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岐阜の右直事故と、過失割合の話。

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こちらの件。

この事故は分かりにくいんだけど、撮影車が直進、対向大型車が右折。
双方ともに信号無視はなく、対向大型車は直進レーンから右折してきた事故になる。

こども園バスとトラック衝突…バスの運転手ら2人がけが 岐阜・笠松町
岐阜県笠松町で6日、こども園のバスがとトラックが衝突する事故が起きました。

対向大型車視線でみる交差点の形状はこちら。

https://maps.app.goo.gl/hP9YLaDbXyxtXsR67?g_st=ac

さて。
この事故について右直事故の基本過失割合「直進:右折=20:80」を解説し、「交差点安全進行義務(36条4項)があるから直進車にも必ず過失がついてくる」みたいな解説をしているYouTuberがいますが、

 

これは考え方としては誤り。
「典型的右直事故では直進車にも軽度の前方不注視など過失が認められるケースが多いから(端的にいえば回避可能性)、直進車にも過失がある態様を基本過失割合として設定している」が正解。
つまり直進車に過失が認められない事案は、この基本過失割合を適用しない非典型例になる。

 

さて。

直進車の立場からすると、直進レーンを進行する車両は直進することを期待・信頼する。
なので直進車の立場でみて、直進レーンを進行している対向大型車が「右折に転じたこと」を察知できた時点で、直進車が急ブレーキを掛ければ回避可能だったかの問題になりますが、

 

上記の地点が「直進車視点で対向大型車が右折に転じたことを察知できた」としたときに、果たして直進車側に回避可能性があるのだろうか?

 

事案は異なりますが、名古屋地裁 平成25年6月28日判決では「直近右折(右折車不利に過失修正する要素)」を認めなかったものの、対向車が右折を開始した地点で急ブレーキをかけても回避できなかった可能性が高いとし、過失相殺する事案ではないとする(つまり右折車が100%)。

 

要は基本過失割合が想定する典型例ではなく、非典型例の事故と捉えた。

 

で。
現実的に示談交渉する場合、保険会社はゼロヒャク事案には介入できないため、無過失を主張するなら相手がそれに応じるか、裁判するかしかない。
一番ややこしいのは、「交差点の形状からみて園バスが右折」という主張をしてくることすらあり得るのでして。

 

なお直進レーンから右折したことは民事上「大回り右折修正(5%程度)」として評価する。
基本過失割合(直進20%)に「大回り右折修正(5%)」、「直近右折(10%)」を主張して「直進車5%」なら示談に応じるという主張もありうるし、基本過失割合が想定する典型的右直事故ではなく回避可能性がないから無過失と主張することもあり得る。

 

無過失の主張を認めさせるには裁判するしかないし、その手間と時間をどう考えるかなのよね。
それなら過失5%~10%でもいいから早く解決したいという考え方もあるでしょうし(過失相殺されたとしても、撮影車の人身傷害保険と車両保険があれば自己負担なしになり、保険の等級アップだけが問題になる)。

 

ちなみに今回の事故でケガしたのは運転者と同乗する職員の二名。

 

「交差点安全進行義務があるから必ず直進車にも過失がつく」という誤った概念をベースにすると基本過失割合から修正要素をどう適用するかになりますが、「基本過失割合が想定する典型的右直事故ではなく、回避可能性がないから無過失」という主張もできる。
その場合は訴訟覚悟で、回避可能性がないことを計算して出さないと厳しいですが。

 

ところでもし直進車無過失を主張するなら「直進レーンから右折することは予見できず、右折したのを察知できた地点では既に回避可能性がなく、基本過失割合が想定する典型例ではないから無過失」という主張と、「仮に基本過失割合を適用する場合でも、大回り右折、直近右折、○○○修正をすれば直進車は0%である」という主張の二本立てにします。

 

○○○修正は「右折車徐行懈怠」ではない。
民事修正要素の「右折車徐行懈怠」は、道路交通法の徐行を意味するものではなく、通常の右折車が出しているスピードより早い場合を意味しますが、

 

このようなY字路においては、右折車がこの程度の速度であることはあり得ることを考えると(極めて直進に近い形状)、同修正要素が認められない可能性がある。

 

さて、○○○修正とはなんでしょうか?

この修正要素が持つ意味を考える必要がある。

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