見するには、右側を注視しないとできない
・交差点で対向右折車が右折していたので、前方の対向右折車の動静を注視する必要がある
・自転車に取り付けられた反射板の光を視認することはできても、自転車の輪郭はわからない
・住宅や店舗の光、中央分離帯のポールについている反射板と交錯するため、自転車が横断していると認識することは困難
・そもそも被害自転車の位置がハッキリしない(横断を開始していたかも不明)
・信頼の原則を否定するような「特別な事情(普段から信号無視が多いなど)」もない

いろんな点について検討されていますが、検察官が主張する衝突地点手前約61.3m地点での被告人の注意義務違反はないと判断されています。
そもそも、自分の走行ラインである前方を注視せずに右側を注視することは不合理ですし(わき見運転になる)、注視する義務も否定されています。

読みたいなら

この判例は過失運転致死容疑ですが、裁判所も独自に「現場検証」するなどした様子。

※裁判所が行う検証は、双方立ち合いの元で必要な時に実施されます。

実際に人がお亡くなりになっているという事実は重いとはいえ、法律は不可能なことを強いるわけではない。
この判例、以前も書いたように検察官の主張が「変」なのです。
横断歩道等が赤信号にも関わらず、道路交通法38条が適用され高度な注意義務があると主張してみたり。
法定速度を越えていた(約12キロオーバー)にも関わらず、検察官の意向により不問。
なので法定速度で進行していた場合に事故を回避できたかの検討はされていない。

なお、以下の検討は、秒速約20.05メートル【時速約72キロメートル】という被告人が現に走行したと認められる速度を基に行っており、法定速度である時速約60キロメートルで走行した場合の検討はしていないが、本件では、検察官が、公判前整理手続を行い、公判で被告人質問まで終了した後の打合せ期日において、法定速度を順守していなかったことを併存過失とする訴因変更を行う予定はない旨明言しているため、この点について更に訴因変更を促すなどして審理、検討することはしない。

徳島地裁 令和2年1月22日

時速72キロで進行した場合の停止距離を算出し、その時点での視認可能性を否定したので無罪です。
時速72キロで限界制動地点が約49.4mになりますが、この地点においても被害自転車を視認できないとしています。

法定速度時速60キロで限界制動地点を計算すると約37mになるわけで、なんで速度超過を不問にしたのかすらわからず。

被告人に有利に、空走時間1秒、摩擦係数0.7で計算されてます。

この判例、報道によると判決言い渡しの後に「この事故は誰も悪くなかった」と裁判長が説示したようですが、人が死んだという結果は変わらない。
過失運転致死傷って不起訴率が9割弱とデータが出ていますが、どういう基準で起訴、不起訴を決めているのかもよくわかりませんし、起訴してもお粗末な主張するならいかがなものかと思うし。

よくわかりませんね。
ちなみに先日の民事の判例でも、速度超過があったことになっています。
法定速度で走行していても回避不可能と判断されていますが、だからといって速度超過してもいいわけではないことは当たり前。

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