つい最近読者様に指摘されて間違いに気がついたのですが、「自転車専用通行帯」の話。
基本的には「自転車専用」の標識がありますが、これ、法律上は標識がなくても成立します。
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自転車専用通行帯は道路標示のみでも可
例えばこのように路面に「自転車専用」とあり、標識がない場合。
標識がなくても自転車専用通行帯になります。
理由はこちら。
第二十条
2 車両は、車両通行帯の設けられた道路において、道路標識等により前項に規定する通行の区分と異なる通行の区分が指定されているときは、当該通行の区分に従い、当該車両通行帯を通行しなければならない。
専用通行帯は「道路標識等」、つまり道路標識又は道路標示が法定要件。
そして「普通自転車専用通行帯」の標識は「327の4の2」がありますが、普通自転車専用通行帯の道路標示は無い。
しかし「専用通行帯」の道路標示は存在する。
種類 | 道路標示 | 意味 |
専用通行帯(109の6) | 交通法第二十条第二項の道路標示により、車両通行帯の設けられた道路において、特定の車両が通行しなければならない車両通行帯(以下この項において「専用通行帯」という。)を指定し、かつ、下この項において「専用通行帯」という。)を指定し、かつ、他の車両(当該特定の車両が普通自転車である場合にあつては特定小型原動機付自転車及び軽車両を除き、当該特定の車両が普通自転車以外の車両である場合にあつては小型特殊自動車、原動機付自転車及び軽車両を除く。)が通行しなければならない車両通行帯として専用通行帯以外の車両通行帯を指定すること。 |
警察庁の交通規制基準をみても、標識が必須要件とは読み取れない。
なので理屈の上では、「自転車専用」の標識がなく「自転車専用」の道路標示のみでも自転車専用通行帯になりますが、
現実的に、それが存在するのかは謎。
というのも、標示のみの場合は消えてしまうと効力がないので、標識もセットにすることが一般的じゃないのかな。
もちろん車両通行帯なので車道での話です。
公安委員会の意思決定()が必要なのは言うまでもなく。
以前「公安委員会の意思決定は法律外」だと主張し発狂していた人がいましたが、元気してますかね。
元気があればなんでもできると言われるけど、現実には元気だけでは解決しない。
若干疑問なのは
理屈の上では標識が不要、標示のみでも成立するとはいえ、標識無しの自転車専用通行帯があるのかはわかりません。
そして標示のみの場合、「専用」の二文字は必須要件なのだろうか?
「自転車」とあり「自転車専用」とは書いてない場合は??
ひらがなの「じてんしゃ」は有効なのだろうか?
これらの混乱を避ける意味でも標識を立てて明確にすることが望ましいはず。
調べた限り「専用」の二文字は必須要件なんじゃないかと思うけど、旧字体で「專用」とか、ビミョーに間違えて「専門」とかだと効力がどうなるのか…
こちらは写ってないだけで標識があるホンモノの普通自転車専用通行帯ですが、
こんな狭い自転車レーンを作って「頑張ってます」と言われても違う気がする。
どこの国も自転車レーンの整備で失敗している気がするけど
失敗が成功につながるワケでもないからややこしい。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
文字ではなく絵(ピクトグラム)で完結する方が良いと思います
標識の「止まれ」の文字が読めずに
事故を起こす外国人が運転する車(レンタカー)が増えていると読みました
「自転車専用」「じてんしゃのみ」
どっちにしても外国人には読めないです
じゃあ具体的にどうすればいいか?までは頭が回りませんが
道路標識、補助標識、道路標示内にある「日本語」はなくして、
補助標識の但し書きがないと分からないような
条件てんこ盛りの交通規制は規制自体を考え直すのが
こちら(日本人)にとっても幸せだと思います
コメントありがとうございます。
確かに外国人には優しくないですよね。
「歩行者自転車専用」の補助標識なんかも…
今でも都内の自転車専用通行帯は、交差点などではブルーの舗装が途切れて矢印=ナビレーンになり、また交差点と来れると専用帯に戻ります。この時に一つ一つここまで、これから、の標識はありません。全体の最初と最後にはそれぞれここから、とここまで、の標識があります。
コメントありがとうございます。
専用通行帯は車両通行帯の上乗せ規制なので、車両通行帯の成立要件(車線を道路標示で示す)がない交差点内には車両通行帯はありません。車両通行帯がなければ専用通行帯もありません。
ありがとうございます。
大きな交差点ではそうである、というのは理解できるのですが、例えばここのように左から道路がでてくるT字路の交差点などはどう解釈すればいいのでしょうか?
