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自転車の「右折方法」と「横断」の違い。

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読者様から質問を頂いたのですが、「自転車の右折方法」と「横断」の違い。
分かりにくいので図にします。

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自転車の「右折方法」と「横断」の違い

要はこのように通行することが右折方法違反(34条3項)に違反するのか?という話。

正解は③なのか?

これはわりとシンプルな理由で、①と②は右折方法違反(34条3項)にはなりません。

 

まず確認。

第六節 交差点における通行方法等
(左折又は右折)
第三十四条
3 特定小型原動機付自転車等は、右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、交差点の側端に沿つて徐行しなければならない。

34条は「交差点における通行方法」なんだとしているので、3項における「右折」とは「交差点を右折」なんだと理解できる。
そして交差点の定義。

五 交差点 十字路、丁字路その他二以上の道路が交わる場合における当該二以上の道路(歩道と車道の区別のある道路においては、車道)の交わる部分をいう。

2以上の道路が交わる部分が交差点で、交差点の定義においては歩道が含まれません(路側帯は含まれます)。

本件の事実関係は、右認定のとおりである。そして右のように車道と車道が交わる十字路において、四つ角の宅地または歩道の角を切り取つて歩道または車道としたことにより車道の幅員を拡大してある場合には、その拡大してある車道部分は道路交通法にいわゆる交差点に包含され、したがつて本件においては、右の(イ)(ロ)(ハ)(ニ)(ホ)(ヘ)(ト)(チ)(イ)各点を順次直線で結んだ線内の車道部分全部が、双方の車道の交わる部分であつて、右の交差点にあたる、と解すべきである。故に右の(イ)点は、交差点の側端にあたる。被告人は、交差点の側端から5メートル以内の場所に自動車を駐車したことが明かである。

名古屋高裁 昭和37年11月26日

要は34条3項のルールは、交差点内を通過して別道路に進行するため右に折れるときの通行方法を指示しているわけで、

これは「交差点の右折」ではなく「横断」。
歩道に向かって「横断」しただけの話なので交差点を右折したわけではない。

 

したがって34条3項の適用はありません。
なぜかこれを勘違いする人が多い気がする。

自転車横断帯がある場合の特例

そもそも自転車横断帯を通行する場合については、34条3項を適用しないとしてます。

(交差点における自転車の通行方法)
第六十三条の七 自転車は、前条に規定するもののほか、交差点を通行しようとする場合において、当該交差点又はその付近に自転車横断帯があるときは、第十七条第四項、第三十四条第一項及び第三項並びに第三十五条の二の規定にかかわらず、当該自転車横断帯を進行しなければならない。

今回のケースはどのみち「交差点の右折」ではなく「横断」なので関係ありませんが(「交差点を通行しようとする場合」に当てはまらない)、17条4項(左側通行)、34条1項(左折方法)、34条3項(右折方法)は適用しないとしている。

 

なぜこの除外規定が必要なのでしょうか?
これはわりと簡単な理由です。


交差点右左折方法や左側通行義務と、自転車横断帯の通行義務がバッティングしてどちらが適用なのかわからなくなるため、念のため除外している。

わりと誤解されやすい自転車のルール

自転車のルールについては誤解されやすいし、分かりにくいからなおさらややこしいのですが、警察署でも「自転車の二段階右折は任意だ」などという始末。

悲報!?自転車の二段階右折は義務から任意に格下げ!?
読者様からこのようなメールを頂いたのですが。あるYoutuberが警察に直接聞いた自転車交通ルールとして以下を発信していました。・1車線目が左折レーン、2車線目が直進レーンの場合、2車線目を走行して良い・交差点で二段階右折しなくても良いYo...

「歩道の逆走違反」として切符を切る事例も。

間違って「歩道逆走違反」で切符を切る警察。違反は取消に。
ちょっと前に読者様からこんなお話を頂きました。奥様が警察から「自転車の歩道逆走違反」としてイエローカード(指導警告票)を受けたとか。当たり前ですが抗議した結果、取消になったそうです。自転車の歩道逆走違反は取消に下記の一件ですが一応解決しまし...

わりとバグっているのが実情。
なお、信号がある場合は信号無視にならないようにしないと違法。

歩行者化するのはアリです。
理屈上は停止線を越える部分だけ歩行者化すれば違反ではない。

34条3項は交差点を通行する場合の交差点内の通行位置を定めたルールですが、交差点を右折するわけではなく横断する場合には25条の2第1項が適用される。

(横断等の禁止)
第二十五条の二 車両は、歩行者又は他の車両等の正常な交通を妨害するおそれがあるときは、道路外の施設若しくは場所に出入するための左折若しくは右折をし、横断し、転回し、又は後退してはならない

25条の2第1項もおかしな読み方をして「道路外の施設若しくは場所に出入するための横断」と勘違いする人が多いけど、

道路交通法25条の2の正しい読み方。
えーと、時々「読み方が違う」とクレームが来るのですが、道路交通法25条の2第1項の読み方。(横断等の禁止)第二十五条の二 車両は、歩行者又は他の車両等の正常な交通を妨害するおそれがあるときは、道路外の施設若しくは場所に出入するための左折若し...

違います…
「横断」です。
そもそも、昭和46年までは道路外に右左折することを「横断」としていたので、「道路外の施設若しくは場所に出入するための左折若しくは右折」は後付けなのよ。
昭和35年当時はこれ。

(横断等の禁止)
第二十五条 車両は、歩行者又は他の車両等の正常な交通を妨害するおそれがあるときは、横断し、転回し、又は後退してはならない。


コメント

  1. T250に乗ってみた より:

    こんにちは。
    最近ふと疑問に思ったことがありまして。
     
    >歩行者化するのはアリです。
    >理屈上は停止線を越える部分だけ歩行者化すれば違反ではない。

    に関してですが、

    —–
    道路交通法10条2項
    歩行者は、歩道等と車道の区別のある道路においては、次の各号に掲げる場合を除き、歩道等を通行しなければならない。
    一 車道を横断するとき。
    以下略
    —–

    歩行者化する際にガードレール等が無く、降車即歩道入りができれば良いとして、
    そうでない場合、歩行者化して反対側に横断するということで違反には当てはまらないのでしょうか?
    また、歩道、路側帯が無いなど道路の形状によっては10条1項の違反に当てはまらないのでしょうか?

    まあまず歩行者が取り締まられることはないのでどうでも良いっちゃ良いのですが 
    くだらない疑問ですみません。
     
    ちなみに過去に一度だけ、車道を走ってきた警官が対面の車両用信号が赤の時に停止線前で自転車を降りてそのまま歩行者化して歩道に上がったのを見た時は関心しましたw

    • roadbikenavi roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      刑罰法規ではないので、わりとルーズなんだと思います。
      例えば「歩行者横断禁止」の標識があるときに、タクシーから降りて歩道に向かって「横断」することが禁止とは言えないですが、横断であることには変わらないのと同じかと。

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