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新しい自転車ベル【GENTZ】。危惧していることがありまして。

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ロードバイクにベルを付けるというのは、道路交通法上必須のことです。
と言いながら、実は私も付けていない時期がありました。
走行中に落下して壊れて以来、しばらく付けてなかった時期がありまして、大いに反省すべきことです。
今は、ワイヤーに付けることが出来る、GEAROOPのベルを付けています。

【インプレ】gearoop Circle Clamp Bell。取り付け場所を選ばずに付けることができるベル【PR】
先日のギアループのビッグプーリーに関連してですが、 ちょっと変わったベルがあるということで、サイクリングエクスプレス様よりご提供頂いていました。 使ってみたのでインプレを。 (adsbygoogle = window.adsbygoogle

先日、フェイスブックを見ていたら、バーエンドプラグの代わりとして付けることができる、電子ブザーがクラウドファンディングで出ていることを知りました。
なかなかいいアイディアだと思いますし、一般的なベルと違って電子ブザーにすることで、より注意を引くことが出来るわけで、非常にいい商品だと思ってみてました。

 

ただそれと同時に、勘違いするバカが出ないといいなと思っていたのですが・・



新しいベル GENTZ

製品についてはこちらをご覧ください。

正直、よく出来ていると思います。
ハンドル周りには様々な機器類でベルの設置が難しいという場合や、エアロハンドルで取り付けが難しい場合でも、これならバーエンドに刺すだけですので、ほとんどの人が使えるでしょう。
バーエンドミラーを付けている人でも、反対側の左側に付ければよいし。

 

クラウドファンディングの会場はこちらからです。
https://camp-fire.jp/projects/130090/preview?token=33da0jai

危惧していること

何度も書きますが、コンセプトとしては非常によい商品だと思ってみてました。
ただ、勘違いするバカが出ないといいなとも思ってました。

 

と思っていたら、早速ですが大きな間違いを宣伝しているサイトが出ました。

・交通量の多い通勤など「移動手段」としてロードバイクに乗る
・トレーニングにおいて、人通りのある道を走らざるを得ない
・他のロードレーサーを追い抜かす際に鳴らして接触のリスクを下げる

紳士たる機能美。ロードレーサーのために創られた警音器『GENTZ』【クラウドファンディング※早期割あり】 | 十三峠十三分切り
松木です。   先日の腕時計型LEDウインカー『sig”』に続き、 また面白いアイテムのクラウドファンディングが開始しています。   その名は『GENTZ(ジェンツ)』   「・・・

これはいくらなんでも酷すぎです。

 

何がひどいか、解説しましょう。

ベルを使ってもいい場所、使ってはいけない場所

ベルというのは道路交通法上では、警音器と呼ばれています。
この警音器、道路交通法第54条にて、使ってもいい場所と使ってはいけない場所が明確にされています。

(警音器の使用等)

第五十四条 車両等(自転車以外の軽車両を除く。以下この条において同じ。)の運転者は、次の各号に掲げる場合においては、警音器を鳴らさなければならない。

一 左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上で道路標識等により指定された場所を通行しようとするとき。

二 山地部の道路その他曲折が多い道路について道路標識等により指定された区間における左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上を通行しようとするとき。

2 車両等の運転者は、法令の規定により警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない。ただし、危険を防止するためやむを得ないときは、この限りでない。

つまり、ベルを鳴らしてもいい場所というのは、
・警笛鳴らせの標識がある道路
⇒主に峠道などです。

・警笛区間の標識があり、見通しが悪い交差点、曲がり角、山頂

・その他、危険を防止するためにやむを得ないとき

 

この3パターン以外でベルを鳴らすのは、警音器の使用制限違反に当たりますので、罰則があります。

 

最後の【危険を防止するのにやむを得ないとき】というのは、例えば道路にいきなり人が飛び出てきた場合などです。

 

で、先ほどのサイトの記述に戻ります。

・交通量の多い通勤など「移動手段」としてロードバイクに乗る
・トレーニングにおいて、人通りのある道を走らざるを得ない
・他のロードレーサーを追い抜かす際に鳴らして接触のリスクを下げる

