今朝書いた件。
被害者はヘルメットをかぶってなかったと報道がありましたが、そもそも損傷部位は報道されてない。
しかしさ、
「たとえあの日ヘルメットをかぶっていても、今回の事故はヘルメットが死亡理由じゃないので。死因は外傷性ショックで、右のあばら骨にタイヤ痕があり、4か所骨折していた。車の下から引き出すのに時間がかかっている。ヘルメットをかぶっていたとしても、今回は同じだったと思います」
TBS NEWS DIG | TBS/JNNのニュースサイトDIG:掘り起こす、探求する、発見する。TBS系JNN28局のニュースサイト、「TBS NEWS DIG」は、国内外の取材網を生かし、いち速く正確な情報・動画と、より深い調査報道・より分かりやすい解説で、社会の関心に応えます。
ヘルメットは1mmも関係しないという…
Contents
そもそも
車道から歩道を横切り駐車場に入る場合、一時停止かつ安全確認(17条2項)、徐行(25条1項)なわけで、仮に見落として事故が起きたとしても、衝突であって車の下敷きになる時点でおかしい。
クルマはそれなりにスピードが出たまま道路外に左折したのでしょうか?
不可解な事故な上、「ヘルメットをかぶってなかった」という報道にも疑問が浮かびます。
歩道に入る前に一時停止
歩道を横切る前には、一時停止義務があります。
第十七条
車両は、歩道又は路側帯(以下この条において「歩道等」という。)と車道の区別のある道路においては、車道を通行しなければならない。ただし、道路外の施設又は場所に出入するためやむを得ない場合において歩道等を横断するとき、又は第四十七条第三項若しくは第四十八条の規定により歩道等で停車し、若しくは駐車するため必要な限度において歩道等を通行するときは、この限りでない。
2 前項ただし書の場合において、車両は、歩道等に入る直前で一時停止し、かつ、歩行者の通行を妨げないようにしなければならない。
この規定、「歩行者の有無」にかかわらず強制一時停止することになってます。
理由は「見逃しリスク」を最小限にし、安全確認することを目的としているからです。
左後方が死角になる上、植え込みなどで子供が隠れて見えないリスクもあるので。
ルールに則れば起きない事故ですが、今朝の記事でも書いたように、一時停止してもまだ死角がある場合には、「小刻みに停止・発進を繰り返すなどして歩道を通行する自転車等の有無及びその安全を確認して進行すべき自動車運転上の注意義務」があるとしています。
本件ガソリンスタンド敷地内からその北方に接する本件歩道を通過して本件車道へ向け進出するに当たり,本件ガソリンスタンドの出入口左方には壁や看板等が設置されていて左方の見通しが悪く,本件歩道を進行する自転車等の有無及びその安全を確認するのが困難であったから,本件歩道手前で一時停止した上,小刻みに停止・発進を繰り返すなどして,本件歩道を通行する自転車等の有無及びその安全を確認して進行すべき自動車運転上の注意義務があるのにこれを怠り,本件歩道手前で一時停止せず,本件歩道を通行する自転車等の有無及びその安全確認不十分のまま漫然時速約4.2kmで進行した過失により,折から本件歩道を左から右へ向け進行して来たA(当時41歳)運転のA自転車に気付かず,A自転車右側に自車右前部を衝突させてAを路上に転倒させ,よって,Aに入院加療150日間を要する脊髄損傷等の傷害を負わせたものである。
広島高裁 令和3年9月16日
事故多発地帯であったなら、誘導員の配置などをすべきだったとも言えますが、「歩道を横切る前に一時停止して安全確認する義務」がいかに周知されてないかにも問題があると思う。
防げた事故な上、ヘルメットは関係ない。
報道機関としての姿勢が問われるとしか言えません。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント