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JAFの「横断歩道一時停止率調査」は、前提条件を変えると大きく下がる。

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こちらの件。

ビッグ主語化させた先にあるのは、問題解決から遠退くこと。
運転レベル向上委員会が、JAFの「横断歩道一時停止率向上」と「歩行中の」死者数減少が因果関係があるかのような解説をしてますが、なぜに「横断歩道横断中」の事故数ではなく、「歩行中の」とビッグ主語化させて印象操作したがるのか謎過ぎる。ところで、...

JAFの横断歩道一時停止率調査によると長野県は88%になってますが、現実には長野県は横断歩道事故が多いのでして。

JAFが横断歩道一時停止率を公表。しかし事故件数とは相関性が薄い。
JAFが「横断歩道一時停止率調査」の結果を公表してますが、以前にも指摘したように、同調査は事故発生とは相関性が薄いように思える。現に一時停止率調査で常に上位の長野県と、長野県とほぼ人口が同じ新潟県で比較したときに、一時停止率と横断歩道事故発...
長野県 新潟県
人口(R4年8月) 2,007,347 2,129,722
一時停止率(R7) 88.2% 57.0%
一時停止率(R5) 84.4% 23.2%
一時停止率(R4) 82.9% 25.7%
R4歩行者妨害事故(死亡者) 246(2) 204(2)
R6歩行者妨害事故(死亡者) 280(3)   206(5)

同程度の人口の県で比較しても、JAF調査にて一時停止率が高いとされる長野県と、低いとされる新潟県での差はほとんどないし、新潟県は一時停止率が向上しても事故減少に役立っていない。

 

これの理由を考察すると、JAFの調査方法に問題があると言える。

調査場所
各都道府県2箇所ずつ(全国合計94箇所)の信号機が設置されていない横断歩道
※センターラインのある片側1車線道路で、原則として、調査場所の前後5m以内に十字路および丁字路交差点がない箇所で道路幅員が片側2.75m~3.5m、交通量が3~8台/分(目安)とし、制限速度が時速40~60km程度の箇所
※詳細の調査場所は非公表

調査対象
上記の横断歩道を通過する車両
横断歩行者側の車線を走行する自家用自動車、自家用トラック(白ナンバー)

信号機のない横断歩道での歩行者横断時における車の一時停止状況全国調査(2025年調査結果)
「信号機のない横断歩道での歩行者横断時における車の一時停止状況全国調査(2025年調査結果)」についてご案内します。

交差点ではない横断歩道で、しかも歩行者側の車線しか調査対象にしていない。
つまり交差点右左折時に歩行者を巻き込む態様は調査対象外だし、

対向車線が渋滞停止している場合も調査対象外なのである。

なお横断歩行者側車線に調査を限定しているため、下記画像で反対車線車両が一時停止しなかった場合も調査対象ではない。

交差点付近の横断歩道であれば、横断歩道左右の見通しが悪いために減速接近義務+徐行(左右の見通しがきかない交差点であれば徐行義務がある)が求められますが、

交差点付近の横断歩道はJAFの調査対象ではない。

 

つまり事故発生リスクが高い横断歩道を調査対象にせず、「歩行者が見えたら一時停止すれば済む」イージーモードの横断歩道しか対象にしてないわけよ。
例えば、下記横断歩道は左右に見通しが悪い交差道路があるので、きちんと減速してないと歩行者が見えてからでは止まれない。

しかしJAFの基準では調査対象ではない。

 

さて。
一時停止率が高いけど横断歩道事故が多い現実に気づいて独自調査したメディアもいる。
JAFの調査では片側一車線道路に限定してますが、これを片側二車線道路にしたらどうなるか?

信号機のない横断歩道で停止率全国1位の都道府県は…?しかも8年連続ってホント?でも交通事故が相次いでいる現実、疑問に思った記者が実際に路上で調べて分かったコト | TBS NEWS DIG (1ページ)
JAF=日本自動車連盟の調査で、信号機のない横断歩道での一時停止率が、長野県は84.4%と、8年連続で全国1位となりました。交通マナーが良いとされる一方で、信号機のない横断歩道での交通事故は相次いでいます。ド… (1ページ)

52台中、一時停止したのは28台(54%)。
前提を変えただけで全く違う数字になってしまう。

 

JAFの調査は一定の啓蒙にはなってますが、同時に勘違いにもつながるリスクがある。
「長野県って凄いよね」という勘違いになるし、そもそも本質は減速してないから止まれない。

警察庁が減速接近調査を公開。横断歩道事故において減速していたクルマは一割未満。
春のパン祭…ではなく春の全国交通安全運動を前に、警察庁がやっと本腰を上げたのかもしれません。以前からJAFの横断歩道一時停止率調査は事故件数と相関性がないことを指摘していますが、同じくらいの人口の県で比較しても、一時停止率と事故件数に相関性...

