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イエローのセンターラインと、18条3項の関係。

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なんか凄まじい解説を繰り広げる人がいますが、

改正道路交通法で青切符!? 黄色センターラインで自転車を安全に抜く方法
0:00 オープニング 令和8年4月改正道路交通法1:35 自転車は追い越しなのか?2:30 「追い越しを除く」新しく追加される38条第3項3:22 黄色センターラインは一切はみ出せないの?4:48 追い越しのため「道路」の右側はみ出し禁止...

道路左側に駐停車車両がある場合、「道路の左側」は駐停車車両を除いたセンターラインの右側を指すとしている。

 

運転レベル向上委員会もデフよんも、なぜ間違いばかり繰り広げるのか不思議ですが、

(通行区分)
第十七条
4 車両は、道路(歩道等と車道の区別のある道路においては、車道。以下第九節の二までにおいて同じ。)の中央(軌道が道路の側端に寄つて設けられている場合においては当該道路の軌道敷を除いた部分の中央とし、道路標識等による中央線が設けられているときはその中央線の設けられた道路の部分を中央とする。以下同じ。)から左の部分(以下「左側部分」という。)を通行しなければならない。
5 車両は、次の各号に掲げる場合においては、前項の規定にかかわらず、道路の中央から右の部分(以下「右側部分」という。)にその全部又は一部をはみ出して通行することができる。この場合において、車両は、第一号に掲げる場合を除き、そのはみ出し方ができるだけ少なくなるようにしなければならない。
三 当該車両が道路の損壊、道路工事その他の障害のため当該道路の左側部分を通行することができないとき

「道路の中央」とは、センターラインがあるときはセンターラインを中央とすると定義し(17条4項)、駐停車車両は「その他の障害」だから右側にはみ出してもよいとしている(17条5項3号)。
つまり、デフよんが語る内容はデタラメと言える。

 

ところでイエローのセンターラインについてはインターネット上で勘違いがやたら多い。
それについて解説します。

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「追い越しのため」の右側はみ出し禁止

イエローのセンターラインは「追越しのための右側部分はみ出し通行禁止」だから、「追い抜きのため」に右側はみ出し禁止はされてないと語る人が絶えない。

 

これはそもそも誤りで、右側通行してもいい理由は17条5項各号に定めた場合のみ
「追い抜きのために右側通行してもいい」とする規定がないので、追い抜きのために右側はみ出し通行はできません。

5 車両は、次の各号に掲げる場合においては、前項の規定にかかわらず、道路の中央から右の部分(以下「右側部分」という。)にその全部又は一部をはみ出して通行することができる。この場合において、車両は、第一号に掲げる場合を除き、そのはみ出し方ができるだけ少なくなるようにしなければならない。
一 当該道路が一方通行(道路における車両の通行につき一定の方向にする通行が禁止されていることをいう。以下同じ。)となつているとき。
二 当該道路の左側部分の幅員が当該車両の通行のため十分なものでないとき。
三 当該車両が道路の損壊、道路工事その他の障害のため当該道路の左側部分を通行することができないとき。
四 当該道路の左側部分の幅員が六メートルに満たない道路において、他の車両を追い越そうとするとき(当該道路の右側部分を見とおすことができ、かつ、反対の方向からの交通を妨げるおそれがない場合に限るものとし、道路標識等により追越しのため右側部分にはみ出して通行することが禁止されている場合を除く。)。
五 勾こう配の急な道路のまがりかど附近について、道路標識等により通行の方法が指定されている場合において、当該車両が当該指定に従い通行するとき。

ところで勘違いしやすいけど、一方通行道路にも左側・右側は存在する。
しかし5項1号にて「当該道路が一方となつているとき」には右側通行してもいいとしている。
一方通行道路なら道路全体が「左側」になるわけではない。

