先日買いた記事の続きです。
前の記事でも書いたことですが、
この理論、ホント気持ち悪いなと思ってまして。
この理論を書いている場合、まず間違いなく前提条件がついてます。
同じ空気圧で比較した場合
23cと25cでは、25cのほうが適正空気圧が低いのはよく知られた事実。
なので【同じ空気圧で】という前提が付いた実験結果に、何の意味があるんだ??と前からずっと思ってました。
で、適正空気圧にして比較した転がり抵抗のデータがあるとのことで、教えていただきました。
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バイシクルローリングレジスタンスより
転がり抵抗大手(?)のバイシクルローリングレジスタンスに、そのような実験があるそうです。
これ、先に書いてしまいますが、バイシクルローリングレジスタンスの実験自体に、意味がないと見る向きもあります。
実走と実験室では、路面状況や荷重など違う、というのが一つの理論です。
なので、これが全てだとは思いませんが、このようなデータが出ています。
タイヤ GP5000 タイヤサイズ 23 25 28 32 チューブ ブチル100g ブチル130g タイヤドロップ 3.2mm 3.6mm 3.9mm 4.5mm 空気圧 7.4Bar 6.9Bar 6.2Bar 5.2Bar 転がり抵抗 10.3W 10.7W 10.8W 11.4W Continental Grand Prix 5000 23, 25, 28, 32 mm ComparisonA detailed rolling resistance comparison of the Grand Prix 5000 in the 23-622, 25-622, 28-622, and 32-622 sizes
このデータでは、それぞれのタイヤサイズに応じた適正空気圧を入れて転がり抵抗を見ています。
これだと、23cが最も転がり抵抗が低い。
ちなみに、バイシクルローリングレジスタンスの実験では、全て同じ空気圧にした上での比較もしています。
その結果では、概ね定説となっている、
同じ空気圧であれば、太いほうが転がり抵抗が低い
だいたいこんな結果にはなってます。
ただしよく見てもらうとわかるように、32cタイヤに8.3Bar入れてみたり、23cタイヤに4.1Barしか入れてなかったり、実態とは掛け離れていいるといわざるを得ない。
結局は、何なのか?
太いほうが転がり抵抗が低いよね、というのは、どのタイヤサイズでも同じ空気圧で実験した場合です。
実走でのデータもあるといいのですが、見たことがありません。
で、転がり抵抗の本質は、ヒステリシスロス、つまりはタイヤが変形して変形が戻るまでの熱損失と言われます。
マヴィックのアプリによると、体重70キロ、バイク重量8キロ、クリンチャーの場合、最適空気圧はこのように出てきます。
前提条件 | フロント最適空気圧 | リア最適空気圧 | |
タイヤ幅 | リム幅 | ||
23mm | 15c | 7.6Bar | 7.9Bar |
25mm | 17c | 7Bar | 7.2Bar |
25mm | 17c | 6.7Bar | 6.9Bar |
転がり抵抗自体は、高圧の23cと、やや下げた25cでそれほど違いが出るとも思えないのですが。
で、なんでタイヤ幅が広がっているのかというと、ワイドリムということと、クッション性の問題のほうが大きいのではないでしょうか?
タイヤ幅を広げればエアボリュームが増えるので、クッション性は上がる。
その結果、路面の凹凸で跳ねる感覚も減る。
ワイドリムにより、ホイールの横剛性も上がっている。
ワイドリムとそれに合わせたタイヤ幅で、空力も上がる。
転がり抵抗の話というよりも、クッション性とか剛性とか空力とか、そっちの要素なんじゃないのかなと思うところです。
実態と合わないデータで、太いほうが転がり抵抗が低いという話、どうも気持ち悪いというか。
で、どっちがいいとかの話ではないので、好きなもの、使ってみて気持ちよく走れるものを使うのが一番です。
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