近年、安く買えるカーボンディープリムのホイールとして、巷では話題になっているICAN。
これはいわゆる中華カーボンといわれるものです。
すごくいい方は悪いですが、おこづかいに制限がかかっている高校生などは、高い有名メーカーよりも、安くてかっこいいディープリムが欲しいんです。
今回は知人が試しに買ったというICANのカーボンディープリム(50mm)のクリンチャーホイールをご紹介します。
そもそも、中華カーボンって何よ?
簡単に言えば、中国で生産された無名メーカーのカーボンフレームやホイールなどを指す用語です。
そもそもですが、有名メーカーでも生産国が中国に拠点がある場合も多いのですが、中華カーボンはいろんな説があり、
・有名メーカーの工場で、生産終了となったモデルの金型を使い、安価に製造しているカーボンパーツ
・有名メーカーの工場で、正規ラインで製造されたカーボンパーツの横流し
などいろんな説がありますが、どちらかというと前者が有力です。
そもそもですが、例えば某有名メーカーのカーボンフレームで、正規ルートで買うと定価50万のフレームがあったとします。
これ、そもそもカーボンフレーム工場を出荷するときの値段は数万円程度だそうです。
そこに塗装やらブランド料や輸送費、設計料やらが上乗せされてそういう定価になると言われています。
もちろん間に入る業者の中間手数料も大きいのですが。
そのため、有名メーカーのフレームと同じ形をしたものを、偽ブランドとして販売しているケースも見られます。
これは完全に違法です。
例えばですが、某有名ホイールメーカーのリムは、実は中華カーボンです。
某国で職人により手組されていると謳っているメーカーですが、リム自体は某所で手に入れることが可能です。
だって中華カーボンですから。ちなみにプロチームにも採用されているブランドですね。
ICANの50mmカーボンクリンチャーを見ていく
まず、ブツはこちらです。
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スペックを見ていくと、
・重量 1530+/-20g フロント: 670+/-20g リア: 860+/-20g
・リムセット重量: 670+/-20g
・スポーク数: フロント: 20H, リア: 24H
・推奨タイヤ幅 23~25mm
ここでイマイチわからなかったことは、リムセット重量。
前後のリムの合計値を指すのか、前後それぞれのリム重量なのかがイマイチハッキリしませんが、リム単体670gでフロントホイールの重量が670gではおかしいですし、カーボン50mmで単体で670gは重過ぎるため、前後のリムの合計値が670gと考えます。
一般的にリアのほうがリム重量は重くなっています。これはフロントよりもリアに荷重がかかるため、座屈対策です。
この辺ははっきりしませんでしたが、単純に670g÷2=335g程度のリムと考えていいかと。
ちなみにアルミリムで軽量といわれるデュラエースc24はリム重量が385gくらいです。
つまりデュラエースよりも軽い(可能性がある)。
<2017年4月追記>
ICANの取扱店様より、リム重量の提供がありました。
50mmハイトのクリンチャーで、リム重量は480gだそうです。
ハブの重量がフロント60g、リア208gとのことです。
ご提供いただきありがとうございます。
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実際に乗ってみた感覚ですが、知人はケチなんで私は乗せてもらえませんでした(笑)
なので知人のコメントを紹介します。
・思っていたよりも漕ぎ出しが軽い
・高速域での空力がいいのか、35キロすぎからの伸びが良い
・スピードの減衰が小さく、足を止めてもスピードが落ちにくい
・思っていたよりもブレーキングで止まる印象(知人はカーボンホイール=止まらないを強く信じすぎていたため)。ブレーキ面のバサルト加工(?)というのが効いているのかも。
・剛性不足うんぬんとレビューで書いてあったが、その辺はわからない。強い選手が使えばわかるのかな?
・耐久性については全く不明。
・見た目の仕上がりで、特に悪いと思う点はない。
・ハブの回転はすごく普通。悪くもないし、特別良くもない。
・横風があると怖いかも。使いながら慣れていくしかないね。
こんな感じだそうです。
あともう一点書くならば、馴染みの自転車屋に行くときは、ICANのホイールつけていると中華カーボンであることがバレバレで気まずいという点だけだそうです。
思っていたよりもよく、知人が言うにはこの値段ならアリとのこと。
段差超えなど無茶な使い方をせず、ブレーキングに注意していれば何年か使えるんじゃね?との話でした。
買うか、買わないか
レース志向の人には強くはお勧めしませんが、オシャレ感覚とロングライドでインパクトを出したい人には向いている感じがします。
知人が比較対象に使っていたホイールはゾンダでしたが、ゾンダよりも乗り味的には気に入っていたようです。
どうしても自転車屋には置いていないメーカーなので、あくまで自己責任という形になりますが、一応「2年間保証」と書いてありますので、気になる人は買ってみるのもアリだと思いますね。
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2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
こんばんは
自分も購入しようか思案中(38mmですが)で検索してたどり着きました
ちなみにアマゾンの諸元は全くアテになりません
38mmより50mmのリムが軽かったり(リム以外ほぼ一緒で総重量が重いのに)
もうムチャクチャです
「ican クリンチャー」で検索すると最初の方に出てくる方が
購入と同時に分解して各部品の実測重量を載せておられます
それによるとリム重量は513+506(多分穴の分だけ後ろが軽い)で
1kgを超えています
足を止めても減速しないのはリムが重いためと思われます
コメントありがとうございます。
検索してみましたが、確かにリム重量が500gオーバーと書いていますね。
通常の完組ですと、フロントとリアでリム自体が違うのですが、ICANは所詮は手組ホイールなので同じリムを穴だけ変えて使っていると思われます。
ハブがかなり軽いのには驚きますが・・・
で、本文にも書きましたように、オシャレ感覚とかインパクトを出したい人にはいいと思いますが、値段が値段ですし性能まで求めるのは酷な気がしてます。
ちゃんとしたものがほしいならBORAとか買ったほうがいいのは明白なわけで・・・
実際の使用感ですが、5万弱のホイールとしてはアリだと思いますよ。
リム重量が重い割には、漕ぎ出しが軽いと言ってましたから。友人が言うには、ゾンダよりも漕ぎ出しは軽いそうです。
ICANの50mmハイトのクリンチャーリムは約480gです。
こんばんは、ICANやTOP-FIREも取り扱っているヤマトバイシクルと申します。リム重量がわからないとあったのでコメントさせていただきました。ちなみにR13ハブが前60g後208gで合わせて約268gですね。スポークが少し重いので、CX-Rayに変えるのもアリかと思います。ご迷惑でしたら、削除してください。失礼します。
コメント頂きありがとうございます。
数字のご提供、ありがとうございました。
助かります。