30条

次に多い勘違いは、30条3項で「特定小型原付と軽車両」を追い越すことは禁止されてないという話をする方々。

(追越しを禁止する場所)
第三十条 車両は、道路標識等により追越しが禁止されている道路の部分及び次に掲げるその他の道路の部分においては、他の車両(特定小型原動機付自転車等を除く。)を追い越すため、進路を変更し、又は前車の側方を通過してはならない。

なぜこの勘違いが起きるかというと、道路交通法と標識令が照応関係にあることを理解してないからなのでして。

 

道路標識と道路標示はどちらも交通規制になりますが、はたしてイエローのセンターラインは「何条の」道路標示なのかという話なのよ。

標識令によると、イエローのセンターラインは17条5項4号の道路標示としている。

種類 番号 標識 意味
追越しのための右側部分はみ出し通行禁止 102 黄色 交通法第十七条第五項第四号の道路標示により、車両が追越しのため右側部分にはみ出して通行することを禁止すること。

30条の道路標示はなく、30条の道路標識はこれ。

種類 番号 標識 意味
追越し禁止

(規制標識)

314の2 交通法第三十条の道路標識により、車両の追越しを禁止すること。
追越し禁止

(補助標識)

508の2 車両の追越しが禁止されることを示すこと。

イエローのセンターラインは17条5項4号の標示だと規定するので、17条5項4号が適用される。

 

要は道路交通法の各条で「道路標識等により」と規定したら、それがどの標識等なのかを明らかにするため、標識令で「交通法◯条の標示」みたいに照応関係を明確にしている。

例えば道路交通法43条には「指定場所での一時停止義務」を定めている。

(指定場所における一時停止)
第四十三条 車両等は、交通整理が行なわれていない交差点又はその手前の直近において、道路標識等により一時停止すべきことが指定されているときは、道路標識等による停止線の直前(道路標識等による停止線が設けられていない場合にあつては、交差点の直前)で一時停止しなければならない。この場合において、当該車両等は、第三十六条第二項の規定に該当する場合のほか、交差道路を通行する車両等の進行妨害をしてはならない。

要は「43条により一時停止しなければならない標識とは何か?」を標識令で規定しないと、横断歩道が一時停止の標示なのか?と疑問が生じてしまう。
何が43条の標識で、標識等があるときに何条の規制が掛かるか明らかにしないと機能しないのよね。

種類 番号 標識 意味
一時停止 (330―A・B) 交通法第四十三条の道路標識により、交通整理が行なわれていない交差点又はその手前の直近において、車両及び路面電車が一時停止すべきことを指定すること。

イエローのセンターラインは「17条5項4号の標示」だと明らかにしてあるので、イエローのセンターラインがあるときには17条5項4号の規制が掛かる。
同号は分かりにくいんだけど、

 

「追い越しのときには右側はみ出ししてもよいが、イエローのセンターがあるときはそれは禁止」という意味になる。
17条4項(左側通行義務)の例外規定(5項)のさらに例外という条文になっていることに注意。

イエローのセンターラインの意味

イエローのセンターラインは昭和46年改正で新設したもの。
元々30条しかなかったところにあえてイエローラインを新設してますが、理由は以下。

もともと車両が追越しをする場合、道路の右側部分にはみ出して行われるもの(甲の態様)と道路の左側部分のみで行われるもの(乙の態様)とがある。

乙の態様の追越しは、甲の態様の追越しに比べて危険度が低いことから昭和46年6月改正以前は、法30条の法定追越し禁止のみで一応十分であると考えられていた。
したがって法30条の規定に基づく公安委員会の追越し規制は、危険度の高い右側部分へのはみ出しによる対向車との衝突を防止することを主たる目的として運用してきた。
特に法17条5項4号の「当該道路の右側部分を見とおすことができ、かつ、反対の方向からの交通を妨げるおそれがない場合に限る。」という右側へのはみ出しの判断を個々の運転者の判断に委ねることが不適当な場合には、あらかじめ法30条の規定に基づく規制として、右側部分へのはみ出し通行することが危険な場所を追越し禁止場所として指定するという運用を行ってきたため、当該禁止場所において、危険度の低い左側部分での追越しをも一律に禁止するという結果になり、実務上においても追越し禁止の標識に「前車が二輪である場合を除く」という補助標識を付置して、実質的には右側部分へのはみ出しのみを禁止する規制が一部府県において行われていた。
右のような矛盾を解消するため昭和46年6月の改正で
○追越しのための右側部分はみ出し通行禁止(法17条5項4号)
○追越し禁止(法30条)
の2つの態様に分けて規定された。

