コンポとカーボンホイールについて質問をいただきました。
コンポがクラリスのロードバイクに乗っています。
ICANのカーボンホイールを付けたいのですが、ホイールだけ買っておけばあとは付けることができるのでしょうか?
ほかに必要なものがありましたら教えてください。
回答いたします。
クラリスにカーボンホイールを付けるときの注意点
クラリス完成車にICANのカーボンホイールを付けたいという話ですが、この話は中華カーボンだけでなく全てのカーボンホイールに共通する話になります。
なのでボーラだろうと何だろうと同じです。
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コンポがクラリスということですが、気を付けなければならないのは2点です。
なお、この話はクラリスだけでなくソラでもティアグラでも同じになります。
変速系
まず、ホイールにスプロケを付けるわけですが、クラリスの場合は8速です。
ICANは11速対応ホイールですが、11速対応ホイールに8速スプロケを付ける場合、1.85mmスペーサーを先に入れて、そのあとにスプロケを入れる形になります。
これはソラでもティアグラでも同じです。
8速用スプロケ、9速用スプロケなど別々に存在するわけではなく、8~10速までは同じ1.85mmスペーサーを使います。
そこで調べてみたのですが、普通は(大手メーカーのホイールならば)11速用ホイールを買った場合、1.85mmスペーサーは付属してきます。
ですがICANのホイールにはこの1.85mmスペーサーが付属しないようです。
なので1.85mmスペーサーを買う必要があります。
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あと当たり前ですが、スプロケを脱着する工具がないと現在使っているホイールからスプロケを移動させることができません。
こういう工具です(画像のうち、左側二つだけです)。
チェーンみたいな工具でスプロケを抑えて、ロックリング回しで固定を解除します。
スプロケを外すときにはこの二つの工具が必要ですが、取り付けるときにはチェーンがついている工具は不要です。
ICANのホイールに、1.85mmスペーサーを先に入れ、次にクラリスの8速スプロケを入れればOKです。
スプロケ脱着の工具ですが、それほど高いものではないですし、スプロケを洗ったりするなどのメンテナンスでは必須のアイテムです。
なので持っておきましょう。
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ブレーキ系
問題なのはブレーキです。
アルミリム用とカーボンリム用では、ブレーキシューが違います。
なのでICANのホイールにはカーボンリム用のブレーキシューが付属してきます。
ここからが問題です。
105以上のブレーキと、ティアグラ以下のブレーキでは決定的な違いがあります。
105以上のブレーキでは、ブレーキシューのゴムの部分だけを外して取り換えることができます。
ティアグラ以下のブレーキでは、こんな形でゴムの部分と金具が一体化しています。
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ゴムの部分だけを取り外して交換することができません。
ICANのホイールに付属するブレーキシューは、【ゴムだけ】の部分なので、ゴムだけ交換できるタイプに交換する必要があるわけです。
ここからは二つの手法があります。
1、ブレーキキャリパーごと105以上に交換
ブレーキキャリパーを105以上にすれば、問題なくカーボンリム用のブレーキシューに交換できます。
カーボンリムの場合はアルミリムよりも制動力が落ちますので、クラリスとかのブレーキを使っているならこの手法がオススメです。
これを買ってきて取り付けて、シューだけICANに付属するカーボンリム用ブレーキシューに交換します。
2、フネ付きシューに交換
要はブレーキシューのゴムだけ変えられるタイプ(カートリッジタイプ)に交換すればいいので、こういうものを買います。
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これをクラリスのブレーキに取り付けて、なおかつブレーキシューはICANに付属するカーボンリム用シューに交換すれば使えるはずです。
これでもブレーキ性能は上がるのですが、正直なところでいうと1のブレーキキャリパーごと交換のほうがオススメです。
間違っても、面倒だからと言ってアルミリムに使っていたブレーキシューを使うのはやめましょう。
一度でもアルミリムに使ったブレーキシューには、アルミリムのアルミ片がシューに刺さっています。
それをカーボンリムに使うと、アルミ片でカーボンリムを攻撃しますので、リム破損につながります。
あとは変速調整とブレーキ調整
上に書いたのはあくまでも【取り付け】だけの話になります。
取り付けしたからそのまますぐに走れるわけではありません。
まずは変速調整です。
ホイールによって、スプロケが付くフリーボディの位置が微妙に異なります。
フリーボディというのはこのパーツですね。
なので取り付けしたら変速調整が必要です。
それについてはこちらを参考に。
http://roadbike-navi.xyz/archives/4596
ブレーキについても、リムとブレーキシューのクリアランス(間隔)を調整する必要があります。
これはワイヤーを弄ればOK。
変速調整については、調整しなくてもとりあえず使えることもありますが、マレです。
変な調整のまま乗ると、チェーン落ちしてスポークを傷つけてしまう可能性もあるので、きちんとやったほうがいいでしょう。
このように、クラリス搭載車にICANのホイールを付ける場合には、ホイールだけでなく1.85mmスペーサー、スプロケ脱着工具、ブレーキ(シュー)が必須になります。
これはクラリス、ソラ、ティアグラなら全て共通です。
またICANに限らず、どのカーボンホイールを使う場合も同じことです。
最近はSACRAホイールのように【アルミリム用のブレーキシューが使えるカーボンホイール】もありますが、一度でもアルミリムに使ったことがあるブレーキシューを使うのは厳禁です。
なおすべてを調べたわけではないのですが、一般的には新品のホイールを買った場合、1.85mmスペーサーは付属してきます。
ICANはちょっと例外のようで、スペーサーが付属しないようです。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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