正直なところ、不可解過ぎてビックリする。
もうひとつの例外は13歳未満の子供(小学生を想定)と70歳以上の高齢者。私は乳幼児を乗せている自転車もここに入れてもいいと思う。
これらのケース、歩道の走行が条件なしで認められている。横断歩道を通行できる権利を持つため、扱いは歩行者。「年齢なんてわからない」と思うかもしれないが、横断歩道で停止できるよう義務づけられている。低い速度域で見たら明らかにわかります。
ということで軽車両である自転車に優先権はなく、横断歩道で待っていても、ましてや歩行者の移動速度の5倍で横断歩道に向かって走ってくる自転車は常識的に考えたって優先義務などないことが誰にもわかるだろう。
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不可解過ぎて
ちょっと前には横断歩道を横断する自転車も優先なんだと「警察庁」が回答したという記事が配信されたのはベストカー。
まあ、実際には「警察庁」には聞いてないばかりか、地域により解釈が違うなどという謎状態に改変されてますが笑。
今回のベストカーは、横断歩道を横断する自転車には優先がないという内容になったものの、13歳未満や70歳以上が乗る自転車は歩行者扱いと読める内容の記事に。
ベストカーって、媒体としての統一見解を持たずにライターごとに独自道路交通法を発表するスタイルなのかな。
下記の内容は、いやいや、自転車に優先権があると報道したのはベストカーさんでしたけど笑。
ついには同じ媒体をディスるという謎状態を発動させたのかな。
ここにきて「横断歩道の自転車にはどう対処したらいいのか?」ということをよく聞かれる。なかには「歩行者と同じで自転車に優先権がある」などと、拡大解釈したがる警察のお先棒を担ごうとする報道もあります。
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自社メディアをディスるというのは、さすがに心配する。
同一媒体内で何を争うのだろう笑。
まずさ、こちらの判例の被害者(自転車)は70歳以上ですよ。
控訴人らは、Aが本件横断歩道手前で一度自転車から降りた後、再び自転車に乗って横断しているところ、自転車に乗らずにそのまま自転車を押して横断した場合(横断歩道を横断中の歩行者と扱われる。)とではわずかな差しかなく、また、被控訴人は、横断歩道の手前で大幅に減速する義務及び一時停止すべき義務(道路交通法38条1項)があるにもかかわらず、減速せずに進行していること、本件事故現場が商店街の道路であること等に照らせば、Aの過失は0パーセントと評価すべきである旨主張する。
しかし道路交通法は歩行者と軽車両である自転車を明確に区別しており、自転車を押して歩いている者は、歩行者とみなして歩行者と同様の保護を与えている(同法2条3項)のに対し、自転車の運転者に対しては歩行者に準ずるような特別な扱いはしておらず、同法が自転車に乗って横断歩道を通行することを禁止しているとまでは解せないものの、横断歩道を自転車に乗って横断する場合と自転車を押して徒歩で横断する場合とでは道路交通法上の要保護性には明らかな差があるというべきである。
また、道路交通法38条1項は、自転車については、自転車横断帯(自転車の横断の用に供される道路の部分・同法2条1項4号の2)を横断している場合に自転車を優先することを規定したものであって、横断歩道(歩行者の横断の用に供される道路の部分・同法2条1項4号)を横断している場合にまで自転車に優先することを規定しているとまでは解されず、むしろ、本件の場合、Aは、優先道路である本件道路進行車両の進行妨害禁止義務を負う(同法36条2項)ことからすると、過失相殺の判断にあたっては、原判決判示のとおり、自転車が横断歩道上を通行する際は、車両等が他の歩行者と同様に注意を向けてくれるものと期待されることが通常であることの限度で考慮するのが相当である。
さらに、一般に、交差道路の車両の通行量が多いことにより交差点を通過する車両の注意義務が加重されるとは解されないことからすると、本件事故現場が商店街の道路で横断自転車の通行量が多かったとしても、それにより被控訴人の注意義務が加重されると解するのは疑問である。この点を措くとしても、本件道路は、車道の両側に約2メートル幅の歩道(一部は路側帯)が整備された全幅が12メートルを超える片側1車線(一部は2車線)の県道であり、車両の交通量も比較的多いこと等を考えると、幹線道路に近い道路であるというべきであって、通常の信号機による交通整理の行われていない交差点における交差道路からの進入車両等に対する注意以上に、特に横断自転車等の動向に注意して自動車を運転すべき商店街の道路とはいえない。
平成30年1月18日 福岡高裁
歩行者扱いされる自転車は、おおよそ6歳未満の自転車。
道路交通法上は小児用の車なので歩行者(2条3項1号)。
あとさ、「横断歩道を通行できる権利」。
全自転車は横断歩道を通行できるし、そもそもオートバイだろうと横断歩道を横断することを禁止する条文はない。
「他の車両や歩行者の正常な交通を妨害するおそれがない限り」横断歩道を横断することが禁止されている車両ってないんだよね(25条の2第1項)。
けど凄いな。
一つの媒体の中で各自が独自道路交通法を語った結果、相反する内容だろうと気にしないスタイルなのかな。
ちなみに上の判例は、高齢者修正込みで30:70。
修正なしなら40:60とかになる。
歩道を通行出来ても
自転車が歩道を通行出来ても、道路交通法上は歩行者扱いにはならず自転車でしかない。
けどまあ、警察庁に聞いたと語りながらも実際には聞いてないとか、地域によって解釈が違うとか、13歳未満や70歳以上は歩行者扱いだとか、この媒体は調べずに配信するのがポリシーなのだろうか。
不可解過ぎてビックリしますが、「警察庁ガー」とか書かれるとさ、うちが書いた記事を書き直せと迫ってくる人が増えるだけなんで、マジでやめてくれ。
面倒なんてレベルを越えている。
警察庁の解釈なんて、昭和53年以降何にも変わってないのに。
自転車に乗り横断歩道を横断する者は、この規定による保護は受けません。
法の規定が、横断歩道等を横断する歩行者等となっており、横断歩道等の中には自転車横断帯が、歩行者等の中には自転車が含まれまれているところから設問のような疑問を持たれたことと思いますが、法38条1項の保護対象は、横断歩道を横断する歩行者と自転車横断帯を横断する自転車であって、横断歩道を横断する自転車や、自転車横断帯を横断する歩行者を保護する趣旨ではありません。ただし、二輪や三輪の自転車を押して歩いているときは別です。
つまり、あくまでも、法の規定(法12条、法63条の6)に従って横断している者だけを対象にした保護規定です。
道路交通法ハンドブック、警察庁交通企画課、p2140、ぎょうせい
とは言うものの、自転車が優先ではないと書いた点は評価します。
マジな話、調べもしないで大々的に発表するのだけは勘弁。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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