まず、交通量の多い通勤というだけでベルを鳴らすのは違反です。
交通量が多かろうと少なかろうと、ベルを付けるのは法的に要求されているからです。
(といっても、私も付けてなかった時期があるので、非難することはできませんが)

 

次に疑問なのは、

・トレーニングにおいて、人通りのある道を走らざるを得ない

これの意味するところは、人通りが多いからベルを鳴らして注意喚起するという意味だと思います。
これは当然、警音器の使用制限違反になります。
人通りが多いところでトレーニングという意味がわかりませんが、ロードバイクが人通りの多いところでできる注意喚起とは、徐行であったり、降りて押して歩くことです。
人どおりの多いところでトレーニングとか、世も末です。

歩行者に対してベルを鳴らすのは、注意喚起ではなくて単なる威嚇行為です。
この画像、なんで違反行為を堂々とするのか意味が分かりません。

 

次にこちら。

・他のロードレーサーを追い抜かす際に鳴らして接触のリスクを下げる

この方にとっては、接触のリスクを避けるために鳴らした、つまりは危険の防止だと言い張るのかもしれませんが、すぐ後でベル鳴らされたら、普通の考えでは威嚇行為であって、しかも前を走るロードバイクからしたら、急にベル鳴らされたら怖いです。
下手すると、ビックリしてふらつくレベルです。

 

普通に車で走っていて、前の車に近づいたとき、クラクション鳴らします??
クラクション鳴らせば分かると思いますが、それは煽り行為であったり、威嚇行為であったりで揉め事にしかなりません。
前を走る車が893さんであれば、強制停止させられてお説教喰らうでしょう。

 

ロードバイクでも同じですよね。
前のロードバイクに近づいたときに、ベル鳴らします??
なんちゅうことを推奨するんだと、呆れるばかりです。

 

で、私がこのベルを見たときに、いい商品だと思った一方、危惧したことというのは、例えばサイクリングロードを走っていて、前にいる歩行者に対してベルを鳴らすようなことをするヤツが出ないといいなと思ったのです。
これ、ロードバイク側からしたら

ロードバイクが通るので注意喚起しました

と言うでしょう。

 

一方の歩行者からしたら

ロードバイクに威嚇された。
ベルでどけといわれた。

こう思うんですよ。
サイクリングロードは自転車の通行も許可された歩道に過ぎませんから、ロードバイクは交通弱者である歩行者の安全を最優先にしないといけないわけですが、注意喚起として、危険を防止するためにすることはベルを鳴らすのではなくて徐行や停止です。

 

ずいぶん前に、こういうコメントをいただいた事があります。

歩行者に対してベルを鳴らせないというのもおかしい。こちらも減速するけど、向こうにも気がついて欲しいと思う。双方が注意できれば事故も減るのではないでしょうか。ベルを鳴らさなければ「邪魔、どけっ」なら違反にならないのか?と言いたい。

向こうにも気づいて欲しいと言う気持ちはわかりますが、法的には弱者優先ですので、当然ですが自転車が歩行者を守る義務があります。
さらにコメントを頂いたのですが、

私の説明・言葉足らずですね。私の住んでいるところは、歩道が広く一部歩行者と自転車が通行できる区域が多いのです。(一応自転車と歩行者が線で区切られています)
そこはカオス状態で自転車もどちらの方向を向いていてもいいですし、歩行者も然りです。当然自転車と人が同方向に進む場合もあります。

法令では「車両等の運転者は、法令の規定により警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない。ただし、危険を防止するためやむを得ないときは、この限りでない。」とありますが、歩行者の後ろについている時、徐行していても歩行者がいきなり自転車の前に飛び出すこともあります。それを防止するためにベルを鳴らすのもNGなのでしょうか。
一方「前方の自転車や歩行者に進路を譲らせるためにベルを鳴らせば、警音器使用制限違反」とあります。
ベルを鳴らすということが「道をゆずらせるため」という意味合いで違反になるのなら、「言葉」にすれば違反にならないでしょ。という意味合いで「邪魔、どけ」とした次第です。(今読み返すとあまりいいたとえではないですね。しかし「人としてアウト」というのは言い過ぎだと思います)

