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交差点に「隅切り」を含む理由。

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ちょっと前にこれが話題になっていましたが、

 

これを信号無視に見えない方々。
なかなかな。歩道を進行していた自転車と、交差道路を青信号で進行した車の衝突事故。ビックリすることに、この自転車を「信号無視には当たらない」とか「自転車を規制する信号はなかった」と捉える方々がいる。らしい。アホかそもそも交差点の範囲とは何を指...

 

交差点の範囲には隅切りを含むため、歩道を通行する自転車も車道の信号に従うことになる。
そもそも、なぜ交差点の範囲に隅切りを含むのでしょう?

交差点の範囲に隅切りを含む理由

交差点の定義は2以上の車道が交わる部分。

五 交差点 十字路、丁字路その他二以上の道路が交わる場合における当該二以上の道路(歩道と車道の区別のある道路においては、車道)の交わる部分をいう。

仮に「隅切りを含まない」とすると、こうなる。

理屈の上では左折車が交差点内を一切通行しないことも可能になるので、交差点の通行方法(優先道路など)が一切適用されなくなる。
それこそ、一時停止は道路標示無しで標識のみでも成立しますが(基本は未舗装道路の話)、

(指定場所における一時停止)
第四十三条 車両等は、交通整理が行なわれていない交差点又はその手前の直近において、道路標識等により一時停止すべきことが指定されているときは、道路標識等による停止線の直前(道路標識等による停止線が設けられていない場合にあつては、交差点の直前)で一時停止しなければならない。この場合において、当該車両等は、第三十六条第二項の規定に該当する場合のほか、交差道路を通行する車両等の進行妨害をしてはならない。

隅切りを通過する2輪車には一時停止義務すらないと解釈されうるし、車幅と交差点の形状次第では左折時に交差点→隅切り(交差点外)→交差点と二回交差点を通行することになり、二回一時停止する義務があるとも取れてしまう。

 

なので、確認した限りでは道路交通取締法(昭和24年)時点から「隅切りも交差点」と解釈されてます。

なお、道路交通法2条5号にいう道路の交わる部分とは、本件のように、車道と車道とが交わる十字路の四つかどに、いわゆるすみ切りがある場合には、各車道の両側のすみ切り部分の始端を結ぶ線によつて囲まれた部分――別紙図面斜線部分――をいうものと解するのが相当である。

最高裁判所第三小法廷  昭和43年12月24日

本件の事実関係は、右認定のとおりである。そして右のように車道と車道が交わる十字路において、四つ角の宅地または歩道の角を切り取つて歩道または車道としたことにより車道の幅員を拡大してある場合には、その拡大してある車道部分は道路交通法にいわゆる交差点に包含され、したがつて本件においては、右の(イ)(ロ)(ハ)(ニ)(ホ)(ヘ)(ト)(チ)(イ)各点を順次直線で結んだ線内の車道部分全部が、双方の車道の交わる部分であつて、右の交差点にあたる、と解すべきである。故に右の(イ)点は、交差点の側端にあたる。被告人は、交差点の側端から5メートル以内の場所に自動車を駐車したことが明かである。

名古屋高裁 昭和37年11月26日

そもそも、歩行者用の「人の形をした信号」は昭和40年頃から登場したわけで、車道の信号一つで歩道も含め制御出来るようになっているわけ。

(信号の意味等)
第二条 法第四条第四項に規定する信号機の表示する信号の種類及び意味は、次の表に掲げるとおりとし、同表の下欄に掲げる信号の意味は、それぞれ同表の上欄に掲げる信号を表示する信号機に対面する交通について表示されるものとする。
信号の種類 信号の意味
赤色の灯火 二 車両等は、停止位置を越えて進行してはならないこと。

備考 この表において「停止位置」とは、次に掲げる位置(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前)をいう。
一 交差点(交差点の直近に横断歩道等がある場合においては、その横断歩道等の外側までの道路の部分を含む。以下この表において同じ。)の手前の場所にあつては、交差点の直前

二段階右折のライン

二段階右折のラインについても、

どちらも判例があり、最高裁が変則T時路については判断した判例はないので、どちらが間違いとかないと解釈できます。

本件においては、駅前通の車道と乙通の車道とが丁字形をなして交わる部分すなわち別紙図面AFBCDEA各点を順次直線で連結した範囲内の車道部分が交差点である。その部分の全部が交差点であることは、疑がない。

名古屋高裁 昭和38年12月23日

まあ、逆方向を考えるとどちらが合理的なのかは明らかなんですが笑。

どちらも判例がある以上、どちらかが間違いとは言い切れず、悪質な違反とはなり得ない。
唯一絶対厳守なのは、右折先の横断歩道で歩行者妨害しないこと

①を間違いとは言い切れないので、横断歩行者に注意すれば違反とは言えない。

 

そもそも自転車のルールって解釈上どちらにも取れるものはあるし、正解があるようでないものもあるのが実情。
警察官ですらわかってないから、「歩行者が譲った横断歩道」で違反にしてみたり、警察本部でもこんなもん。

 

38条2項は対向車の停止でも義務があるか?と警察に聞いてみたら意外過ぎる結果に陥る。
道路交通法38条2項は、横断歩道手前に停止車両があるときには、歩行者の有無に関わらず一時停止する規定。2 車両等は、横断歩道等(当該車両等が通過する際に信号機の表示する信号又は警察官等の手信号等により当該横断歩道等による歩行者等の横断が禁止...

 

自力で勉強するしかないよね。
まあ、冒頭の件について「自転車は信号無視してない」と語るレベルの人についてはいかがなものかと思いますが、もう一つ。

 

愛媛県には独自の条例により、「歩道逆走」が違反(罰則なし)。

 

悲報!?愛媛県は歩道逆走が条例違反!?
道路交通法では、歩道を通行する自転車は双方向に進行可能ですが(法17条4項、63条の4)、愛媛県は条例にて「歩道通行は左側のみ」(愛媛県ローカルルール)と決まっているそうな。愛媛県自転車の安全な利用の促進に関する条例論より証拠。愛媛県自転車...

 

おそらく「自転車は車道」を徹底したいからこんなルールなんだと思いますが、右側にしか歩道がない道路もあるわけで、子供や高齢者のことまで考えるとナンセンスな条例としか言えない。
もちろん、法的な拘束力がある条例だとは思わないけど、国法に反する独自条例はやめたほうがいい。

 





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