関東管区警察学校教官室 編、「実務に直結した新交通違反措置要領」、立花書房、1987年9月

追い越しには右側通行する「甲の態様」と左側部分で完結する「乙の態様」がある。

そして昭和46年に「はみ出し追い越し禁止」を新設する以前、追い越し禁止規制は主に右側はみ出しを規制する意味で運用していた。
元々右側はみ出し追い越しする場合には、「当該道路の右側部分を見とおすことができ、かつ、反対の方向からの交通を妨げるおそれがない場合に限る」としているけど、運転者がそれを判断することが不適当な道路にて一律右側はみ出し追い越しをさせないために「追い越し禁止」(30条)で規制していた。

 

しかし「追い越し禁止」を使った場合、左側部分で完結する二輪車の追い越しも規制されてしまう。

「甲の態様」を規制したくて30条の標識を立てたら、「乙の態様」まで規制されてしまう。
そこで一部の府県では、「前車が二輪である場合を除く」という補助標識を使いだした。
その結果、本来規制したかった「右側はみ出し追い越し」が容認されてしまう笑。

「前車が二輪である場合を除く」という補助標識を使いだした理由は、道路左側部分で完結する追い越しは規制対象ではないことにしたかった。
しかしその補助標識を使うと、前車がオートバイのときには右側はみ出し追い越しが容認されてしまう。

 

前車が速ければ速いほど右側通行距離が伸びるし、支離滅裂な状態に陥った。
それを解消するために、一律右側はみ出し追い越しをさせないために「右側はみ出し追い越し禁止規制」(17条5項4号)を新設し、あくまでも右側通行させない趣旨だから前車が軽車両だろうと除外しなかったわけでして。

問 法17条4項4号の「はみ出し禁止」は、軽車両を追越す場合にも適用されるのか。

答 適用されます。
法17条4項4号の「はみ出し禁止」は、追越し時における対向車との衝突事故を防止するために、道路の右側部分にはみ出すことを禁止したものです。したがって前車の種類に関係なく適用されます。
これに対して法30条の「追越し禁止」は、追越し行為に伴う危険を防止するため、追越しのための進路変更または前車の側方通過を禁止したものですから、前車が小さく、遅いもので、見とおしにさほど影響を与えない場合には、特に禁止する必要がありません。このことから法30条は前車が軽車両の場合、これを追越し禁止の対象から除外しています(前同質疑回答集9ページ)。

 

東京地方検察庁交通部研究会、最新道路交通法事典、東京法令出版、1974

もちろん「追い抜き」の場合はそもそも右側通行できないことに注意。

警察庁丁規発第4号 令和4年1月28日
警察庁交通局交通規制課長

 

追越しのための右側部分はみ出し通行禁止規制は、「「交通規制基準」の改正について(通達)」(令和3年11月30日付け警察庁丙規発第27号)の別添第12のとおり、見通しのきかないカーブ等の道路構造上危険な区間のほか、交通量が多く、追越しのための右側部分はみ出し通行による交通事故が多発し、又は多発することが予想される区間等で実施することとされている。
当該規制の実施区間においては、車両は自転車を追い越す場合であっても道路の右側部分へはみ出すことが禁止されることから、自転車の車道通行が多い区間において当該規制を実施した場合には、右側部分へのはみ出しを避けるため自転車との接触事故が発生するおそれがあるほか、自転車を追い越すための右側部分へのはみ出し通行による交通事故の発生も懸念される。

https://www.npa.go.jp/laws/notification/koutuu/kisei/kisei20220128.pdf

ところで改正18条3項は、自転車を追い抜きする時に「安全側方間隔を開けろ」ではなく、「安全側方間隔が保てないときは安全な速度にしろ」としている。
要はイエローのセンターラインの場合には、追い越しだろうと追い抜きだろうと右側はみ出し禁止なので、十分な安全側方間隔を取れない場合がある。
だから「安全側方間隔を開けろ」という規定にしてないのよね…

