こちらの記事にご意見を頂きました。
多分歩道の手前にした場合は東から来る車が右折の際に最短で曲がると事故が起こりかねないって理由だと思いますが…
通る際は一応止まりますし何となく意図も読めるんだけど何だろう…この何…?って気持ちが出てしまうT字路
確かに手前過ぎるんだよなあ…
ちょっと考察してみます。
Contents
なぜ?手前過ぎる一時停止線
イメージはこちら。
交差点の範囲には「隅切り」を含む話は何度も書いてますが、隅切りとの関係性でみてもやたら手前です。
横断歩道は押しボタン式。
左側が歩道、右側が路側帯になっていますが、いわゆる「観念上の横断歩道」として歩行者の横断部分を考慮しても、一時停止線は手前過ぎる。
右左折車両との兼ね合いなのかなとも思うのですが、一つの仮説として。
交差点左側部分は民家により見通しが極めて悪いと言えますが、「歩行者(子供)の小走り」まで考えて一時停止線をやたら手前にしたか、
逆走扱いになるけど、歩道通行自転車のことまで考慮した結果なんじゃないですかね。
歩道通行自転車は歩道が途切れて右側通行(逆走)で右折してくるなんて珍しい光景じゃないし。
過去に何らかの事故があったのかもしれませんし、全然違う理由なのかもしれませんが。
こういう交差点の場合、歩道通行自転車の逆走は増えちゃうのよね。
もちろんそれがダメなことなのは当然なんだけど、
現実的にはこうなりやすい。
歩道通行自転車って歩行者感覚でプレイしちゃうから、一時停止線を交差道路に近いところにすると出会い頭事故は増えそう。
まあ、なぜ一時停止線をやたら手前にしたか正確な理由はわかりません。
ちなみに違う読者様の見解はこちら。
つまり、
>③右左折車両にそれなりのサイズの車両が予定されている
のパターン。
その交差点より北が、JR西の山陰本線&嵯峨野線と京福電気鉄道嵐山本線に挟まれた陸の孤島状態になってます。
道や踏切やトンネルや橋の都合上、配達トラックとか消防車とかが南から入れる経路がファミマの交差点しかなさそう。
北からも入れるけど、ミスるとトンネル高が2.4m制限なのでヤマトのクイックデリバリーとか通れないですね。
確かに言われてみると、左折車対策としてやたら一時停止線を下げている可能性もありますね。
ただまあ、こんだけ一時停止線が手前になっていると、
停止線で止まっても、右側はともかくとして左側は全く視認できないわけで、遵守率は下がりやすい。
こういう停止線の位置はどのように決めているのか気になりますが、管轄署に聞いても「決定当時の資料がないからわからん」になることがあります。
以前挙げたこれにしても、
柵があったのに、「何らかの理由」で撤去されたとか。
「何らかの理由」をきちんと抑えておかないとダメだよね。
若干の疑問
車道の信号機は押しボタン式横断歩道との関係で設置されているだけなので、交差点自体は「交通整理されてない交差点」と見なせるし、その見解が間違いとも思わないのですが、その見解を取った場合、なぜ徐行義務がないと解釈できるのか私にはさっぱりわかりません。
第四十二条 車両等は、道路標識等により徐行すべきことが指定されている道路の部分を通行する場合及び次に掲げるその他の場合においては、徐行しなければならない。
一 左右の見とおしがきかない交差点に入ろうとし、又は交差点内で左右の見とおしがきかない部分を通行しようとするとき(当該交差点において交通整理が行なわれている場合及び優先道路を通行している場合を除く。)。
※優先道路=交差点内にセンターラインか車両通行帯がある道路
昭和46年改正で立法的に解決されたので、それ以降は「明らかに広い」だけでは徐行義務は免除されないし、ましてや「交差点には交通整理がない」と解釈するなら徐行義務を免れない。
なお、所論にかんがみ職権で判断するに、道路交通法42条によれば、車両等が同条1号にいう「左右の見とおしがきかない交差点」に入ろうとする場合には、当該交差点において交通整理が行われているとき及び優先道路を通行しているときを除き、徐行しなければならないのであつて、右車両等の進行している道路がそれと交差する道路に比して幅員が明らかに広いときであつても、徐行義務は免除されないものと解するのが相当である。
最高裁判所第二小法廷 昭和63年4月28日
たぶんこういう道路って、
左右道路は交差点内にもセンターラインを描いておかないと法律上は疑問が生じますが、車道の信号があることから「運転者は交通整理がある交差点と思い込む(交通整理がない交差点とは思わない)」ところから徐行義務がないと解釈するのでしょうか?
