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文脈を無視した「切り抜き」って怖いよね。

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こういう「文脈を無視した切り抜き」は三流政党がよくやる印象操作と変わらないと思っていて、

元動画を見る限り、「近くに横断歩道があるならめんどくさくても横断歩道を使おう」という一般論をしたんだなと容易に理解できるところ、「交通安全ってめんどくさいんです」を切り抜きして印象操作をする。
幼児・学童向けに「付近に横断歩道があるなら道路交通法により横断歩道を使って横断する義務があります!」と説明しても伝わらないのだから、この表現は幼児・学童向けならいいんじゃないか?と思うし、仮に当該事故付近に横断歩道を設置したとしても横断歩道を使わない人がいたら本末転倒なんだから、一般論としては不適切とは思わない。

 

文脈を無視し切り抜きして印象操作する短絡思考主義者については呆れしかないけど、そういう批判しかできないから行政は動かないのよね。

 

ところで当該事故現場。

ストリートビュー · Google マップ
Google マップでより臨場感の高い方法で探索しましょう。

横断歩道設置を求める陳情は以前からあったそうな。
ではなぜ陳情に対して動かないのかを考えると、前後100m圏内に信号規制された横断歩道があることと、バス停の存在がネックになるのだろうと理解できる。

 

横断歩道直近にバス停があれば、高度な死角になるのは当たり前ですし。

 

そして横断歩道設置するとしたら、「押しボタン式信号が必要だろ!」という世論になるのも目に見えている。
なんだかんだ信号に対する信仰が強い人が多いのは、ちょっと前に取り上げた運転レベル向上委員会の解説でもわかるわけでして…

左右の見とおしがきかない片側二車線の交差点と徐行義務の話。
ではこちらの件。先に優先道路の定義。「優先道路」を勘違いしている人が多いので、「優先権がある道路」と思っている人が多い。優先道路の定義はこれ。優先道路(道路標識等により優先道路として指定されているもの及び当該交差点において当該道路における車...

非優先道路なのに違う交差点を取り上げて優先道路と解説するセンスは理解し難い。

 

さて、一応は警察庁の交通規制基準によると、以下要件を求めている。

 

①市街地における横断歩道の間隔は100m以上(除外事由あり)
②信号設置は150m以上離れていることが必須要件(除外事由あり)

 

◯横断歩道設置基準

横断歩道の間隔は、市街地においては、おおむね100メートル以上、非市街地においては、おおむね200メートル以上とする。ただし、通学・通園児、高齢者、身体障害者等の横断する場所や商店街等で歩行者の横断が特に多い場所においては、設置間隔を短縮することができる

https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/seibi2/kisei/mokuteki/kiseikijun/240726kiseikijun.pdf

◯信号設置基準

(1) 信号機の設置のための必要条件
隣接する信号機との距離が原則として150メートル以上離れていることただし、信号灯器を誤認するおそれがなく、交通の円滑に支障を及ぼさないと認められる場合は、この限りではない。

https://www.npa.go.jp/laws/notification/koutuu/kisei/kisei20210324.pdf

当該事故現場をみると前後の横断歩道とは「ほぼ100m」離れていてビミョーなラインになるので、結局は除外事由「通学・通園児、高齢者、身体障害者等の横断する場所や商店街等で歩行者の横断が特に多い場所」なのかになる。
押しボタン式信号については、直線道路で見通しがいいことを考えると設置はムリと考えられる。

 

結局のところ二段階横断施設や狭小化による減速構造、ハンプによる減速構造を採用するにしても、そもそも多くの人は「信号のほうが安全」だと信仰しているのだし、それらは地域住民に受け入れられない可能性すらある。
下手すりゃ反対運動すら起きるのだし、かといって信号設置は近距離に信号があることから誤認リスクが高まるからムリ。

 

そして横断歩道を設置するとしたらバス停の存在はネックになりかねないから、バス停の移設も視野に入れて調整する必要がありますが、

①信号絶対主義の人を納得させる
②二段階横断施設やハンプ等の構造改良は道路管理者と調整
③横断歩道設置基準の除外事由に当たることを立証
④バス停の移設も視野に入れるならバス会社とも調整が必要だし、バス停の移設には別途申請が必要(国土交通省、道路管理者、警察)

道路管理者、警察、国土交通省、地域住民と様々なところが意見調整や認可をしないと解決しない構造になっているところが最大の問題点なのではなかろうか?

 

ちなみに信号絶対主義の人も多いけど、信号設置基準については「必須条件は全て満たす」+「択一条件のうち一つを満たす」が要件。

(2) 信号機の設置のための択一条件
ア 信号機を設置しようとする場所又はその付近において、信号機の設置により抑止することができたと考えられる人身事故が信号機の設置を検討する前の1年間に2件以上発生しており、かつ、交差点の形状、視認性、車両の速度、当該場所における物損事故の件数等から事故発生原因を調査・分析した結果、交通の安全の確保のため、他の対策により代替ができないと認められること。
イ 小中学校(特別支援学校の小中学部を含む。)、幼稚園、幼保連携型認定こども園、保育所、児童公園、病院、養護老人ホーム等の付近において、生徒、児童、幼児、身体障害者、高齢者等の交通の安全を特に確保する必要があること。
ウ 交差点において、ピーク1時間の主道路の自動車等往復交通量及びピーク1時間の従道路(従道路が複数ある交差点にあっては、最も自動車等流入交通量の多い従道路)の自動車等流入交通量が、図「信号機の設置及び撤去における自動車等交通量の条件」(別添)で示す領域①にあること。
エ 歩行者の横断の需要が多いと認められ、かつ、横断しようとする道路の自動車等往復交通量が多いため、歩行者が容易に横断することができない場合であ
って、直近に立体横断施設がないこと。

これらをクリアして横断歩道設置に向かうことが必要なんだけど、ワケわからん切り抜きをして印象操作による批判をしたところで、論点がボヤけるだけだし前に進まないのよね。
私がもし横断歩道設置を強く要望するとしたら、一時間あたりの横断者数を計測するところから始めますが(横断歩道設置基準の除外事由に「横断者が多い場合」があるので)、誰かを納得させて改善に向かうには感情ではなく理屈と根拠が必要なんだと思うのよね。

 

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