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自転車の「道路外への右折方法」。

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ちょっと前に取り上げたこちらですが、

 

「ワープ右折」というパワープレイが開発される自転車界。
ワープ左折は時々聞きますが、ワープ右折なんてあるんですね。 これについて、どのような問題があるのか検討してみます。 ワープ右折というパワーワード 横断時に信号規制? まず、停止線より前で右に横断した点。 あくまでも「人の形をした信号」がある...

 

読者様
読者様
自転車(軽車両)が道路外に右折する方法は定められてないから、そもそも道路外に右折できないのではないか?

 

えーと、違います。

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自転車が道路外に右折

確かに道路外に右折する方法から軽車両が除外されています。

(道路外に出る場合の方法)
第二十五条
2 車両(軽車両及びトロリーバスを除く。)は、道路外に出るため右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の中央(当該道路が一方通行となつているときは、当該道路の右側端)に寄り、かつ、徐行しなければならない。

これについては歴史を見ていかないと意味がわからないと思いますが、軽車両が道路外に右折するときは25条の2第1項の「横断」になります。

(横断等の禁止)
第二十五条の二 車両は、歩行者又は他の車両等の正常な交通を妨害するおそれがあるときは、道路外の施設若しくは場所に出入するための左折若しくは右折をし、横断し、転回し、又は後退してはならない

なので歩行者や他の車両の正常な交通を妨げなければ、自転車は「横断」により道路外に右折可能。

横断に至る前の部分は18条1項により「左側端寄り通行」して、他の車両等の妨害にならないかを確認してから横断できます。

 

理屈の上では、あまりにも斜めに進行すると逆走扱いになるので注意。

考え方

25条2項を見ると、「道路外に右折」から軽車両が除外されているのですが、そもそも。

 

昭和35年に道路交通法が誕生したときには、「道路外への右左折」という規定自体がありませんでした。
当時は全ての車両が「横断」だったんですね。

 

昭和35年

(横断等の禁止)
第二十五条 車両は、歩行者又は他の車両等の正常な交通を妨害するおそれがあるときは、横断し、転回し、又は後退してはならない。

現行の25条の2第1項は、昭和35年時点では25条。
道路外への右左折という規定がない。

 

しかし道路外への右左折という規定がないために危険が発生しまくりだったので、昭和39年に「右横断」という規定を25条に新設。

 

昭和39年改正。

第三節中第二十五条を第二十五条の二とし、同条の前に次の一条を加える。
(横断の方法)
第二十五条 車両(軽車両及びトロリーバスを除く。)は、右に横断するときは、あらかじめその前からできる限り道路の中央に寄り、かつ、徐行しなければならない。
2 右に横断しようとする車両(軽車両及びトロリーバスを除く。)が、前項の規定により、道路の中央に寄ろうとして手又は方向指示器による合図をしたときは、その後方にある車両は、当該合図をした車両(軽車両及びトロリーバスを除く。)の進行を妨げてはならない。

この時代、「道路外へ右折」ではなく「右横断」と呼ばれていました。
右横断時にも「軽車両を除く」なので、相変わらず軽車両は18条1項(左側端寄り通行)と25条の2第1項(正常な交通を妨げない)で規制。

 

昭和46年改正時に右横断を「道路外へ右折」に改めて、さらに「道路外へ左折方法」を新設。

 

昭和46年改正。

第二十五条の見出しを「(道路外に出る場合の方法)」に改め、同条第二項中「右に横断」を「道路外に出るため左折又は右折を」に改め、「(軽車両及びトロリーバスを除く。)」を削り、「前項」を「前 二項」に、「道路の中央」を「それぞれ道路の左側端、中央又は右側端」に、「したときは」を「した場合においては」に改め、「車両は」の下に「、その速度又は方向を急に変更しなければならないこととなる場合を除き」を加え、「進行」を「進路の変更」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項中「右に横断する」を「道路外に出るため右折する」に改め、「道路の中央」の下に「(当該道路が一方通行となつているときは、当該道路の右側端)」を加え、同項を同条第二項とし、同条に第一項として次の一項を加え、同条の付記中「第一項については」を「第一項及び第二項については」に、「第二項」を「第三項」に改める。

