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一時不停止車両にビックリして、2輪車が転倒した場合。

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先日もちょっと触れた件の続きです。

 

公園から転がってきたボールを避けて2輪車が転倒。
うーむ、判決内容が気になる。 バイクで走行中、転がってきたボールをよけようとして転倒し、けがを負った女性がドッジボールをしていた男児2人の保護者に対し、計約3700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が16日、神戸地裁であった。後藤慶一郎裁判長...

 

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一時不停止車両にビックリして2輪車が転倒

判例は京都地裁 平成30年10月29日。
まずは事故態様。

 

2輪車(原告)が時速30キロ程度で交差点に進行していたときに、

交差道路から一時不停止車両(被告)が停止線で停止せずに進行。
それを見て2輪車が急ブレーキをかけて転倒した事故です。

なお、被告は停止線では停止してないものの、南北道路に進入する直前で停止しています。
時速20キロ程度で交差点に進入し左折しようとしてました。

 

いわゆる非接触事故、驚愕事故ですが、過失割合はこちら。

原告(2輪車) 被告(一時不停止)
2 1

この判例の特徴としては、一時不停止車両は一時不停止自体は違反ですが、南北道路に進入する前に停止したので衝突の可能性はなかったこと。
2輪車が左方を注視して安全確認しながら進行していれば転倒することはなかったとの判断です。

 

接触や衝突の可能性が全くない(南北道路に進入する前に停止していた)けど、事故の誘因になっていることを認めたという点で評価したほうがいいのかもしれません。

非接触事故は

非接触事故の責任については、古くは最高裁が認めてます。

ところで、不法行為において、車両の運行と歩行者の受傷との間に相当因果関係があるとされる場合は、車両が被害者に直接接触したり、または車両が衝突した物体等がさらに被害者に接触したりするときが普通であるが、これに限られるものではなく、このような接触がないときであつても、車両の運行が被害者の予測を裏切るような常軌を逸したものであつて、歩行者がこれによつて危難を避けるべき方法を見失い転倒して受傷するなど、衝突にも比すべき事態によつて傷害が生じた場合には、その運行と歩行者の受傷との間に相当因果関係を認めるのが相当である。
本件についてこれをみるに、原審の認定した事実によれば、上告人は、訴外D、同E外二名と連れ立つて、暗夜の市道(幅員約三メートル、非舗装)を歩行中、前方からは被上告人が運転する軽二輪車が、後方からは訴外Fが運転する原動機付自転車が、それぞれ、接近して来るのを認めたため、右原動機付自転車の方を振り返りながら、右D、E両名に続いて、前方右側の道路端にある仮橋のたもとに避難したところ、前方から右軽二輪車が運転を誤り、上告人がまさに避けようとしている仮橋上に向つて突進して来て仮橋に乗り上げたうえ後退して停車し、その際運転者である被上告人の肩が右Eに触れて同人を転倒させ、他方上告人は右仮橋の西北端付近で転倒し、原判示の傷害を受けたというのである。右事実関係のもとにおいて
は、上告人は、同人の予測に反し、右軽二輪車が突進して来たため、驚きのあまり危難を避けるべき方法を見失い、もし、現場の足場が悪かつたとすれば、これも加わつて、その場に転倒したとみる余地もないわけではない。そうだとすれば、上告人の右受傷は、被上告人の軽二輪車の運行によつて生じたものというべきである。

 

最高裁判所第三小法廷  昭和47年5月30日

比較的広く非接触事故の賠償責任を認めている印象がありますが、中には全く認めなかった判例もあります。

 

一時不停止車両って、交差道路側からすると止まる気がなく突っ込んでくるように見える場合があるので、マジ勘弁なんですけどね。
止まる気があるのかないのか分かりにくい。

 

交差点直前で停止したとしても、事故の誘因になれば賠償責任を負うという判例でした。


コメント

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