こちらの続きです。

自転車道の意味
結局のところ、この標識。
意味が3つあるわけです。
種類 | 表示する意味 |
自転車専用(325の2) | ①自転車道であること。 |
②道路法第四十八条の十四第二項に規定する自転車専用道路であること。 | |
③交通法第八条第一項の道路標識により、普通自転車(交通法第六十三条の三に規定するものをいう。以下同じ。)以外の車両及び歩行者等の通行を禁止すること。 |
①の「自転車道であること」ですが、「道路交通法の自転車道であること」とは規定していない。
道路交通法の自転車道と道路法(道路構造令)の自転車道は定義が違うんですね。
○道路交通法
○道路構造令
標識令「自転車専用」(325の2)は「道路交通法の」とはしていない上、道路交通法の定義では標識を必須要件にしてないので、標識があることと道路交通法上の自転車道なのかは別問題となってしまう。
国土交通省はこのような説明をしてますが、
自転車道を示す道路標識(325の2)は、道路管理者でも公安委員会でも設置が可能となっているが、設置者によってその効力に差はあるのか?
自転車道は、道路標識の設置の有無に関わらず、縁石等により構造的に車道及び歩道を分離し整備することにより、道路交通法による普通自転車の通行義務が発生します。道路標識(325の2)は、道路管理者、公安委員会のいずれが設置しても、普通自転車の自転車道の通行義務は適用されます。
道路: 「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」についてよくあるご質問と回答 - 国土交通省
そもそも、「通行義務」については国土交通省の管轄ではなく警察の管轄なので、現実的には自転車道風なのに通行義務がないところもあるし、

明らかに「歩道の部分」なのに通行義務があるというところもある。

「歩道の中に車道があってはいけないなんて、道路交通法には書いてないだろ!」という謎理論が働いて「車道の部分」をクリアしようとするし、それでいて「通行義務?ないっすよ」と語る警察署もあるし支離滅裂。
法律の要件を明確にして、通行義務があるなら誰にでもわかるようにして、狭すぎない自転車道を作ってもらえるなら文句なんて言わないのですよ。
法律要件が不明確で、通行義務があるのかよくわからない上、狭すぎる自転車道を乱発するからちゃんとしてくれと言っているのですが、

全然違う意味に捉えて発狂する人までいるので、それだけ法律に詳しくないにはなおさらわからないのでしょう。
なので
少なくとも、全ての道路に自転車道ができるなんて日は来ないので、
○歩道通行自転車、車道通行自転車ともに「すぐに通行義務を理解できるように」して欲しい。
「歩道の中に車道があってはいけないなんて、道路交通法には書いてないだろ!」というなら。
○法律の規定にも問題がある。
○狭すぎる自転車道は明らかにヤバいから、まともに自転車同士が離合できる広さにして欲しい。
こんな幅で対面通行して、ムリな追い越ししてクラッシュとか全然笑えないけど、この幅なら今の日本基準ならマシな部類に入るでしょう。
とりあえず、道路交通法上の自転車道はいろいろ法律的に変なので、法律から何とかしませんかね。
パッと見ても通行義務があるのかないのか、管轄署に聞かない限りはわからない地獄だし、そもそも歩道の中に作られたら気がつかないし。
気がついた時には、柵に阻まれて自転車道に入れないなんてモノすらあるし。
ところで先日のこれ。
これは「自転車道」なのか、歩道上にある自転車レーンなのか。 pic.twitter.com/R1DYUmzayn
— おじいちゃん (@x2za74dcGkUfFgg) June 11, 2023
道路交通法上は自転車道に標識が必須要件ではなく、いつもの「歩道を区切って車道に転用してますわ」という謎理論が働くと、道路交通法上は自転車道となり通行義務が生じます。
標識があったとしても、道路交通法上は関係ありません。
唯一見分けるポイントがあるとすると、これ以前の歩道に「自転車通行可」の標識があるかないか。
自転車通行可の標識があるなら、自転車道が存在する部分の歩道は「自転車通行可」を解除しないと支離滅裂になるので。
こういうのにしても、植栽を構造物とみなせば自転車道と解釈しうるわけですが、
・歩道に自転車通行可の標識があり、ここで途切れさせる標識がない
・普通自転車通行指定部分の標示がある
以上から自転車道とは見なせないことになる。
じゃあこれは?
横浜市金沢区、国道357号ですが、
明らかに柵で区切って標識があるのに、管轄署の考えでは自転車道ではないから通行義務がないそうな。
こっちは?
国道16号相模原ですが
自転車道なので通行義務があるそうな。
こちらの広島市の自転車道については、通行義務があるそうです。
ワケわかりませんよね。
標識があり構造物で区切っていても、道路交通法上の自転車道なのかは別問題らしい。
こんなメチャクチャな解釈がまかりとおるなら、チェーンケースもなくチェーンリングむき出しのロードバイクは、普通自転車ではない!と言ってもいいのだろうか?
第九条の二の二 法第六十三条の三の内閣府令で定める基準は、次の各号に掲げるとおりとする。
ホ 歩行者に危害を及ぼすおそれがある鋭利な突出部がないこと。
普通自転車じゃなければ、自転車道の通行義務はなくなりますが、チェーンケースがないロードバイクを普通自転車ではないと解釈すると、今度はパレスサイクリングはロードバイクが通行禁止になるし、やっぱりムリなんでしょうね。

ところで、支離滅裂な話をして発狂していた人は理解できたのだろうか。
毎回心配になる。

2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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