車両は、道路外に出るため左折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、徐行しなければならない。

第二十五条の二第一項中「あるときは」の下に「、道路外の施設若しくは場所に出入するための左折若しくは右折をし」を加え、同条第二項を次のように改める。

こういう流れなので、自転車の道路外への右折については昭和35年以来何も変わらずに「横断」(現25条の2第1項)になります。

こういう改正の流れを知らないと、自転車は道路外に右折する方法がないみたいな誤解を生みますが、昭和35年以来一貫して横断。
しかも「歩行者や他の車両の正常な横断を妨げてはならない」ので、実質的には幹線道路や交通量が多い道路では不可能かと。

合図車妨害との関係

25条3項には「合図車妨害」の規定がありますが、

(道路外に出る場合の方法)
第二十五条
3 道路外に出るため左折又は右折をしようとする車両が、前二項の規定により、それぞれ道路の左側端、中央又は右側端に寄ろうとして手又は方向指示器による合図をした場合においては、その後方にある車両は、その速度又は方向を急に変更しなければならないこととなる場合を除き、当該合図をした車両の進路の変更を妨げてはならない

25条2項(道路外への右折)から軽車両が除外されているため、自転車が道路外に右折(横断)するために合図を出したところで、25条3項の適用はありません。
ただし現実問題としては、こんなタイミングで合図出されたら何をするつもりなのかよくわからないので、

後続車は後ろで警戒して追従するしかありません笑。
ノールック横断はヤバい。

 

軽車両が道路に左折するために合図を出したならば25条3項の適用はありますが、道路外に右折するときは適用がない。
けど、なぜか間違った解釈をして警察にどや顔する人すらいるので、自転車ルールって難しいのよね。

警察に対し間違った内容でどや顔するのはいかがなものかと。

 

確か記憶では、執務資料もビミョーに間違った内容になっていた気がしますが、定かではありません。
道路交通法をしっかり勉強したい人には執務資料をオススメしますが、何点か明確な間違いがある上、不適切な判例を載せていたりするので、執務資料「だけ」を根拠にしないほうがよい。

 

それこそ国会図書館のカードを持っていれば古い解説書や判例をネット上で見れますし、解釈に疑問があるときは複数の解説書をみて整合性を取ることをオススメします。


自転車の横断が問題になった事例

こちらの判例は、自転車の横断が問題になったケース。

 

自転車乗りが実刑になるケース。
自転車乗りが何らかの事故を起こしたときに、例えば歩行者が死亡したとしても執行猶予付き判決になるのが多いです。 これは車の事故でもそうですが。 ただまあ、実刑判決になった判例もあります。 自転車乗りが実刑判決 判例は大阪地裁 平成23年11月...

 

自転車の無謀な横断から事故を回避しようとした車両が歩道に突っ込んでしまった事故ですが、この自転車乗りは重過失致死罪で実刑判決です。
ここまで無謀な横断をする自転車は滅多にいないでしょうけど。

 

その他、民事ではいくつか「横断違反」によるものを見かけます。

こういうのも「正常な交通を妨げた横断」なので、自転車は25条の2第1項の違反になりますが、後続車のドライバーは過失運転致死傷罪に問われることになる。
側方間隔、速度、その他注意義務違反が問われます。

 

自転車への側方間隔はどれくらい空けるべき?判例を検討。
先行する自転車を追い越し、追い抜きするときに、側方間隔が近すぎて怖いという問題があります。 これについて、法律上は側方間隔の具体的規定はありません。 (追越しの方法) 第二十八条 4 前三項の場合においては、追越しをしようとする車両(次条に...

 

車が自転車を追い越すときに、クラクション(警音器)を鳴らすのは違反なのか?
先日書いた記事で紹介した判例。 自動車運転者が自転車を追い越す場合には、自動車運転者は、まず、先行する自転車の右側を通過しうる十分の余裕があるかどうかを確かめるとともに、あらかじめ警笛を吹鳴するなどして、その自転車乗りに警告を与え、道路の左...

 

一般的には、きちんと側方間隔を開け、速度に注意していたなら刑事責任上は無罪になるかと(民事無過失はムリです)。

 

ということで、自転車にとっての「道路外への右折」とは25条の2でいう「横断」。
警察がいうように後方確認して「正常な交通を妨げないように」横断することになります。

一応、付近に自転車横断帯があるときには自転車横断帯を使って横断する義務がありますが、現実的には自転車横断帯を見かけない。
まあ、一番安全なのは横断歩道を青信号で横断することなんですが。

 

ノールック横断は絶対ダメ。
手信号よりもきちんと後方確認を。

自転車に乗っているときに、先行自転車を追い越ししようとしたときに「ノールック横断」されて死にかけたことがありますが、マジでやめようね。

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