https://maps.app.goo.gl/DYd2RBQdic27Ltmq6
コメントありがとうございます。
これは判断に悩みます。
通行帯があるようにも取れるし…
長文失礼いたします。
都道府県公安委員会が道路交通法4条(公安委員会の交通規制)1項に基づき道路標識又は道路標示を設置及び管理して道路における交通の規制をするには,「政令に定めるところにより」行わなければならず,この「政令」としては,同法施行令1条の2(公安委員会の交通規制)があるだけであり,同条において,「道路標識又は道路標示」の両方又はいずれを設置しなければならないのかが定められているのは,横断歩道又は自転車横断帯を設ける場合についてだけです(同条3項)。そのほかには,同法2条1項6号の「安全地帯」の定義規定及び同項7号の「車両通行帯」の定義規定において,島状の施設によらないで安全地帯を設ける場合には道路標識及び道路標示の双方を設置することが要件とされており,「車両通行帯」を設ける場合には「車両が道路の定められた部分を通行すべきことが道路標示により示されている」ことが要件とされています。よって,roadbikenavi様ご指摘のとおり,普通自転車専用通行帯を設置するについては,道路標識又は道路標示のいずれか一方を設置すれば,同法上は問題ないということになると思われます(「交通規制基準」(平成23年2月4日付け警察庁丙規発第3号,丙交企発第10号)の「第3章 道路標識等設置・管理基準総則」の「第2 道路標識及び道路標示の設置区分」に「それ(引用者注:横断歩道又は自転車横断帯を設置する場合及び島状の施設によらないで安全地帯を設ける場合)以外の場合は,道路標識又は道路標示のいずれか一方の設置があれば,交通規制の効力に関する形式的な要件は充足されるものであるが,交通規制の実効を確保するため,次の表に示すところにより必要に応じて道路標識及び道路標示を併設するものとする。」とあることご参照。)。
また,同法4条5項に「道路標識等の種類,様式,設置場所その他道路標識等について必要な事項は,内閣府令・国土交通省令で定める。」とあるところ,この規定に基づく「道路標識,区画線及び道路標示に関する命令」(昭和35年総理府令・建設省令第3号)別表第6(第10条関係)の「専用通行帯」の道路標示(番号109の6)」の「文字」の項に「バス専用」とあり,「図示の文字は,専用通行帯を進行しなければならない車両の種類を示す。」と説明されており,「色彩」は「白」とするものとされています。そうすると,roadbikenavi様ご指摘のとおり,普通自転車専用通行帯について道路標示を設ける場合には,白色の「自動車専用」という文字が必要であろうと思われます(なお,同施行令に定める「専用通行帯」の道路標識(番号327の4)及び「普通自転車専用通行帯」の道路標識(番号327の4の2)の様式において「専用」の文字が記載されていることご参照。)。
コメントありがとうございます。
以前勘違いしていたので、過去の記事に間違いがあるかもしれません。
やはり「専用」の二文字は必要と解釈すべきですよね。
たぶんそうだろうなと思っていたのですが、一番ややこしいのは「じてんしゃ専用」みたいにひらがなになっていたときにはどうなるのかなと。
たぶん無効になるのかなと思いつつも、自転車関係で困るのは「似て非なる自転車通行帯」があるので、紛らわしいのはやめて欲しいんですよね…
先日書いた「左折車が自転車レーンに入るか?」についても、気になっていくつかの警察本部に質問したところ正解率が半々でした。
しまいには某警察本部から「改めて調べ直したらおっしゃる通りでした。大変勉強になりました」と言われてしまいましたが、警察本部すらわからない法に何の意味があるのか…