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特定小型原付の違反件数(11ヶ月)は21,562件。事故件数は190件。

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特定小型原付(主に電動キックボード)の違反件数と事故件数が発表されました。

答  まず、特定小型原動機付自転車の交通事故の発生状況につきましては、改正法が施行された昨年7月から本年5月末までの間に、死亡事故は発生をしておりません。しかしながら、交通事故が190件発生をしている状況でございます。
また、歩道通行などの違反行為の取締りを強化しておりまして、同期間中の交通違反の検挙件数は、累計で21,562件でございました。例えば、信号無視であるとか、通行区分の違反でありますとか、こういった例でございます。

国家公安委員会委員長記者会見要旨

7月~5月末なので11ヶ月間で交通違反の検挙件数が21,562件、事故が190件。
1ヶ月換算だと違反検挙件数が1980件、1日換算だと約64.4件になりますかね。

 

多いといえは多い。

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特定小型原付の違反は通行区分違反が多数

上のデータは7月~5月末ですが、昨年7月~12月のデータ詳細は公表されてます。

「通行区分違反」は、右側通行(逆走)と歩道通行。
特定小型原付は歩道を通行できますが、「自転車通行可」の標識+「時速6キロモード」が歩道通行の要件。
通行区分違反が全体の48%を占めます。

次に多いのは信号無視で全体の38%。
通行区分違反と信号無視だけで全体の86%になるのが特徴ですが、特定小型原付の場合歩道通行要件を取締りしやすくしたことが一番の要因なのかと。

 

自転車が歩道通行する際には「徐行」(63条の4第2項)ですが、特定小型原付は「モード変更」が要件。
徐行だとどこまでが徐行だと言えるのか取り締まりしにくくなりますが、特定小型原付の場合はモード変更しているかがランプの表示で一目瞭然。
自転車のように「それは徐行だと言えるのか?」みたいな判断をするまでもなく検挙できるわけで、システム的には取り締まりしやすさを重視したんだろうなと。

要はこの人たちって、特定小型原付を取り上げたところで自転車で暴走したり、違法モペットで爆走することが予想される。
「ルールを守れ!」と言ったところで聞かない人は聞かないのが現実なので、なかなかややこしい。

次に特定小型原付の事故が11ヶ月間で190件。
これも昨年7月~12月のデータは公表されてます。

事故の40%が自爆(単独事故)なのは、電動キックボードならではの不安定性に起因するのか、アホばかりなのかは悩ましい。

令和5年の違反総数

ところで、電動キックボードに限らずクルマ、オートバイ、原付について、令和5年中に反則行為として告知した件数がどれくらいあるのでしょうか?

「反則行為として告知した件数」なので、青切符以外を除きます。

431万5,982件です。

 

特定小型原付は11ヶ月間で検挙件数が21,562件のところ、違反検挙総数(反則行為)は431万5,982件です。

 

交通取り締まり全体(反則告知、送検)の詳細はこちら。

一時不停止(1,267,094件)、最高速度違反(888,500件)、通行禁止違反(616,174件)、信号無視(428,565件)、携帯使用等(214,458件)の順になる。
一時不停止だけで126.7万件もあるし、信号無視も42.8万件。
信号無視だけで毎日1174件検挙されていることになる。

 

もちろん、クルマと特定小型原付の通行台数はだいぶ差があるので比較するのは困難だし、比較して張り合ったところで「いいからルール守れよ」としか言いようがないのですが、特定小型原付の場合はちょっとルールがややこしい。

 

歩道の「普通自転車通行指定部分」を「自転車レーン」と勘違いし、通常モードで走行して検挙されている事例もネット上にはいくつかありますが、分かりにくいので各自勉強するしかないのよね。
YouTubeやネット上だと間違い解説ばかりだし。

 

昨年7月~12月の事故データだと40%が自爆(単独事故)ですが、11ヶ月間でも同じ傾向なら190件の4割にあたる80件弱は自爆なのだろうか。
ちゃんとルールを確認してないと特定小型原付は検挙されますが、個人的には青切符による反則金納付率が気になる。

 

反則金って勘違いしている人もいるけど、支払いは義務ではなく任意です。
支払わずに書類送検され正式な裁判を希望することもできますが(ほとんど不起訴)、反則金を払わない人が増えると検察の仕事が膨大になる。

 

実際のところ、クルマの違反ですが信号無視について最高裁まで争った事例すらあるわけで、

なぜ?赤信号無視で最高裁まで?
以前取り上げたこちらの判例について質問を頂いたのですが、ちょっと分かりにくいのかな、この判例。被告人は「信号無視はしてない!」と裁判で争ったわけではありません。争ったのはなに?まずは事件の概要。(1) 被告人は,平成27年7月12日午後8時...

この判例の争点は「信号無視があったか?」ではなく、信号無視してないと否認していた被告人が検察官の取り調べ中に信号無視を認めた場合、反則金に戻せるか?なのですが、イチイチこんな争いをされたら裁判所は発狂します。
なので反則金制度は、払わない人が増えると崩壊する。

 

その意味で反則金の納付率が気になるのですが、特定小型原付の違反検挙件数21,562件(11ヶ月)というのは、取締りしやすい法制度にしたことが原因なのかもしれません。

 

ウェーイ系の方々についてはいまいち理解に苦しみますが、特定小型原付がスタートして急にウェーイし出したわけもなく、今までは自転車や違法モペットなどでウェーイしていたのではなかろうか?

何に乗っても守らない人は守らないし、それこそ一時不停止が年間126.7万件(1日換算3471.5件)。
世の中意外とメチャクチャなんですが、ルールを守らない人が多いのが現実です。

 

なお、特定小型原付施工前に行われていた「実証実験」のデータと比較しても、根本的な台数が違うので意味がない。
台数や利用者が増えたら違反や事故件数が増加するのは当たり前の話なのは、クルマや原付の違反/事故件数をみれば明らかかと。
その意味では、走行距離あたりの事故発生率に換算しないと増減は全くわからないのよね。


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