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そもそも不完全な理論、でして。

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以前書いたこちら。

必死すぎて…
いやはや、エアリプまでして必死なんですなあ…GOTALがSRV試験を実施する際に本当であれば25℃の環境温度でテストしたかったのですが、実際は40℃でテストをすることになった。その理由の一つがWAX系ルブ。摺動面の温度が溶解温度まで上がらな...

某ケミカル屋はスキーの潤滑原理について、「摩擦熱による溶け水」だとしてますが、この理論は広く普及している一方、矛盾もあり推測の域を出ないというのが真相。

1.研究開始当初の背景
スキーが良く滑る原理としては「雪とスキーの間の摩擦熱により発生する水が潤滑剤の働きをする」という Bowden らの摩擦融解説が広く普及している。これは
スキーが高速度で滑走しているときの摩擦係数が 0.05 程度或いはそれ以下であることを説明できる唯一の説である。さらに、摩擦によりスキー滑走面の温度が上昇することは測定されている。しかし、滑走界面の水は実際には観測されておらず、真実接触面積や雪との接点に於ける圧力等も推測の域を出ていない。
ところで、スキーは気温、雪質や雪表面の状態、或いはスキー滑走面の状態やワックスなどにより滑走性が異なる。そして、それらの影響を反映する物理量で、
「唯一測定できるのは摩擦係数」である。
しかし、もともと小さな値である摩擦係数のしかもその僅かな変化を検出し原因解析することは不可能である。
しかし、多くのスキー関係者は高速度滑走という条件における支配的原理の候補と考えられる摩擦融解説を唯一の科学的根拠と信じ、用具の設計や材料の選択、スキー技術の研究に応用しようとしている。

KAKEN — 研究課題をさがす | 2009 年度 研究成果報告書 (KAKENHI-PROJECT-19500528)

なおこの研究は「溶け水理論」を完全否定するものとは解されない。
一方の条件下では溶け水が潤滑に関わる可能性は否定できないものの、要はここ。

摩擦によりスキー滑走面の温度が上昇することは測定されている。しかし、滑走界面の水は実際には観測されておらず、真実接触面積や雪との接点に於ける圧力等も推測の域を出ていない。

要は溶け水理論は推測なのよね。
彼の難点は科学的思考の基本がないところにありますが、この手の話はなかなか興味深い研究もあるので、気になる方はいろいろ調べてみましょう。

 

ところで滅亡したブランドは「結線は効果がない」という結論を導く根拠として静的荷重による剛性評価試験を挙げてましたが、

 

思うに、そもそも「その評価方法が適切なのか?」という観点が欠けている。
そしてスポークの歪みゲージを用いた観察にたどり着いたところは良かったんだけど、

SACRAの実験、わざわざ接触交差のホイールを組み直して接触交差なしにしてやったのはなんでだろ?
先日のSACRAコラムとバイクラ5月号の記事の件ですが、バイクラ5月号の記事と、SACRAコラムを見て、それは違うだろ!と思った人は多いようです。特に理系の人なら、実験結果と結論の出し方に疑問を持つかと。いろいろご意見いただいてますそもそも...

接触交差のスポークでは彼が思い描く結果が得られなかったとして、非接触交差に組み換えて再実験している。
彼がそのデータを以て「結線に効果はありません!」と発狂したのは論理の飛躍としか言いようがないんだけど、広く普及している理論が正解なのかは別問題なので、思考停止に陥ることは危険なのよね。

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