先日多摩川スカイブリッヂに行った時のこと。
![](https://roadbike-navi.xyz/wp-content/uploads/2023/02/20230207_154501-160x90.jpg)
Contents
環八(大田区)の自転車道
京急の天空橋駅から歩いて環八に到着。
歩道の中に突如「自転車道」が出現する。
反対方向は単なる歩道。
こういう中途半端な構造を作る理由が全く理解できない。
自転車道がある場合には自転車道の通行義務があるわけで、気がつかずに車道を進行すると通行区分違反ですから。
車道を進行して事故に遭うと、通行禁止の車道を通行した過失扱いされかねない。
元々歩道を通行していた自転車ユーザーにとっては分離された自転車道があることはメリットになるのかもしれないけど、元々車道を通行していた自転車ユーザーにとってはデメリットになるのですよ。
だって、車道を進行しながら気がつかないじゃん。
仮に気がついたとしても、柵があるのでタイミングを逃すと自転車道には入れない。
車道を進行する自転車に対する案内標識があるでもなく、一部の利益を優先し一部の不利益を切り捨てたアホ構造にしか思えないのです。
自転車道がある=自転車は車道の通行が禁止なわけで、同様に捉えるととんでもないことになりかねない。
なお、自転車道の意味を理解できず歩道を通行する自転車も普通にいるわけで、
歩行者の利益すらないがしろに笑。
いやー、酷いな。
一応計測したところ、自転車道の幅員はだいたい3m。
ただし電柱が出っ張るところは2.5mくらいか。
バス停部分は自転車道が途切れる。
ちなみに交差点部は相変わらず「歩道接続方式」な上、自転車横断帯はなく横断歩道のみ。
自転車道は道路管理者(東京都)の管轄、自転車横断帯は規制なので公安委員会(警察)の管轄。
管轄が違うから一体的な政策を取れないとしか思えないのですが、そもそも自転車道は「車道の部分」だと規定しながらも誰がどうみても歩道の中にあるという矛盾を解消する気がないのかと。
「普通自転車通行指定部分」
天空橋駅から環八までの部分は、自転車道ではないが歩道の中に自転車エリアがある。
いわゆる「歩道の中の自転車レーン」扱いなのかと思いきや、一応これで「普通自転車通行指定部分」の要件を満たしていたりする。
「普通自転車通行指定部分」は白線と自転車マークが必要ですが、ちゃんと満たしているのね。
ちなみに先ほどの「自転車道」とこの「普通自転車通行指定部分」は道路が違うだけでほぼ連続しています。
天空橋駅~環八までは「歩道の普通自転車通行指定部分」で、環八は自転車道。
どちらも見た目は歩道の一部ですけどね。
「普通自転車通行指定部分」の幅員は2m強かな。
どういう基準で自転車道にしたり「普通自転車通行指定部分」にしているのか知りませんが、結局のところ最終的に残る疑問としては「分かりにくい」という点に集約される。
「とりあえず何か作りました」程度で済ますのが行政のダメな点ですが、結局のところ「歩道風」「歩道の中」に自転車道やら作っておいて、「自転車は車道が原則」と言われても迷うだけなんじゃないかと。
結局この国は、「自転車は車道が原則」という建前論のほか、「実際は歩道走ってろ」的な本音やメッセージすら感じるのよね。
構造を見る限り。
この標識にしても、ちゃんと見ないと「ここまで」と「ここから」の意味を混同する。
何が「ここまで」で何が「ここから」なのか意味を理解してない人もいるような気がしますが、特定小型原付なんて事実上自転車道は不便過ぎて走れない。
![](https://roadbike-navi.xyz/wp-content/uploads/2021/03/20210322_134804.jpg)
どこのバカが、いちいち停止してモードの切り替えをするのやら。
これも「事実上、歩道の部分である自転車道」を乱立させまくった天罰です。
なお、自転車道は「車道の部分」だと定義されています。
これ、2つ解釈が成り立つ。
②歩道を切り取って車道にしちゃダメなんて決まりはないのだから、歩道の中に作っても道路交通法上は自転車道になる。
最近の解釈を見る限り、明らかに②です。
「自転車は歩道でも走ってろ」の名残でしょうし、交差点を形成すると信号の問題があるから意図的にこんな構造にしているのだろうけど、
![](https://roadbike-navi.xyz/wp-content/uploads/2022/10/73e9f97d19ccb7bf4e3ce52950dccb94.jpg)
車道を進行する自転車からすると歩道の中にある自転車道なんて気がつかない可能性すらあるし、相模原の自転車道にしても、以前読者様から指摘されるまで存在自体気づいていませんでした。
![](https://roadbike-navi.xyz/wp-content/uploads/2019/07/090530_300.jpg)
余裕で100回以上は通行してましたが、車道を通行する自転車が気がつかない自転車道に何の意味があるのやら。
「自転車は車道が原則」だとし、原則に則り車道を通行すると自転車道の存在なんて気がつかず、気がついたときには柵に阻まれて自転車道に進入できない。
しかもそのまま車道を通行して事故に遭えば、「通行区分違反」だとしてまあまあ過失になりかねない。
アホなんですかね。
この国は。
ところで、多摩川スカイブリッヂの入口。
用地の問題からこうなったと聞いてますが、結局、「歩道の中に自転車道」がある関係から元々自転車の車道通行が禁止されているわけでこうなったのでしょう。
つまり「歩道の中にある自転車道」は道路交通法上も通行義務があると解釈しないと、こういう構造は取らないわけです。
「歩道の中にある自転車道」は通行義務があると解釈せざるを得ない。
けど、横浜市の一部の自転車道は「通行義務がない」などと管轄署に言われたりするわけで、
![](https://roadbike-navi.xyz/wp-content/uploads/2021/03/20210322_134804.jpg)
結局、車道を通行する自転車はどうしたらいいのかわからない。
「自転車は車道が原則だ!」とアナウンスし、車道を通行すると「通行区分違反だ!」となり、事故に遭えば大きな過失になりかねない。
こんなもんができて喜ぶバカがいることにも理解に苦しむけど、車道通行自転車に対する案内もないままおかしな構造を乱立するのは「元から歩道を通行する自転車には利益、元から車道を通行する自転車には重大な不利益リスク」でしかないんだよね。
![](https://roadbike-navi.xyz/wp-content/themes/cocoon-2.5.5.3/images/no-image-160.png)
「普通自転車の交差点進入禁止」かなんかで自転車を歩道側に上げるなど、車道通行自転車に対する案内かなんかがないと、車道通行自転車が気がつかないでしょ。
けど「交差点進入禁止」だと、解釈上意味不明になるからダメか。
結局のところ「自転車道」とは、歩道の中で歩行者と自転車のエリアを分ける程度の機能しか期待してないのではないか?と疑問しかありませんが、
せっかく分けても歩道を通行する自転車が普通にいるわけです。
カネを掛けたわりには、さほど効果がありそうな気がしませんが。
![roadbikenavi](https://roadbike-navi.xyz/wp-content/uploads/2021/01/20210101_140521.jpg)
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント