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そこは歩道なのか?交差点なのか?

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こちらについて考えてみようと思う。

現場はこちら。

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これですが、道路交通法の規定と道路構造がチグハグになっている事例でして、本来なら交差点扱いにするために歩道を途切れさせないといけない(交差点の定義は車道と車道が交わるところ)。
しかし歩道が連続しているところをみると、要はこの小道は私道なんだと思われ、私道部分を路外からの合流とみなしているのかと。

 

したがって冒頭の動画では、路外からの合流のために歩道を横切る車両扱いになり、歩道の直前で一時停止義務があることになる(道路交通法17条2項)。

 

ところで、「自転車が逆走」と指摘する意見が沸いてますが、歩道通行する自転車は右側通行も可能なのでして(17条4項、63条の4第2項)。
唯一、愛媛県だけは条例で「左側歩道通行の努力義務」を設けている。

悲報!?愛媛県は歩道逆走が条例違反!?
道路交通法では、歩道を通行する自転車は双方向に進行可能ですが(法17条4項、63条の4)、愛媛県は条例にて「歩道通行は左側のみ」(愛媛県ローカルルール)と決まっているそうな。愛媛県自転車の安全な利用の促進に関する条例論より証拠。愛媛県自転車...

ところで、これが事故になった場合に、民事では「優先道路対非優先道路態様」を適用すべきか、それとも「路外からの合流態様」を適用すべきか悩ましい。
実は両者ともに基本過失割合は変わらなくて、自転車が10%、クルマが90%になる。

 

そしてこれもあまり知られていないけど、「自転車が右側通行で、かつ左側から進入」のときには自転車に5%加算する修正がなされる。
これは自転車が歩道通行していた場合であっても適用される。

 

これには実例がある。
判例は名古屋地裁 平成30年9月5日。

優先道路に付属した歩道を通行していた自転車と、非優先道路から優先道路に進入しようとしたクルマの事故。
裁判所は「優先道路対非優先道路態様」の基本過失割合10:90を適用し、さらに「自転車が右側通行で、かつ左側から進入」の修正要素5%を適用し15:85が相当とした。

本件事故は、優先道路に併設された歩道を走行し、本件交差点を直進しようとした原告自転車と非優先道路から優先道路に左折進入するために本件交差点に進入しようとした被告車両との接触事故であるところ、双方に前方、左右の不注視等の過失が認められる。
そして、以上に加え、原告自転車が右側通行であり、被告車両から見て左方から本件交差点に進入してきたこと等に照らせば、本件事故の過失割合につき、原告15%、被告85%と認めるのが相当である。

名古屋地裁 平成30年9月5日

民事過失上、右側歩道を通行して左側から進入した場合に過失修正されることがあります。
あくまでも優先道路/非優先道路態様をベースにしているのでおそらくこんなイメージかと。

加害者 被害者
基本過失割合 90 10
左方から進入/右側通行 -5 +5
85 15

なぜ「自転車の右側通行かつ左側から進入」が過失修正要素なのかというと、左側通行を原則とする日本では右側通行かつ左側から進入されると、クルマからみると視認性/回避可能性が減弱する。
そのため、右側歩道の通行が道路交通法上違反ではなくても、民事では過失修正要素になっている。

 

この修正要素は路外からの合流態様でも適用する場合がある。
ただし、この修正要素の意味は「視認性の悪化」にあるのだから、見通しがいい交差点や見通しがいい路外からの合流では適用しないことになる。

 

動画の事案は見通しが悪いので、事故になったなら同修正要素が適用されるといえます。

 

道路交通法と民事の過失が一致するものと思い込んでいる人が多いから分かりにくいけど、道路交通法上は右側歩道通行は違反ではない。
しかし事故になったときには、自転車不利に修正されることもある。

 

たかだか5%なんですけどね。
そもそも、動画の構造からするとクルマの方も「歩道を横切った」という認識がない可能性があるからややこしい。
そこを歩道だと認識できないなら一時停止義務を課すことはできないわけだし。

 

ところでこういう事案を考えるときに、「自転車視点で歩道が途切れていることを認識できるか?」と「クルマ目線で歩道だと認識できるか?」を考えずに、第三者視点でごちゃごちゃ言うのは意味がないと思う。
クルマ目線で「歩道だと認識できない」なら一時停止義務は課せない。

 

その意味で、構造的には好ましくないのよね。
私道だからこうなるのだと思われますが…

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