一時停止線の位置がイマイチな交差点は時々ありますが、だいたいは「疑似横断歩道」による歩行者の横断部分を考慮しているんだと思います。
道路交通取締法時代(昭和35年以前)だと、こういう規定がありまして、
横断歩道とは、次のような車道または道路の部分をいう。
(1)交差点その他の場所において、歩行者の横断の用に供するため、区間線によって区間された道路の部分。
(2)交差点において、横断歩道の区間が明示されていない場合においては、歩道の境界線をその始端において結ぶ線によって囲まれた車道の部分。
道路標示による横断歩道がなくても、交差点の「歩道の境界線をその始端において結ぶ線によって囲まれた車道の部分」を横断歩道(観念上の横断歩道)としていました。
当時の解釈だとこうなる。
今でいう「38条の2」に該当する歩行者の横断部分とも言えますが、そもそも非舗装路が多かった時代ですしね。
一時停止線がやたら手前にくる理由は正確にはわからないけど、あんまり手前過ぎると遵守率が下がり無意味になりかねないし、難しいところです。
時々おかしな交通規制を見かけますが、おかしな交通規制については管轄署に再検討を促したほうがよいです。
下記なんかも、昭和の時代に「自転車の車道通行禁止」の規制をしたものと思われますが、
読者様が管轄署に確認したところ、トントン拍子で話が進み規制解除。
昭和の時代を引きずってなんとなくそのまんまになっているケースもあるし、下記なんかもなぜ見えない位置に「自転車専用」信号があるのか意味がわからないけど、
こういうのって、設置当時に何を考えていたのか資料が残っていないので、再検討されずにナアナアになりやすい。
日本の交通規制はまあまあテキトーですが、手前過ぎる一時停止線は遵守されにくいのが現実。
遵守されやすく停止線を設けるのも一つの解決方法です。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
あの後確認してみましたが、
今はファミリマートで、左折用に隅切もされてるので手前すぎる感じですが、
昔は隅切りなしのブロック塀が有ったので、左折で曲がれるようにああなってたみたいですね。
そして、2015年にファミリマートになった後も停止線の見直しがされてないから、手前すぎる感じと。
https://goo.gl/maps/CjwWbNFcvvKQG2Rm9
コメントありがとうございます。
なるほど、ブロック塀があったからなんですね。
しかし民間のブロック塀がなくなったことを交通規制課が敏感に察知して停止線を直す…なんてことはないのですかね。
まさかの理由判明
色々経緯があってこうなったんだなぁ
コメントありがとうございます。
理由は判明しましたが、今も停止線を引っ込める理由が乏しいですね。
たぶん、誰かが指摘しない限りは直されないと思いますが。
京都は、このような停止線が大きく手前の交差点、割と見かけます。
この嵯峨野のところは違いますが、
ミニバスでない普通のバスが、片道1車線・往復2車線の道路を走って行くので、こんな交差点をいったん右に振って左折するのもよく見かけます。(左折の際の左寄り義務の記事にもありましたが)
信号待ちなどで、停止線よりはみ出て停車していると、左折するバスが入れない、ということも起こりうるので、バスが通る周辺の住民は、停止線を守ってることが多いです。
コメントありがとうございます。
たぶん、停止線の位置も本来は見直ししないといけないと思いますが、警察的にはあまり興味がないのですかね。