第十八条
3 車両(特定小型原動機付自転車等を除く。)は、当該車両と同一の方向に進行している特定小型原動機付自転車等(歩道又は自転車道を通行しているものを除く。)の右側を通過する場合当該特定小型原動機付自転車等を追い越す場合を除く。)において、当該車両と当該特定小型原動機付自転車等との間に十分な間隔がないときは、当該特定小型原動機付自転車等との間隔に応じた安全な速度で進行しなければならない。

「十分な側方間隔を開けろ」とした場合、イエローのセンターラインの道路では物理的に不可能に陥る。
だからこういう規定にした。

 

ところで、イエローのセンターラインの目的はこうなる。

法17条5項4号の「当該道路の右側部分を見とおすことができ、かつ、反対の方向からの交通を妨げるおそれがない場合に限る。」という右側へのはみ出しの判断を個々の運転者の判断に委ねることが不適当な場合に、予め一律禁止するもの

運転者の判断によらず一律禁止することで対向車との衝突を避ける趣旨。
つまりこの規制を掛けるには、「当該道路の右側部分を見とおすことができ、かつ、反対の方向からの交通を妨げるおそれがない場合に限る。」という右側へのはみ出しの判断を個々の運転者の判断に委ねることが不適当な場合に使うべきである。

 

しかし公安委員会は、わりと雑に何キロもイエローラインを設置してしまう。
このようなカーブがあるなら、運転者の判断によらず予め右側はみ出し通行を禁止にする意味はわかるけど、

直線で見通しがいい場合でも安易にイエローラインを設置してしまう。

本来の趣旨からすれば、イエローのセンターラインは「ここぞ」という場面のみで使うべきなのに、公安委員会の意思決定が面倒になるからか何キロも規制してしまう。
ここに問題があって、だから警察も「見通しがいい」「対向車がいない」「具体的危険を伴わない」場合には、自転車との側方間隔を取るためにイエローのセンターラインを越えても切符切らないことがほとんどなのよ。

 

法の趣旨と運用にズレがあるから仕方ないのよね。

 

ポイント

・道路交通法と標識令は照応関係にあり、その標識等があるときに道路交通法何条を適用するか明らかにしている。
・イエローのセンターラインは「17条5項4号」と規定しているから、「17条5項4号」の規制が掛かる。
・「追い抜きのため」の右側通行はそもそも禁止されている。
・イエローのセンターラインの趣旨は、運転者の判断によらず一律右側通行を禁止することにあるが、運用が雑になっていて直線であっても何キロも渡りイエローラインを設置してしまう。
・改正18条3項が「安全側方間隔」ではなく「安全速度」にしている理由は、イエローのセンターライン等の場合には右側はみ出し禁止されるため、十分な間隔が取れないから。

イエローのセンターラインの立法趣旨や経緯から知らないと、理解しにくいのよね。
そして形式的に違反が成立するから一律切符を切るわけではない。

 

自転車との側方間隔がやたら近いけど低速で追い抜きするのと、十分確認して側方間隔を取るためにやや右側にはみ出しするのはどっちが安全なんだ?という話でもある。

 

そして本来なら不要と思われるイエローのセンターラインもあるから、警察庁は規制を見直しするように通達を出している。
きちんと情報を集めて検討すれば問題点がわかるのに、ろくに調べもせずテキトーな話をするYouTuberが絶えないからおかしくなるのよね。

 


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