先日の記事で、プリセット型トルクレンチのダブルクリックはオーバートルクの原因になるから禁止だと書きましたが、
ちょっとビックリなコメント。
私の肌感覚でもそうですね。一般整備の場などでは特に。
一方で競技系のショップやメカニックの皆さまは知る限りほぼ全員が正しい使い方をしています。
学校では教えているそうですが。(高山自動車短期大学 教授との会話)
なぜカチカチとやるのでしょうね?(謎)
トルクレンチの二度打ちは禁止だと思っていたのですが、ちょっと調べてみたら
「ダブルクリックはオーバートルクの原因になるからダメだ!」
「いや、ダブルクリックでもトルクは上がらないから問題ない!」
という謎の対立があるらしい。
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トルクレンチの二度打ちは禁止か?
例えばこちらの検証記事。
トルクチェッカーを使って実験したところ、90Nmにセットしたトルクレンチでは以下の結果になっている。
ワンクリック | ダブルクリック | トリプルクリック |
90.8Nm | 98.8Nm | 109Nm |
90Nmにするところがダブルクリックしたら90.8Nm→98.8Nmに上昇。
ほら、トルクレンチのダブルクリックはダメだろ!となりそうですが、一方ではダブルクリックしても変わらないという結果もあるらしい。
凄く慎重にクリックさせてますが、要は「勢いをつけてダブルクリックさせたらオーバートルクになるが、慎重にやる分にはオーバートルクにならない」という話もあるらしい。
で。
前回記事で挙げた内容は、勢いをつけてダブルクリックしている動画。
気になっていろいろ確認してみましたが、ダブルクリックしている場合はだいたいはなぜか勢いをつけて二度打ちしている。
なのでオーバートルクの原因になるからやらないことが鉄則。
なぜ二度打ちするのか理由はわかりませんが、二度打ちしたほうがプロっぽく見えるんですかね(汗)。
ソースの二度漬けは禁止だという文化なのに、なぜかトルクレンチは二度打ち…
普通に考えると
ダブルクリックしたらオーバートルクになった実例がある以上、普通に考えれば「やらないほうがいいよね」に落ち着きそうな話。
ある種の宗教戦争みたいな謎対立があることは知りませんでした。
まあ、自転車関係でも謎の宗教戦争みたいな対立はありますが、あくまで原則論はこれ。
おっとまちがえた。
ところで、ある種の宗教戦争みたいなもんとして「チェーン洗浄にアルカリを使う是非」がありますが、いろんなところから指摘されているように、あれは横山氏が切り抜きして論点をすり替えたところから話がこじれている。
詳しく書いてもいいですが、それはまた今度。
まあ、トルクレンチをダブルクリックした実例として、「オーバートルクになったもの」と「そうはならなかったもの」がありますが、内容をみればこの2つは必ずしも相反するわけじゃない気がします。
そして原則はあくまでも二度打ち禁止なのかと。
自転車界にも謎の宗教戦争みたいな対立はありますが、リムブレーキorディスクブレーキもありますよね。
意外とこの人のように、
何を言っているのかわからない話をするくらいのほうが、平和なのかも。
とりあえずトルクレンチの基本は、正しい位置を持ち、ワンクリックのみ。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
ダブルクリックはタイヤ交換の際に工場で1回、客立ち会いでも1回したり、ダブルチェックで複数人で2回やったり。普通は2回やってもトルクレンチの精度バラツキの範囲内で、問題にはならないと思います。
それよりも、勢いよく回して1回締めしてダブルクリックはオーバートルクになるから注意とか言ってる人に注意が必要です(笑)
あと、ゆっくり動かして、カチッとなった瞬間に止めれば、何度やってもオーバートルクにはなりません。極端に低トルクだとカチッとなった衝撃で絞まるかもですが。ただし、完全に折れるまで回してはダメです。カチッとなったその場で止めます。人間に出来るかは分かりません(笑)
コメントありがとうございます。
そんなところだろうなと思いました。
要はワンクリックとダブルクリックは実は矛盾してないけど、双方が意味する内容が違うわけですね。