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LUUPが「違法な2人乗り」で追突事故!?被害者に対する保険適用はどうなる?

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特定小型原付のLUUPに2人乗り(違法)した方々が、先行車に追突したらしい。

ところで、「追突された側」はLUUPの保険で賠償されるのでしょうか?

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違法な2人乗りと保険の適用

LUUPの規約にはこのような条項があります。

第5条 利用条件及び遵守事項
(16)複数人で1台のモビリティを同時に乗車しないこと
第19条 保証の否認及び免責
2 登録ユーザーは、モビリティの走行にあたり、道路交通法その他の法令等の規定を自らの責任において遵守するものとします。かかる規定に違反したことにより登録ユーザーが損害を被った場合、又は、モビリティの事故により登録ユーザーが損害を被った場合(かかる規定への違反の有無を問いません。)、当社は一切の責任を負いません。

これを根拠に「追突された被害者の損害について、LUUPの保険が適用されない」と考える人もいるらしい。
これ、わりとシンプルな話として、追突された被害者の損害については原則としてLUUPの保険が適用されます。

 

保険って2つの側面がある。

①運転者が起こした事故について、被害者を救済する
②運転者が起こした事故について、運転者自身を救済する

例えば、酒酔い運転で赤信号無視して突っ込まれた被害者がいたとして、運転者の故意/重大な過失を理由に被害者が救済されないとなると、被害者救済にならないのよ。
電動キックボードの2人乗りについても、電動キックボード運転者がケガをしたときには保険の支払いはないでしょうけど、被害を受けた第三者の損害は保険で救済されます。

若干疑問なのは

違法な2人乗りをした「同乗者」(運転者ではない)がケガをした場合、理屈の上ではそれが自賠法でいう「他人」に当たる場合なら自賠責保険の対象になる…のですかね?
理屈の上では規約に関係なく、運行供用者であるLUUPは人身損害について賠償責任がある気がする。

(自動車損害賠償責任)
第三条 自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によつて他人の生命又は身体を害したときは、これによつて生じた損害を賠償する責に任ずる。ただし、自己及び運転者が自動車の運行に関し注意を怠らなかつたこと、被害者又は運転者以外の第三者に故意又は過失があつたこと並びに自動車に構造上の欠陥又は機能の障害がなかつたことを証明したときは、この限りでない。

ただまあ、追突された被害者が救済されないということは基本的にはないので、そこは心配する必要はないのかと。

 

要は2人乗りで自爆した運転者のケガについては適用されない可能性があるにせよ、追突された被害者の救済までされないわけではない。

コメント

  1. shtakah より:

     自動車の好意同乗者についての次の判決からすると,特定小型原動機付自転車の同乗者について,事情によっては,運行供用者責任が否定されたり,過失相殺がされたりする可能性があるのではないかと思われます。
     まず,最判昭和49年12月6日民集28巻10号1813頁は,会社(被告・被控訴人・被上告人)の従業員Aが会社所有の自動車を私用のため無断運転中に起こした対向車との衝突事故により運転者及び同乗者(B,C,D(原告ら・控訴人ら・上告人らの子))の全員が死亡したという事案について,「被上告人の従業員であるAは,被上告人所有の自動車を私用に使うことを厳重に禁止されていたにもかかわらず,勝手に持ち出して夜桜見物に出かけようとしたが,その際,母から被上告人所有の自動車は私用に使うことを禁止されているのであるから夜桜見物に出かけることをやめるように戒められていつたんその気になつたものであるところ,その場に居合わせたB,C,Dは,被上告人がその所有自動車を私用に使うことを禁止していることを承知していながら,夜桜見物の決行を強く主張し,積極的にAをそそのかして同人ともども右自動車に同乗して出かけ,その帰途原判示の地点においてAの運転する右自動車が大型貨物自動車に正面衝突し,そのためA及び右同乗者三名がいずれも即死したというのである。(改行)このような本件の事実関係のもとにおいては,本件事故によつて右同乗者及びその相続人らに関し生じた損害につき,右相続人らが被上告人に対し自動車損害賠償保障法三条に基づく運行供用者責任を問うことはできないとした趣旨の原審の判断は,正当として是認することができる。」としました。
     次に,名古屋地判平成17年10月14日(平成16年(ワ)第720号)判例秘書等搭載は,運転者(被告Y2(運転免許を取得して間もない者))の父親(被告Y1)が所有する普通自動車(定員5名)に運転者のほかに6名の好意同乗者者(運転者の中学校時代の同級生)が乗って深夜のドライブをしていたところ,運転者がカーブの進行中に運転操作を誤り自動車を道路左側の土手に衝突・転覆させ,これによって傷害を負った同乗者の1人(原告X1)及びその父母(原告X2,原告X3)が運転者とその父親に対し損害賠償を請求した事案について,「本件事故の直接の原因は,被告Y2が,降雨の中,カーブに進入するに当たっては,十分に減速すべき注意義務があるにもかかわらず,これを怠り,時速約70キロメートルの高速度(引用者注:制限速度は時速50キロメートル)でカーブに進入し,かつ,カーブ進行中に危険を感じて急制動をかけたことにあるから,本件事故は被告Y2の過失により生じたものというべきであるが,原告X1は,好意同乗者として被告Y2による運転についての利益を有しており,また,その不安定な乗車姿勢(引用者注:原告X1らは後部座席背もたれ部分を倒し,被告車後部の進行方向左側に助手席に背を向け膝を抱える姿勢で原告X1,同右側に運転席に背を向ける姿勢でC,原告X1とCとの間にD,原告X1らと向かい合う形で,被告車進行方向左側にE,同右側にFという状態でした。)や加速を促す雰囲気への加担は,危険を認識し,かつ増幅させた行為であると評価せざるを得ないから,過失相殺の適用または類推適用若しくは信義則の適用により,原告らの損害を相応に減額すべきであり,その減額割合は,2割とするのが相当である」としました。

    • roadbikenavi roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      最高裁判例の存在も気にはなったのですが、シェアキックボード同乗者としては「2人乗りが禁止されているとは知らなかった」と主張することが目に見えている。
      あくまでもシェアキックボードはシェア事業者と運転者間の契約なので、「禁止されているとは知らなかった」と言い出して揉めるだけなのかなと思いました。
      まあ、あんなもんに2人乗りする時点でお察しなのですが。

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