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過失運転致傷罪で有罪判決後、被害者が当たり屋と判明し再審無罪に。

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こういう事件はきちんと検証すべきと思う。

仙台市泉区で人身事故を起こしたとして、自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致傷)で罰金50万円の略式命令が確定した同市宮城野区の40歳代の男性会社員について、仙台簡裁が再審無罪を言い渡したことがわかった。6日付。

男性は2019年4月15日、泉区の交差点を右折しようとした際に車と衝突し、7人がけがをした。区検は男性に過失があるとして簡裁に略式起訴し、簡裁は略式命令を出した。

ただ、7人は保険金をだまし取るために故意に事故を起こしたとして21年12月に逮捕され、有罪判決が確定。区検は「無罪を言い渡す明らかな証拠がある」として今年7月に再審を請求し、簡裁は認める決定を出していた。

 

けがの7人は保険金だまし取るため故意に事故、4年半後に男性再審無罪…弁護士「きちんと捜査していれば」(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース
仙台市泉区で人身事故を起こしたとして、自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致傷)で罰金50万円の略式命令が確定した同市宮城野区の40歳代の男性会社員について、仙台簡裁が再審無罪を言い渡したことが

右直事故なんだと思いますが、右折車ということから過失があると思い込んで略式起訴したのかな?
他の報道でも右直事故になっているので、右折車だから過失ありみたいな雑な捜査だったのか、それとも捜査を尽くして見抜けなかったのかはわかりませんが、下記は再審請求したときの報道。

区検によると、事故は2019年4月15日、仙台市泉区の丁字路で起きた。男性の乗用車が右折しようとしたところ、直進してきた30代の男の乗用車と衝突し、乗っていた7人がけがをした。区検は同年7月に男性を略式起訴し、罰金50万円の略式命令が確定した。

だが、その後の捜査でけがをした男らが何度も事故を装って保険金を請求していたことが判明。21年以降、男ら10人を起訴し、うち9人の有罪判決が確定した。主犯格とされる男(47)は一審で実刑判決を受けて控訴し、無罪を訴えている。

(中略)

最高裁によると、21年に再審請求がなされたのは214人。うち検察官による再審請求は1人だけだった

 

仙台区検が再審請求 保険金詐欺の車に衝突された男性に誤って罰金刑:朝日新聞デジタル
車同士の衝突事故で相手にけがを負わせたとして自動車運転死傷処罰法違反罪(過失運転致傷)に問われ、罰金刑が確定した仙台市の40代の会社員男性について、仙台区検は21日、無罪とすべき明らかな証拠が見つか…

やはり右直事故。
しかし直進側が故意に事故を起こしたとは、どういったプレイをしたのかやや疑問が残ります。
そして再審請求のうち、検察官が再審請求したのは年間1件のみとのことなので、かなりのレアケース。

 

警察や検察の捜査がテキトーなのは今に始まったことではなくて、ちょっと前にはやはり右直事故案件で「直進バイクが信号無視」したことを見落としたまま起訴し、信号無視が発覚した後も起訴を取り消しせずに非難を浴びた事件がありました。

 

「直進車の赤信号無視」を見落として起訴し無罪の事件、検察官は何を主張したのか?
ちょっと前になりますが、右直事故について直進オートバイが赤信号無視していたことを見逃したまま右折車ドライバーを起訴し、結局無罪(過失運転致傷、報告義務違反)になった判例がありました。 検察官は控訴を断念して無罪が確定しただけでなく、福岡県公...

 

信頼の原則を否定する「特別な事情」を示せてないとして無罪。
結構勘違いしやすいのは、被害者の赤信号無視を予見すべき特別な事情がある場合には信頼の原則は否定されます。
しかし判決文をみても、検察官は特別な事情を全く立証出来ていない。

 

今回の再審無罪については詳しい事故の態様はわかりませんが、検察官が再審請求したぐらいなので明らかな問題があったのかと。
再審無罪になり罰金は戻ってきても、既に行政処分も開けているだろうしどうするのだろう?

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当たり屋さんは普通にいる

当たり屋さんは普通にいまして、何度か取り上げてますが和歌山簡裁 平成28年7月25日判決では過失運転致傷が無罪に。
事故の態様は、被害者が自転車に乗って自転車横断帯を通行しているときに、自転車横断帯の手前で一時停止していた車両を見つけ、非接触の驚愕転倒したというもの。

 

略式不相当はかなりマレなケースです。
裁判所が略式起訴ではダメと認めたわけなので。

ドラレコもなく警察と検察は被告人の過失として略式請求したものの、裁判所が略式不相当として正式裁判になった事例です。

本件被害者のように2年間に5件の交通人身事故に遭う確率は概算58億3958万0953分の1という極めて低い確率となり、これは巷間で言われている「ジャンボ宝くじ」の1等に当たる当選確率である「1000万分の1」と比べても比較にならないくらい極めて低い確率であって、(中略)通常の常識ではちょっと考えられない、異常な交通事故遭遇頻度である。

 

平成28年7月25日 和歌山簡裁

事故による傷害保険金等目当てに、自ら作為的に仕組んで転倒した偽装事故の疑いが極めて高く

 

平成28年7月25日 和歌山簡裁

警察と検察の捜査を非難する内容の判決文になっています。

 

民事でも、3日間の間に2回も自転車横断帯で左折巻き込みにあったという事例で、過去の事故歴などを総合判断し被害者の故意による事故と認定し請求棄却。

以上を総合するに、本件事故はいずれも原告の故意によるものというべきである。

 

名古屋地裁 平成27年3月27日

 

横断歩道・自転車横断帯を青信号で横断して事故に遭っても、損害賠償請求が認められないケース。
道路交通法の義務の問題と民事の過失割合は必ずしも関係しませんが、一般的には自転車に乗って横断歩道・自転車横断帯がある場所を青信号で渡る場合、横断歩道上を進行しても自転車横断帯を進行したものと同視されます(民事の場合)。 自転車横断帯を青信号...

 

他にも15年間の間に21回の事故にあった事例とかもありますが、当たり屋さんは普通にいます。
自転車は自転車横断帯で優先権を持ちますが、故意に起こした事故については賠償されません。

 

冒頭の事件については詳しいことはわかりませんが、検察や警察の捜査なんてテキトーになることがあるので、ややこしいですよね。

 


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