運転者は「歩行者に後ろから自転車が近づいていることを知らせるためベルを鳴らした」と言うでしょうし、歩行者は「自転車が自分に道をゆずらせるために鳴らした(「邪魔だ、どけ」という意味合いで)」と言うでしょう。

さて、この場合はどちらの意味になるのでしょう。そして誰がどのような基準で判断するのでしょう。

このように警音器についての基準があまりにも曖昧でおかしいと私は思います。
以前免許の更新の講習で、教官が「歩行者にクラクションを鳴らしてはいけないとあるが、向こうが気がついていないと思った時は自分の存在を知らせるために鳴らした方がいい」と言っていたのを覚えています。個人の意見だとしても、理論的にそちらの方が危険を回避できる確率が高いのはわかります。

考えてみればヘッドライトも前は遠目にすると眩しい云々とありましたが、最近は推奨されていますね。これってかなり昔から議論されていましたよね。ベルについても同じではないでしょうか。

自転車のモラルを上げると同時に、歩行者のモラルを上げることも、法律を見直すことも必要であると考えられます。
弱いから優先されるということは当然理解できますが「弱さという名の権利の暴走」になってはいけないと思います。

これ、話がめちゃくちゃなんです。

歩行者に対するベルの使用。ちょっと思ったことを炎上覚悟で書きますが。
結構前に書いた記事ですが、歩道での自転車と歩行者の事故の話がありました。 これについてコメントを頂いたのですが、どうにも私には理解しがたい部分がありまして。 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || [])....

 

運転者は「歩行者に後ろから自転車が近づいていることを知らせるためベルを鳴らした」と言うでしょうし、歩行者は「自転車が自分に道をゆずらせるために鳴らした(「邪魔だ、どけ」という意味合いで)」と言うでしょう。

まず、歩道での話なんでしょうけど、当然正しい理解だと後者です。
それがイヤなら、そもそも歩道を走るなという話でしかないのですが、見知らぬ人に【邪魔、ドケ】ということ自体がありえません。
なんで喧嘩腰で行かないといけないのかもわかりませんし、自転車が歩道を走るなら、歩行者で前に進めないなら後方待機です。
ベルは違反。
どうしても前に出たいなら、【すみません、通してもらっていいですか?】とお願いすべき話でしかありません。
注意して走るなら、最徐行。

 

こういう風に、ベルの使い方について間違った内容を伝えるのは、本当にやめて欲しいです。
ただでさえ、ロードバイク乗りって、乗らない人からするとおかしな連中と思われることがあるわけですが、こういう一部の無法者が歩行者に対してベルを鳴らすことを推奨したり、前のロードバイクを追い越すときにベルを鳴らすことを推奨するのは、完全にアウトでしょう。

いいアイディアな商品ですが

このGENTZについてですが、ハンドルバーが他の機器で満載になっていて、取り付け場所に困っている人にはいい商品だと思います。
バーエンドはあまり使い道がない場所ですし、ブザー形式にしている点でも聞き取りやすいというか、音の認知性も高いでしょう。

 

ただ、私は全く買おうとは思っていません。
理由は二つあるのですが、

 

1、そもそも法律上、使える場所がほとんどない

道路交通法上、警音器を使っていい場所は非常に限られています。
逆に言えば、むしろ使う場所もないということ。

 

ベルとしてみた場合にはそこそこ値段が高いので、私は遠慮します。

 

2、そもそも使うことがないこと

危険を防止するためにベルを鳴らす場合でも、ロードバイクの場合、どうしてもハンドルから片手を離さないとベルでもこのGENTZでも鳴らすことは出来ません。
危険が迫っているときに、イチイチハンドルから手を離して鳴らすのかというと、ノーです。
むしろ急ブレーキに備えて両手はハンドルにあるべきでしょう。

 

ここが車のクラクションとの大きな違いで、車の場合、ブレーキ操作は足です。
なので危険が迫っているときにクラクションを鳴らすことが出来ますが、ロードバイクの場合は鳴らしている暇があったら、大声で危険を知らせてハンドル操作に集中したほうが安全です。

 

