こういうのは減らないし、言っても直らないんじゃないかとすら思うことすらありますが、
この手の事故で「クルマの運転手が注意してりゃ事故らないだろ!」みたいな意見が出るんだけど、車道を走っているのはクルマだけではなくて、免許を持ってない中高生とかの自転車が「歩道ノールックアタック」を受けて大怪我したりする。
だから「ノールックで飛び出すな!」と言い続けるしかないのよね。
原因行為をなんとかするのが筋。
よくある「免許持っているドライバーが注意してりゃ済むだろ!」みたいなのは、この事故しか見えてない意見なので…
自転車対自転車でもありうるからね。
ちなみに、仮にこの手の事故が「自転車対自転車」だった場合、車道通行自転車も20~50%程度過失がついたりします。
得意の「予見可能」が発動するので。
なので車道を通行する自転車も、歩道の様子を見ながら歩道通行自転車の飛び出しを予見して注意するしかないのですが、例えばこんな自転車対自転車の事故でも過失割合は50:50(東京地裁 平成20年6月5日)。
歩道上の配電盤の陰からノールック逆走アタックを仕掛けられても50:50になるのが日本の民事。
なお、歩道からノールックアタックを仕掛けた自転車は重過失致傷罪です。
ただし少年事件のため保護観察処分。
ノールックアタックを受けた車道通行自転車は重篤な後遺症が残り、言語機能喪失や片半身の麻痺です。
ノールックアタックを仕掛けられて怪我をしても十分な補償が見込めない日本なので、車道を通行する自転車も「歩道からノールックアタック」を注意してないといけないわけですが、ノールックアタック自体をしないようにしてもらったほうが全体的には安全なんでしょうね。
こんな事件もあります。
路側帯を通行する自転車に対し、センターライン近くまで右寄りになって追い越したものの、ノールックで横断開始。
これは自転車対オートバイの事故ですが、オートバイの過失が70%(平成26年1月16日 東京地裁)。
「予見可能」という言葉は、ノールックアタックする側にとっても同じ。
ノールックアタックすれば何かに衝突する可能性があることは「予見可能」なはずですが、他人の不手際を予見して注意してないと思わぬ不利益を被る。
結局、言っても直らないことも「予見可能」なので、他人に期待せずノールックアタックを予見して注意するしかないのでしょうね。
歩道から自転車に「ノールックアタック」された結果、車道を通行していた自転車が大怪我した事例なんていくらでもあるのですが、そういう事例を知っている立場からすると「クルマのドライバーが注意してりゃ済むだろ!」みたいな意見を見ると浅はかだなあと思うし、事故って必ず自転車対クルマだけじゃないのよね。
車道通行していたのも自転車で、しかもまだ中高生とかなら、歩道からノールックアタックする自転車を予見して注意せよと言っても限界があると思うのですが。
歩道からノールックアタックしてくる自転車に対応するために、自転車ヘルメットの努力義務ができたんでしたっけ?
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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