先月上旬から「自転車ひょっこり」の目撃情報が多数寄せられて報道されてましたが、千葉県警は道路交通法違反の容疑で逮捕しました。
千葉県柏市で自転車で走行しながら対向車線の車の前に飛び出したとして、36歳の男が逮捕されました。柏市周辺では「ひょっこり」飛び出す危険な運転がたびたび目撃されていて、警察はこの男の犯行とみて捜査しています。
柏市に住む無職の成島明彦容疑者(36)は、先月15日午後0時半すぎ、柏市内の道路を自転車で走行中、対向車線を走っていた車の前に飛び出し、車の通行を妨害した疑いがもたれています。
警察によりますと、柏市と我孫子市では自転車で対向車線の車の前に「ひょっこり」飛び出す運転がたびたび目撃されていて、今年に入って42件の110番通報があったということです。
警察が自転車に乗っている人物を調べていたところ、先月15日に柏警察署の前の道路で危険な運転行為を警察官が確認。さらに運転を妨害された車のドライブレコーダーなどから成島容疑者の関与が発覚したということです。
取り調べに対し、成島容疑者は「自転車に乗っていただけで、対向車に危害を及ぼすような運転はしていない」と供述し、容疑を否認しています。
警察はきょう、成島容疑者の自宅を家宅捜索し、犯行に使われた自転車や目撃情報と一致するサングラスなどを押収しているということで、余罪を調べています。
【速報】自転車で対向車線の車の前に飛び出したか 36歳男を逮捕 千葉・柏市周辺で目撃の「ひょっこり男」か 今年に入って通報42件 自宅から自転車やサングラス押収(TBS NEWS DIG Powered by JNN) - Yahoo!ニュース千葉県柏市で自転車で走行しながら対向車線の車の前に飛び出したとして、36歳の男が逮捕されました。柏市周辺では「ひょっこり」飛び出す危険な運転がたびたび目撃されていて、警察はこの男の犯行とみて捜査して
この方は以前、道路交通法違反(妨害運転罪)として実刑判決を受けていますが(さいたま地裁 令和3年5月17日)、実刑を喰らってもひょっこり運転をやめることができずに再犯したのでしょうか。
(量刑の事情)
まず,自転車による妨害運転の各犯行についてみると,被告人は,自転車を運転中,自動車の通行を妨害する目的で,急転把して後続車両の直前に自車を進出させたり,車道の中央線上に進出して対向車両に自車を接近させたりしたもので,重大な交通事故を引き起こしかねない危険で悪質な犯行である。犯行の動機は,自動車の運転者に嫌がらせをすることによる快感を味わいたいなどというもので,身勝手極まりない。
令和3年5月17日 さいたま地方裁判所
裁判官の言葉は響かなかったか…
なお、前回の妨害運転罪については全て安全運転義務違反(70条)の妨害運転罪として処断されています。
一例↓
普通乗用自動車の通行を妨害する目的で,同道路対向車線上を時速約39ないし43キロメートルで対向進行してきた同車に対し,その直前で右に急転把して時速約19ないし20キロメートルで同道路中央線上に進出し,前記D運転車両に自車を接近させ,他人に危害を及ぼすような速度と方法で運転し,もって同人運転車両に道路における交通の危険を生じさせるおそれのある方法により運転し
令和3年5月17日 さいたま地方裁判所
ひょっこりをやめることができなかった上に今回は件数が多いので、量刑がどうなるか。
八 他の車両等の通行を妨害する目的で、次のいずれかに掲げる行為であつて、当該他の車両等に道路における交通の危険を生じさせるおそれのある方法によるものをした者
チ 第七十条(安全運転の義務)の規定に違反する行為
前回は懲役でしたし、今回も罰金刑ではなく懲役になる可能性が高そうですが、なぜひょっこりをやめることができなかったのか不思議です。
迷惑行為を多数繰り返したわりには県警の動きが遅かった気もしますが、確実な証拠を集めていたのでしょうか。
そしてある種のひょっこり依存ではないかとも思えるので、再度刑罰を課したとしてひょっこりをやめることができるのかは疑問が残ります。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント