時々面白い意見を言ってくる人がいていろいろ考えさせられるのですが、かなり長文なので主張の根幹を抜粋します。
海外では二段階右折(右側通行の国だと二段階左折)を採用してない国が多い。
そもそも、二段階右折とは何を懸念し、何を防ぎたいルールなのでしょうか?
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二段階右折の法意
二段階右折にする理由を「対向直進車との衝突回避」だと思う人が多い気がするけど、二段階右折のメインは
右折前に道路中央に寄ることを無くす
です。
小回り右折する車両はあらかじめ道路中央に寄ってから右折しますが、自転車は低速で後続直進車との衝突リスクがあり、バックミラー装備義務もなく後方確認しないまま進路変更するリスクがあり、ウインカーもないので合図しないまま進路変更するリスクもある。
これらを考慮すると、左側端のままであれば自転車が右折する際には進路変更を伴わないわけで、歩行者の横断に近い動きをすることで安全と円滑化を図るわけです。
右折行為自体はどのみち徐行だし、「対向直進車との衝突回避」というのは大要素ではない。
ただし、自転車を小回り右折させた場合、ルール上求められる「右折より直進車優先」の原則について遵守が期待できないと考えた可能性もあります。
二段階右折廃止論を唱えるなら、なぜ二段階右折をさせているか?の理由は押さえておくべきなんじゃないですかね。
メールしてきた方の主張は、
だそうですが、そもそも昭和24年頃までは全ての車両が二段階右折でしたし、具体性がない感情論って同じ思考回路の人にしか響かないと思いますが。
これら二段階右折の法意と現実を考えた場合、現状でもノールックノー合図で進路変更する自転車が多いわけで、歩道から車道にノールックで降臨する自転車なんていくらでもいる。
そんな状況下で小回り右折させたら、より爆死するとしか思えない。
しかも、後続直進車が自転車の場合もあり得るわけで、小回り右折する自転車が必ず被害者側とも限らないわけよ。
とはいえ
いろんな活動家の人がいるんだなあ…と思ってしまいますが、わりとこういう意見に賛同しないのはなぜ二段階右折を採用したかの理由も知らないまま感情論を語るから。
議論が建設的ではなく、感情のぶつけ合いになり見苦しい。
とはいえ小回り右折を解禁させたいなら、ヒントになることはあります。
電動キックボードの実証実験の際、特例で小型特殊自動車扱いになっていたため、最高速度15キロながら小回り右折する義務がありました。
調べた限り、時速15キロの低速ながら小回り右折する際の事故はたぶん起きていない。
実証実験の電動キックボードはウインカーあり、バックミラーあり(ただし役に立たないモノ)、免許必要だった違いはありますが、ヒントになるとしたら実証実験の電動キックボードで小回り右折させた結果を分析することなんじゃないですかね。
データとか根拠がないと、なかなか耳を傾ける人もいない気がする。
ただし、幹線道路と生活道路では右折についてやや意味が変わる。
最後に、いまだに我が家周辺で当たり前のように走り回るナンバー無し違法電動キックボード。雨でやかましく鳴るディスクブレーキ音に振り返りもしないあたり、フードの中ではイヤホンで大音量の音楽聞いてるんだろうね♪🖕(再生時の音量注意⚠️) pic.twitter.com/LzpO4sJgkq
— Evonosuke (@evonosuke3) May 8, 2024
生活道路で小回り右折すると、交差道路通行車と衝突リスクが高まる。
この場合は右折中の走行位置が逆走になりますが、交差道路通行車からすれば一時停止してもこういう自転車が小回り右折で突っ込んできたらキツイと思う。
そもそも、幹線道路では車道通行する自転車の多くはスポーツタイプの自転車で、生活自転車については歩道通行がメインで「右折」ではなく「横断」している気がする。
そうすると小回り右折解禁(二段階右折廃止)って、主にスポーツタイプの自転車が幹線道路を通行するときに関係するのではないかと思いますが、幹線道路と生活道路で右折方法を変えるような複雑なルールは避けたい。
生活道路ではこうやって逆走小回り右折する危険な自転車なんていくらでもいますが、そこまで考えて二段階右折廃止論を唱えているのか疑問なのよね。
メールしてきた方については、議論のきっかけ自体は興味がありますが、「差別だ!」ばかりで議論にならないので…
「変えたい」のか「騒ぎたい」のか次第で取るべき行動は変わりますが、どうも後者に思えるので…
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
個人的に、ママチャリとロードバイクを同じ乗り物で括るのは実情に合わないのではと、思う所はありますね。原付バイクとオートバイ位違うかと。その意味で、ロードバイクに小回り右折を認めるのもアリかなと考えることはあります。左折ブロックのため、交差点手前で車線右寄りを通ることも多いですし、赤信号だと停止してるので、車線跨ぎもそう危なくないかな。ただ、青信号の場合だと、二車線以上を跨ぐのは怖い所はあるので、二車線以上の道路で右折レーンがさらに分岐するような道路だと、二段階右折を選択しそうではあります。
とは言え、ママチャリとスポーツバイクで分けたとして、猿がロードバイクに乗るだけなので現状がマシな落とし所ですかね。
コメントありがとうございます。
要は「ロードバイク」というものを法律上定義可能なのか?に繋がります。
ママチャリでドロップハンドル化した自転車はどっちなのか…
なので、自転車の種類ごとに右折方式を変えるのはそもそもムリがある気がします。