先日のこちら。
法律上の正解は、「左折レーン」があれば左折するクルマは左折レーンしか通行できない(自転車専用通行帯から左折すると違反)。
・自転車専用通行帯を通行する自転車と左折自動車を分離するため、交差点流入部で自転車専用通行帯(第一通行帯)と第二通行帯との間に規制標示「進路変更禁止(102の2)」の規制を実施するものとする。この場合の道路標示は、30m程度の区間に設置するものとする。ただし、進行方向別通行区分の規制が実施されている場合、車両はその車線内を通行しなければならないため、必ずしも進路変更禁止規制の実施の必要はないが、利用者にルールを分かりやすく伝えるために進路変更禁止規制を実施しているものである。
https://www.npa.go.jp/koutsuu/kisei/bicycle/kentoiinkai2/04/jitenshakojo_04_02-2.pdf
そもそも、都道府県警察本部はこの解釈を理解しているのでしょうか?
都道府県警察本部に聞いてみた
○間違い
○正解
○正解
○間違い
一応はルール上、指定通行区分(左折レーン)がある場合には自転車専用通行帯に進入して左折することは違反(指定通行区分違反)。
ちょっと気になって某警察本部に聞いてみました。
警察本部の考え方
警察庁のガイドラインでは、左折車と自転車を分離したいときは「自転車専用通行帯+指定通行区分(左折レーン)」もしくは「自転車専用通行帯+進路変更禁止」を使うようにしてますが、
・自転車専用通行帯を通行する自転車と左折自動車を分離するため、交差点流入部で自転車専用通行帯(第一通行帯)と第二通行帯との間に規制標示「進路変更禁止(102の2)」の規制を実施するものとする。この場合の道路標示は、30m程度の区間に設置するものとする。ただし、進行方向別通行区分の規制が実施されている場合、車両はその車線内を通行しなければならないため、必ずしも進路変更禁止規制の実施の必要はないが、利用者にルールを分かりやすく伝えるために進路変更禁止規制を実施しているものである。
https://www.npa.go.jp/koutsuu/kisei/bicycle/kentoiinkai2/04/jitenshakojo_04_02-2.pdf
そもそもの話。
某警察本部の交通指導課はこのルールをきちんと把握していない。
「大変勉強になりました」と言われてしまいました…
ガイドラインは読まないのだろうか。
で。
某警察本部の回答はこれ。
・左折レーンがあるときに自転車専用通行帯に進入して左折すると指定通行区別違反(35条1項)になる。
・それは条文や警察庁の解説からも明らか。
・ただし警察庁がガイドラインで示しているように、分かりやすく進路変更禁止(イエローライン)を併用すべき
・警察本部としてこの件は積極的に注意指導していないため、仮に自転車専用通行帯に進入してから左折するクルマがいても切符を切る運用はしてないはず。
あまり力を入れて注意指導してないし、分かりにくいルールだから仮にルールを遵守させるなら進路変更禁止のイエローラインは必須。
しかし今のところルールを遵守させる指導方針にはしていないので、お互いに注意しましょうねという話らしい。
「ルールを遵守させる指導方針にはない」と言ってましたが、そりゃルールを把握してないなら指導も何もないよね。
警察本部でこういうレベルなので、なかなか厳しい。
どっちがベターなのか?
警察庁のガイドラインによると、あえて自転車専用通行帯を打ち切って、左折車と自転車を混在させる場合と、
自転車専用通行帯と指定通行区分(進路変更禁止)を使い、左折車と自転車を分離する場合などが示されてます。
これらは交差点の規模などを考えて、左折車と自転車をどのようにプレイさせたいか意思をもって決めるものだと思う。
しかし根本的なルールを警察本部が理解していない以上、警察庁のガイドラインに従って構造を決めているわけではない。
法律も悪い、警察本部も理解していない、一般人はなおさらお察し…
いろいろ面白い話も聞きましたが、左折車と直進自転車をどのようにプレイさせたいか意思がないからメチャクチャになる。
その点、謎の待機場所がある交差点については、
苦し紛れ感はあるけど、自転車にどうプレイさせたいかが明確なのよ。
構造のいい・悪いはともかくとして、自転車の待機場所を作ってプレイ方法を指示している分、まだマシ。
国がガイドラインを作っても、都道府県レベルがガイドラインを理解しているわけではないし、意外とメチャクチャなのかもしれません。
指定通行区分があるときに「できる限り左側端に寄って(34条1項)」を適用しない理由
左折する際には「できる限り左側端に寄って」(34条1項)から左折するルールがある一方、指定通行区分(左折レーン)がある場合にはそのルールを適用しないことになっています。
第三十五条 車両(特定小型原動機付自転車等及び右折につき一般原動機付自転車が前条第五項本文の規定によることとされる交差点において左折又は右折をする一般原動機付自転車を除く。)は、車両通行帯の設けられた道路において、道路標識等により交差点で進行する方向に関する通行の区分が指定されているときは、同条第一項、第二項及び第四項の規定にかかわらず、当該通行の区分に従い当該車両通行帯を通行しなければならない。ただし、第四十条の規定に従うため、又は道路の損壊、道路工事その他の障害のためやむを得ないときは、この限りでない。
「できる限り左側端に寄って」(34条1項)には3つの意味があるとされますが、
②二輪車の巻き込み防止
③「できる限り」とすることで、物理的に寄れない大型車に配慮
指定通行区分がある場合には34条1項を適用しないので、「2輪車の巻き込み防止」にはならない。
昭和45年に指定通行区分が新設されたときの資料を見ていたのですが、要は指定通行区分がある場合には「軽車両以外は」左折レーンにいる車両は左折しかしないわけで、わざわざ「①ウインカーのみならず、行動で左折意思を示すため」をするまでもないと考えていたっぽい。
左折レーンにいるなら左折する意思があるのは明らかなので。
どちらにせよ、警察(現場)は道路交通法を厳格に解釈せずに曖昧な運用にするようなので、他人がルール通りにプレイすることを期待してもしょうがないのですけどね。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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