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その横断歩道に信号はあるのか?②

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こちらの続きです。

 

信号機の効力と範囲。その横断歩道には信号がある?
これってホント?と質問を頂いたのですが。 個人的見解として言いますと、実務上はそれでも事故にならないだろうけど、法解釈としては必ずしも正確ではないと思う。 正直疑問 交差道路に信号機がないので、あくまでも押しボタン式信号との兼ね合いで車両用...

 

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交差点は「交通整理」されているのか?

このように、A道路には信号があり、B道路には信号がなく一時停止規制のみ。
これについてTwitterの方は「交通整理されてない交差点で、押しボタン式横断歩道との関係において信号がある」と解釈しているのかと。

この解釈を取った場合、問題になるのはこれ。

(徐行すべき場所)
第四十二条 車両等は、道路標識等により徐行すべきことが指定されている道路の部分を通行する場合及び次に掲げるその他の場合においては、徐行しなければならない。
一 左右の見とおしがきかない交差点に入ろうとし、又は交差点内で左右の見とおしがきかない部分を通行しようとするとき当該交差点において交通整理が行なわれている場合及び優先道路を通行している場合を除く。)。

優先道路とは、交差点内に中央線か車両通行帯がある道路。
見てわかるように優先道路がない交差点になるので、「交通整理されてない交差点」と解釈したら徐行義務が生じてしまう。

 

また、A道路を上から下方向に進行した場合、交差点手前には横断歩道がない。

あくまでも車道の信号は「横断歩道との関係において機能する」と解釈した場合、じゃあ車道が赤信号のまま交差点を右左折してもいいのか?という疑問も生じます。

 

しかし停止線で規制されている以上、赤信号で停止線を越えて右左折はまずい。
なのでA道路を進行する車両は「交通整理がある交差点」と解釈するしかない。
A道路を進行する車両には「交通整理された交差点」、B道路を進行する車両には「交通整理がされてない交差点」と解釈しない限り、徐行義務すら免除できないことになり不合理。

 

たぶんこれって道路交通法に規定されてないタイプの交差点と解釈するしかないんじゃないですかね。
民事責任としては「交通整理されてない交差点」と解釈して青信号側にも過失がつくと説明されているけど、だいぶ疑問としか言えません。

 

けど、「基本過失割合」って優先側にも何らかの過失がある前提で設定されているので、本来は速度超過や前方不注視がないなら過失扱いすべきではない。
優先道路の判例になるけど、従来の基本過失割合を踏襲せず信頼の原則から無過失にした高裁判例もあるにはあるので、

 

交差点安全進行義務(道路交通法36条4項)の解釈と判例。
先日取り上げた件について質問を頂きました。 ええと、基本的にはならないです。 交差点安全進行義務 交差点安全進行義務はこちら。 (交差点における他の車両等との関係等) 第三十六条 4 車両等は、交差点に入ろうとし、及び交差点内を通行するとき...

 

無意味に過失扱いするのはやめたほうがいいと思っています。
なかなかそうならない理由は、民事法の問題なのでしょうがない面があるにせよ。

現実問題として

たぶんほとんどの人は、横断歩道には信号がないと考えてそのまま進行するでしょう。
世の中そんなもんだし、非難すべき話とも思わない。

 

結局のところ、「分かりにくい」という点では「歩行者自転車専用信号」にも通ずる部分がありますが、

道路交通法の細かい部分って机上の空論というか、リアル社会ではその通りにならない面が多々あるのが実情。
「歩行者自転車専用信号」とか「自転車横断帯」にしても、車道を通行する自転車からしたら気がつかないような位置にあるわけで、仮に間違えたとしてもしょうがないとしか言えないのよね。

 

そういやちょっと話が変わります。
以前この判例を挙げていますが、

右取付道路が水平道路と合する地点を第一、二審判決は交差点と解しているが、右の地点は道路交通法2条5号にいう交差点にあたるものとは解せられない。

 

最高裁判所第一小法廷  昭和46年10月14日

最高裁は交差点ではないと断言しつつも、その理由は一切示していない。
多数説としては、「交差点の範囲を決めることが不可能だから」だと言われてますが、理由を示さないまま断言するということは、理由を示すと他に矛盾が起きるからなのかもしれません。
今回の信号問題にしても、どの解釈をしてもちょっと疑問が残りますが、要は道路交通法に合致しない構造を作るから疑問が残る。

 

結局のところ、一時停止規制があれば横断歩行者の保護にはなるし、仮に赤信号無視でも事故リスクが極端に低いからどうでもいい話なんだと考えます。

 

自転車の二段階右折にしても、

私なりに調べた範囲では「どっちでも正解」と考えますが、

本件においては、駅前通の車道と乙通の車道とが丁字形をなして交わる部分すなわち別紙図面AFBCDEA各点を順次直線で連結した範囲内の車道部分が交差点である。その部分の全部が交差点であることは、疑がない。

名古屋高裁 昭和38年12月23日

横断歩行者さえケアすれば、Y字路は二段階右折ラインを間違えたとしても違法性はないでしょう。
こういうのも道路交通法そのままだとイマイチ疑問が残りますが、道路交通法が全てをうまく解決できない例なんじゃないですかね。

 

分かりにくいところをわかるように示さない行政が悪いヨ。

 

コメント

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