JAFの調査の対象になっている横断歩道は、「歩行者が見えているから減速」で足りる場所。
しかし本来は「歩行者がいるかわからないから減速接近」なのでして。

 

たとえJAF調査が全国平均90%になろうと、横断歩道事故は変わらず起きるんだなと長野県の実情が語っているわけで、JAF調査結果に一喜一憂しているうちは変わらないのよね。
一定の啓蒙になるという第一段階を通過した後は、第二段階としてJAF調査を疑問視し、第三段階では減速接近率にスポットを当てないと変わらない。

 

しかしこの問題に気づいているのは、一時のメディアと警察くらいなのよ。
運転レベル向上委員会なんかはJAF調査の横断歩道一時停止率と「歩行中の死亡者数減少」に因果関係があるかのような解説をしてますが、ずいぶん遠い数値を因果関係があるかのような強引な手法を使うような印象操作をし、

 

問題の本質を理解してないYouTuberとしか言いようがない。

 

本質は「歩行者がいたら一時停止」ではなく、「歩行者がいるかわからないなら減速接近」。
それは昭和42年東京高裁、昭和46年東京高裁の各判決で指摘されていることですが、いまだに本質に目を向けないところに問題がある。

本件交通事故現場は前記のとおり交通整理の行われていない交差点で左右の見通しのきかないところであるから、道路交通法42条により徐行すべきことももとよりであるが、この点は公訴事実に鑑み論外とするも、この交差点の東側に接して横断歩道が設けられてある以上、歩行者がこの横断歩道によって被告人の進路前方を横切ることは当然予測すべき事柄に属し、更に対向自動車が連続して渋滞停車しその一部が横断歩道にもかかっていたという特殊な状況に加えて、それらの車両の間に完全に姿を没する程小柄な児童が、車両の間から小走りで突如現われたという状況のもとにおいても、一方において、道路交通法13条1項は歩行者に対し、車両等の直前又は直後で横断するという極めて危険発生の虞が多い横断すら、横断歩道による限りは容認しているのに対し、他方において、運転者には道路交通法71条3号により、右歩行者のために横断歩道の直前で一時停止しかつその通行を妨げないようにすべきことになっているのであるから、たとえ歩行者が渋滞車両の間から飛び出して来たとしても、そしてそれが実際に往々にしてあり得ることであろうと或は偶然稀有のことであろうと、運転者にはそのような歩行者の通行を妨げないように横断歩道の直前で直ちに一時停止できるような方法と速度で運転する注意義務が要請されるといわざるをえず、もとより右の如き渋滞車両の間隙から突然に飛び出すような歩行者の横断方法が不注意として咎められることのあるのはいうまでもないが、歩行者に責められるべき過失があることを故に、運転者に右注意義務が免ぜられるものでないことは勿論である。
しからば、被告人は本件横断歩道を通過する際に、右側に渋滞して停車していた自動車の間から横断歩道によって突然にでも被告人の進路前方に現われるやもはかり難い歩行者のありうることを思に致して前方左右を注視すると共に、かかる場合に備えて横断歩道の直前において一時停止することができる程度に減速徐行すべき注意義務があることは多言を要しないところであって、原判決がこのような最徐行を義務付けることは過当であるとしたのは、判決に影響を及ぼすこと明らかな根本的且つ重大な事実誤認であって、この点において既に論旨は理由があり原判決は破棄を免れない。

 

東京高裁 昭和42年2月10日

※71条3号は現在の38条1項後段。

道路交通法38条1項に規定する「横断歩道の直前で停止することができるような速度で進行しなければならない。」との注意義務は、急制動等の非常措置をとつてでも横断歩道の手前で停止することさえできる速度であればよいというようなものではなく、不測の事故を惹起するおそれのあるような急制動を講ずるまでもなく安全に停止し得るようあらかじめ十分に減速徐行することをも要するとする趣旨のものであり、したがつて、時速25キロメートルでは11m以上手前で制動すれば横断歩道上の歩行者との衝突が回避し得るからといつて右の速度で進行したことをもつて右の注意義務を尽したことにはならない、と主張する。

(中略)

横断歩道直前で直ちに停止できるような速度に減速する義務は、いわゆる急制動で停止できる限度までの減速でよいという趣旨ではなくもつと安全・確実に停止できるような速度にまで減速すべき義務をいつていることは所論のとおりである。

 

大阪高裁 昭和56年11月24日

啓蒙段階は既にクリアしたのだから、今はJAF調査結果と事故発生について相関性があるかないか疑問視する段階なのよ。
一部メディアが前提条件を変えて調査しただけでも、一時停止率は大きく下がる。
真の一時停止率は別なのよね…

コメント

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