ロードバイクに乗り初めると気になってくるのが軽量化。
どこから軽量化していくのかについては、何を求めるか次第です。
一番体感しやすいのは、タイヤとホイールの軽量化。
これは純粋にペダリングの軽さ、加速性などに直結します。
なのでもし完成車でどこかを弄りたいのであれば、まずはタイヤをいいものに変えて、ホイールもそこそこのものにすることをオススメします。
個人的に次に行うべき計量化は、クランクが体感しやすいかと。
クランクの重量
クランクもデュラエース、アルテ・・・とグレードがあります。
11速用クランクで言うと、以下のような重量差があります。
53-39 | 52-36 | 50-34 | 46-36 | |
デュラ(R9100) | 626g | 624g | 614g | × |
アルテ(R8000) | 690g | 681g | 674g | 668g |
105(R7000) | 757.8g | 742.6g | 713.4g | × |
FC-RS510 | × | ー | 908g | ー |
アルテグラには、46-36Tというクランクもあります。
こう見ると、105でも重く見えてしまいますが、デュラが軽すぎると見たほうがいいでしょうね。
さらに言うと、11速クランクにはFC-RS510というグレード外クランクがあります。
よく、完成車についてくるクランクです。
こちらは50-34Tの重量のみが公開されていますが、タモさんもビックリの908gと重量級クランクです。
もしクランクをFC-RS510からデュラエースに変えた場合、一気に300g近い軽量化になります。
まあ、デュラエースのクランクは高いですが・・・
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シマノクランクの特殊技術
シマノクランクは、グレードが上がると軽量になっていくわけですが、単に軽くなるだけではありません。
特殊な技術を使って軽量化と剛性アップを果たしています。
シマノクランクで用いられる特殊技術は2点。
ホローテック2
これはクランクアームを中空構造にすることで、軽量性を保ちながら剛性を保つ技術です。
中空クランクアームが採用されているのは、105以上のクランク。
それより下のグレードだと、クランクアームの裏側が大きくえぐられていて軽量化されていますが、それだと踏み込んだ際にクランクアームのたわみが大きくなるんですね。
中空構造は、軽量性と剛性を保つわけです。
ホローグライド
ホローグライドはホローテックの中空構造がさらに進み、アウターチェーンリングまで中空構造になっている技術です。
フロント変速の場合、インナー→アウターに持ち上げるとき、チェーンをアウターチェーンリングに押し付けて持ち上げるような動きをしますが、押し当てるアウターチェーンリングの剛性が高いほうがスパッと変速が決まります。
このアウターチェーンリングまで中空構造になるホローグライドは、アルテグラ以上のクランクで採用されています。
105のチェーンリングだと、裏側はビックリするほど肉抜きされていますが、
アルテグラ以上ではこの肉抜きがありません。
肉抜きされてないのに軽い理由は、チェーンリングが中空構造だからですね。
まとめるとこうなります。
中空クランクアーム | 中空アウターチェーンリング | |
デュラ | 〇 | 〇 |
アルテ | 〇 | 〇 |
105 | 〇 | × |
RS510 | × | × |
ちなみになんですが、グラベル用コンポとして登場したGRXシリーズのクランクを見ると、このようになっています。
FC-RX810-2(アルテ相当) | FC-RX600-11(105相当) | FC-RX600-10(10速用) | |
ホローグライド
(アウターチェーンリングの中空構造) |
× | × | × |
ホローテック
(クランクアームの中空構造) |
〇 | × | × |
2ピースクランク
(クランクアームが非中空構造) |
× | 〇 | 〇 |
グラベル用クランクは、アウターチェーンリングも肉抜きが入っているので、中空構造は無理と言うことでしょうか?
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重量もまとめました。
48-31T | 46-30T | シングル | |
FC-RX810-2 | 710g | ー | ー |
FC-RX810-1(シングル) | ー | ー | 42T 656g
40T 644g |
FC-RX600-11(11速用) | ー | 806g | |
FC-RX600-1(11速用シングル) | ー | ー | 40T 743g |
FC-RX600-10(10速用) | ー | 810g |
フロントシングルのクランクも、GRX800系はホローテック(クランクアームが中空)ですが、GRX600は2ピースクランクになってます。
GRX狙っている人はフロントシングル使いたい人も多いでしょうし、そうするとFC-RX810-1が人気になるのでしょうか?
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ちなみにこのフロントシングルのクランク、ロードでもインストールすることはできます。
GRXコンポは、STIとディレーラーの互換性はロード用11速とグラベル用11速でちゃんとあるので、STIがR8000アルテグラで、クランクをシングルにしてという組み合わせでも使えなくはないはず。
まあ、フロント42Tがマックスなので、ロードには向きませんが。
軽さもそうだけど、剛性が効いている感じ
クランクが軽くなるという軽量化の効果も大きいと思いますが、それ以上に走りで重要になっているのは、クランクの剛性がグレードにより上がるという点だと思います。
クランクの剛性が高いと、踏んでもたわみにくいわけで、パワーロスしにくいという特徴がありますね。
また、アウターチェーンリングの剛性が高いほうが、フロント変速もよくなります。
そういうことから、クランクについてはできればアルテグラ以上を選ぶ事がオススメです。
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10速以下の人は
原則として、クランクにも11速用、10速用などの分類があります。
なのでティアグラの人はほかに10速コンポがないので、ティアグラのクランク以外は選びようがありません。
これはクラリスやソラでも同じことが言えますね。
ネット上では、ソラでも105のクランクに替えたけど問題なく使える・・・などという書き込みも見かけます。
フロントは互換性を無視するとチェーン落ちの原因になりかねないので、オススメしません。
なのでクラリス、ソラ、ティアグラの人は、現実問題として選べるクランクがありません。
せいぜい、完成車についていたクランクがFSAなどの廉価品だった場合に、シマノクランクに変えるくらいしかすることがありません。
クランクの軽量化は効果的?
シマノクランクでいうと、グレードが上がるごとに軽くなり、剛性が増します。
個人的な印象では、軽量化よりも剛性アップが効いているから体感しやすいのかなと思うのですが、11速でFC-RS510のような廉価クランクが付いている人は、アルテグラのクランクにすると、結構違いを感じ取れると思います。
105⇒アルテグラだと、差はわかりづらいかもしれません。
クランクってかなり重要なパーツなのに、完成車メーカーは真っ先にケチりたがるパーツです。
シマノのノーグレードクランクのRS510もそうですし、FSAのゴッサマーとかもそう。
クランクにこだわるというのも、走りの違いを感じ取れて面白いところですよ。
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2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
コメント失礼します。
記事の内容についてですが、
「アルテグラには、46-34Tというクランクもあります。」
この文の「46-34T」は「46-36T」の間違いではないでしょうか?
コメントありがとうございます。
その通りです。
ご指摘ありがとうございます。