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「普段から運転が荒かったからアルコールの影響じゃない!」と主張…したの??

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飲酒運転の末、対向車線に停止していた車両に衝突して全身打撲を負わせたことについて、福井地裁は危険運転致傷罪の成立を認めたそうな。

判決文によりますと、中村被告は3年前、福井市内で飲酒後に乗用車を運転し、赤信号の交差点に進入して、対向車線に止まっていた軽乗用車に衝突しました。この事故で、軽乗用車の運転手に全治約2週間の全身打撲を負わせました。

裁判では、飲酒運転事故の事実に検察側と弁護側に争いはなく、争点は被告がアルコールの影響で正常な運転が困難な状態だったかどうかなどについてでした。

飲酒運転の元県立大教授に「危険運転致傷罪」で懲役1年・執行猶予3年 弁護人は無罪主張し控訴へ(福井テレビ) - Yahoo!ニュース
飲酒運転で衝突事故を起こし、相手方にけがを負わせたとして危険運転致傷の罪に問われた元県立大学の教授の裁判で、16日、福井地裁は被告の男に懲役1年・執行猶予3年の判決を言い渡しました。   危険運転致

危険運転致死傷罪の飲酒運転態様は、飲酒運転だっただけでは足りず、飲酒運転で「アルコールの影響により」、「正常な運転が困難な状態」だったことを必要とします。

(危険運転致死傷)
第二条 次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
一 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為

危険運転致死傷罪の成立要件はまあまあ厳しいのですが、最高裁の判例ではこうなる。

刑法208条の2第1項前段の「アルコールの影響により正常な運転が困難な状態」とは,アルコールの影響により道路交通の状況等に応じた運転操作を行うことが困難な心身の状態をいうと解されるが,アルコールの影響により前方を注視してそこにある危険を的確に把握して対処することができない状態も,これに当たるというべきである。

 

最高裁判所第三小法廷  平成23年10月31日

で。
ちょっと気になるのがこれ。

訴状によりますと、中村被告は2021年12月18日、福井市内の飲食店で赤ワイン1杯、ビール1杯を飲んだ後、自分の車を運転して約1.2キロ離れた別の飲食店に移動。その際、赤信号を無視したことが分かっています。被告は2軒目の飲食店でさらに生ビールなど4杯を飲み、再びハンドルを握って駐車場を出ようと車をバックさせたところ、後方の看板に衝突。しかし、そのまま運転を続け、事故の直前、道路中央寄りを走行して対向車にクラクションを鳴らされたり、一時停止が必要な交差点にそのまま侵入したりしていたことも分かっています。

16日の裁判で徳井隆一裁判官は、被告はアルコールの影響で正常な運転が困難な状態であったと認め、「赤色の信号表示を見落とすなどの運転態様は非常に危険。信号で停止していただけの被害者を負傷させた結果も軽視できない」としました。

ただ、前科がないことや、大学を懲戒解雇されて一定の社会的制裁を受けていることなどを考慮して、求刑の懲役1年に対し懲役1年・執行猶予3年の判決を言い渡しました。

一方で、被告はこれまでの裁判で事故の原因について、「普段から運転が荒く、事故原因は音楽の曲名が気になりカーステレオの方を見たことにある」などと供述。アルコールの影響により正常な運転ができなかったわけではなく、あくまで過失であると主張していました。弁護人は無罪を主張し、控訴する方針です。

飲酒運転の元県立大教授に「危険運転致傷罪」で懲役1年・執行猶予3年 弁護人は無罪主張し控訴へ(福井テレビ) - Yahoo!ニュース
飲酒運転で衝突事故を起こし、相手方にけがを負わせたとして危険運転致傷の罪に問われた元県立大学の教授の裁判で、16日、福井地裁は被告の男に懲役1年・執行猶予3年の判決を言い渡しました。   危険運転致

いやさ、報道だけを見て言うのもなんだけど、これだけをみると

 

「普段から運転が荒いのだから、いつも通り荒かったのであってアルコールの影響じゃない!」

 

みたいな主張だったのだろうか?
そうであればむしろ怖いんですけど…

 

被害者は全治2週間の全身打撲、示談が済んでいるとありますが、報道だけを見てしまうと、「普段から運転が荒かったのであってアルコールの影響ではない」みたいな主張をしたのではないかと思ってしまい、むしろ怖いんですけど…

 

詳しい中身がわからないので何とも言えませんが、事故は3年前とあるように、危険運転致死傷罪は時間が掛かりすぎる。
そして飲酒運転については、アルコールインターロックを導入してエンジンが掛からないようにしない限り、無くならないと思う。

飲酒運転対策には「罰則強化」よりも「アルコールインターロック」へ。
ちょっと前にこんな記事がありました。 飲酒運転への罰則強化などにより飲酒運転による事故は減っていると言われますが、事故件数がどのくらいあるかご存じでしょうか? 自動車、自動二輪車、原付が第一当事者の事故ですが、平成12年に重傷事故が3193...

罰則強化は多少の抑止力にはなるけど、「オレは大丈夫」的な謎の自信から必ずしも効果的とは言えないのよ。
物理的に起動しない方向が望ましい。

 

特定小型原付の飲酒運転にしても、「飲んだら乗るな」といえば魔法のように乗らなくなる…なんてワケがなくて、アルコールチェッカーとスイッチを連動させない限りは無くならない。
報道だけを見て言うのもなんだけど、どうも「元から運転が荒いのだから、アルコールの影響ではなく平常運転だ」みたいな話をしたのではないかと思ってしまい、怖すぎて…

 

そのうち判決文が公開されたら主張の内容を確認しますが、もちろん主張の全趣旨がそれではないのだろうけど。

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