1と2を考えていくと、実際には鳴らすこと自体が全くと言っていいほどないのが現状です。
それでも法的にはベルの設置は義務ですので、付けるしかありません。

 

繰り返しますが、このアイディア自体は非常に素晴らしいと思って見ています。
しかしながら、このサイトのように勘違いなのかわざとなのか知りませんが、違反行為を推奨するのは無しでしょうし、おおいに勘違いしてサイクリングロードで歩行者に向けて鳴らすなど間違った行動を取る人が出ないといいなと思ってます。

 

同じく、サイクリングロードでカウベルを付けて注意喚起している人もいます。
カウベルの場合、慣らしているのではなく、勝手になっているという扱いですので違反にはならないでしょうけど、カウベル付けていることだけで歩行者のすぐ横を減速もせずに通過するロードバイクも残念ながらいます。
カウベルで注意喚起し、徐行するのはまた別で安全確保なわけです。
こういう勘違いも好きにはなれません。

 

ベルを付けてないという人は、この商品はアリだと思います。
特にハンドル周りをスッキリさせたい方には。

 

 




コメント

  1. HIRO より:

    この問題についてはむしろ「ベル鳴らして避けさせる」が特にママチャリ乗りの常識と化している現状から何とかしないと、という気がします。ロードで「注意喚起のために鳴らす」な人もこれが根底にあると思うので。
    そもそも「ベル鳴らして“避けさせる”」という考え方自体が感情論排して単なる物理学で考えたら無茶ぶりというか行為強要に等しいんですよね。仮に自転車の時速15km/h(ママチャリでも遅い部類)、相手との距離10m(場所によっては鳴らしても聞こえるか怪しい)としても鳴らしてから(『聞こえてから』ではない。そもそも鳴らした側は相手に聞こえたかどうかを確認する手段がないし多分気にしない)2.5秒で追いついてしまうわけで、結局はその間に避けろと言ってるわけですから。

    この事実を鑑みれば管理人のおっしゃる通り「注意喚起もいいけど、自転車側の自発的な回避や安全確保の努力も重要というか必須」になるのがある意味当然ですよね。

    • roadbikenavi roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      >この問題についてはむしろ「ベル鳴らして避けさせる」が特にママチャリ乗りの常識と化している現状から何とかしないと

      まさにここなんですよね。
      しかしながら、サイクリングロードなどを見ていると、自身のトレーニング最優先みたいな感じで、歩行者がいても減速もせずに駆け抜ける方がいますが、原則としては自転車側が徐行するなどの安全対策義務があるわけで、根本的に日本の自転車マナーは破たんしている気がします。

      しかし、自転車サイトがこのように明確な間違いを宣伝されると、そこそこ影響力もあるサイトでしょうし、より事態は悪化すると思うんです。
      恐らく、取り上げたサイトの管理者は、こういう意識でしかロードに乗ってないからこう考えてしまうんでしょうけど・・・

      製品自体は良さそうですよね。

  2. 道産子サイクリスト より:

    過去の記事にコメントをしてしまい、申し訳ないのですが、俺はこれを見つけた瞬間買いました。
    理由としては、ぶっちゃけベル(警報器)を鳴らすことはほぼないため、通常のベルだと邪魔でしかなかったこと。
    ハンドルがエアロハンドルなため、通常のベルだと見た目があまりにもあんまりになる上、せっかくのエアロ形状に余計な空気抵抗を付けたくなかったこと。
    の大きく二つの理由からでした。
    それらを考えると、ハンドル回りに余計なものも付かず、とてもすっきりした見た目になるので、エアロハンドルじゃなくてもこれはお勧めできる製品でした。
    実際、俺自身ロードに乗るようになってから日は浅いとはいえ、ベルを鳴らしたことがあるのは信号待ちの車の給油口カバーが開いていたことを教えるためと、同じく信号待ちの車が左折禁止なのに左ウィンカーを上げてる時に教えてあげたときだけなので、最低限基準値の音量が鳴るモノならなんでもいいかな、という考えなのもありますけどね。

    • roadbikenavi roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      実際のところおっしゃるように、使う機会がないけど装備しないと違法という無駄な壁に対処するには悪くない選択肢です。
      法律が悪いような気もします。

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