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【続編5】ケイデンス90理論の崩壊。ロードバイクの科学を読みまして。

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なぜかシリーズ化している、ケイデンス90理論の崩壊。
https://roadbike-navi.xyz/archives/10942

【続編2】ケイデンス90理論の崩壊。ケイデンスは低いほうが乳酸は溜まらない??
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【続編3】ケイデンス90理論の崩壊。読者様よりご意見いただきました。
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【続編4】ケイデンス90理論の崩壊。ワイドギアはケイデンス重視?
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前に読者様からオススメ頂いたロードバイクの科学という書籍を読みました。

ロードバイクの科学

この本は本田技研のエンジニア、藤井氏が著者です。
この書籍ではいろいろと実験データをグラフ化したりしていますが、例えばこんな感じ。
(書籍ではグラフ化されていて数字がハッキリと出てないので、グラフから読み取れる数字で記載します)

 

これは時速33キロで走行時の、ケイデンスと心拍の関係性です。

ケイデンス(rpm) 心拍数(bpm)
60 約154
65 約153
75 約156
95 約157
115 約164

約、と書いてますが、グラフでは何とも言えない微妙な位置にマーキングされていたりするので、だいたいその辺という意味です。
高いケイデンスほど心拍が上がるということは誰でも知っている事実です。

 

心拍数というのは心臓が身体の各部に送り込む酸素の量に比例するので、身体がどれくらいのパワーを消費したのかの1つのバロメーターでもあります。
このデータでは、同じ負荷でも低いケイデンスのほうが心拍数が低い=少ないパワーということが示されていますが、いわゆるペダリングでのトルクが考慮されているわけでもないので、心拍⇒酸素消費量⇒筋肉の負荷、と単純化するのは実は正しくありません。

 

この場合、同じ負荷であるという条件で走っていますので、低いケイデンス=筋肉への負荷、トルクは増しているわけです。

 

著書から引用します。

低いケイデンス=高いギアでいけば合理的なのでしょうか?そうはいきません。実はレースなどで使うケイデンスはもっと高く、90~100くらいを使います。これは、同じパワーでも高いケイデンスのほうがトルクが少なくてすむので、足の筋肉への負荷が低く、筋肉が長持ちするからです。
筋肉の負荷は持久系の運動の場合、ある程度負荷を高い領域(AT領域以上)では、少し下げると大幅に持久時間が伸びる性質があるためだと思います。

引用:ロードバイクの科学

実際のレースでは100くらいを使います。心拍(脈拍)により速度は制限されますが、結果的にこのほうが速く走ることができ、長持ちするからです。
では、低負荷(低速)のときはどうでしょうか?この場合は60~70rpmくらいが快適といえます。負荷が小さいので、ケイデンスを下げても筋肉には余裕があり、心拍が少ないほうが楽だからです。また、心拍数の最少となるケイデンスは、負荷が軽いと下がる傾向にあります。ロングツーリングや低速でまったりと行くときは、無理をして回転を上げる必要はありません。

引用:ロードバイクの科学

この書籍では、低速ではケイデンスが低いほうが快適だとしています。
もう少しいろいろと書きたいところですが、ほぼ本のまる写しになってしまいそうなのでさすがにできません。
気になる方は古本屋で探してみてください。

ここまでの経過を踏まえて

最初の記事では、
https://roadbike-navi.xyz/archives/10942

Pedalling at cadence greater than 90 rpm is advantageous for professional cyclists, but appears inefficient for recreational cyclists

翻訳

90以上のケイデンスはプロのサイクリストには有利ですが、レクリエーションのサイクリスト(アマチュアという意味)には効率が悪い

海外の研究論文の結論はこのようになっています。

 

2番目の記事では、
https://roadbike-navi.xyz/archives/11020

 

GCNでの実験の結果から、同じ速度という拘束条件で、ケイデンスと心拍、酸素摂取量、乳酸値がどのように変わるのかという結果を見ました。

ケイデンス 心拍 酸素摂取量 乳酸
テスト1 100rpm 177bpm 49mkg 2.8mmol
テスト2 90rpm 172bpm 50mkg 1.6mmol
テスト3 60rpm 172bpm 50mkg 1.3mmol

ケイデンスが高いほうが、心拍が上がるというのは当たり前の話として、乳酸値も最も高いのがケイデンス100の状態になっています。

 

そして今回の書籍では、低負荷、閉塞で走る分には、ケイデンス60-70rpmくらいが快適としています。
そのほか読者様から詳細な書きものを頂いているのですが、出展が不明なので出せません(申し訳ありません)。
ただその中でもこれらとほぼ同じことが書かれていました。

 

ちなみになんですが、ここでいう【低速】という表現は、私見ですが、決まった数字ではないと思います。
乗り手にとっての低速、という意味だと思うので、この書籍で紹介した著者の低速は時速33キロになっています。
40キロ巡航出来る方にとっては33キロは低速でしょうし、時速30キロ以下で巡航する人にとっては、33キロはやや速いくらいでしょうから。

ケイデンス90理論とはなんなのか?

私がロードバイクに乗り始めたころは、

いろんな人
いろんな人
ケイデンス90を目安にして、ギアを選択するのがベスト

 

このようにいろんな方から言われました。

 

これを紐解いていくと、やはりアームストロングの高ケイデンス走法に行くのかなという感じがします。
昔は11-23Tなどのスプロケットが当たり前だった時代もありますし、一昔前は、フロントも53-42などという重いギア構成でした。
コンパクトクランク50-34が登場したり、近年ではロード用でも11-34Tなどのスプロケが出てきていることからしても、ギア構成自体も軽くなる方向にきていることは間違いない事実です。

 

これはプロ選手でも軽いギアで登坂するようになったということもえれば、アマチュアのサイクリストでも使いやすいギアを、という目的もあるでしょう。

 

ただ、いろんな実験データやら、論文等見る限り、アマチュアサイクリストではケイデンス90は高すぎるとする者が多い印象でして(レースを除く)、逆にケイデンス90付近が効率的だとするデータを見つけることができませんでした。

 

で、この記事で何を言いたいかですが、これらの実験データが全てでもないけど、こういうデータもあるよ、というところです。
ケイデンス90付近が正しいと思っている方も結構多い印象でして、そこそこメール等で反論を頂いたりしたのですが、データとしてはこのように出ています。
その上でそれが正しいかは、ご自身で試してみてほしいところなわけです。

 

同じ100キロのコースを走るにしても、ケイデンス90のほうが効果的だと感じる人もいるでしょうし、ケイデンス80くらいに下げてみたら筋肉の疲労感が減ったという効果を感じるかもしれないですし、試してみたら逆に疲れただけという場合もあると思います。
私の場合ですが、ここ最近はケイデンス80~85くらいに下げているのですが(以前は90~95くらいでした)、個人的には何度か試してきた印象としてはしっくり来ている感はあります。
年代、レース志向、ロングライド志向、乗り方など様々な要素で人それぞれ変わると思いますので、実験で得られた数字がすべてだとは思いません。
ただ、一度ケイデンスを下げる走法も試していただければ、と思ってます。

 

なんだかんだ、いろんな数字を見せられても、体感しなければ納得しないサイクリストも多いのではないでしょうか?
一番の答えは自分自身だと思うので、いろいろ試して自分なりの答えを出していただければ。

 

ほかにも面白いデータや論文等ご存知の方がいらっしゃいましたら、是非ご提供いただければと思っています。




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