先日、国道15号を川崎から横浜方向へ進んでいるときに、ちょっと思ったのですが。
自転車横断帯の話です。
Contents
横断してる??
国道15号の川崎付近は、片側2,3車線あって、中央分離帯もある。
歩道も広く、歩道の中には普通自転車通行指定されている場所もある(自転車道ではない)。
ちょっと図がイマイチな出来ですが、車道は片側3車線で中央分離帯があり、歩道の中には普通自転車通行指定部分(青)がある。
かつ小道が複数あり、横断歩道がある。
で、ちょっと左側に視線を向けたときに、思ったんですよ。
自転車横断帯がある。
で、中央分離帯がある道路なので、実質的にT字路じゃないですか。
このように走るのって、
横の小道があるけど中央分離帯があるので、実質的なT字路ですが、本線を走っているには【横断】してない??
いや、それを言い出したらT字路を真っ直ぐ進むことは横断ではないのか??
歩道を歩いている人から見れば、小道を横断していることは間違いない。
歩行者が小道を跨いでいくのは、横断で間違いないとして。
車道を走っている分には横断しているわけではなく、本線をただ進んでいるだけ?
十字路であれば話は変わりますが。
こっちは十字路ですが、自転車横断帯があります。
第六十三条の六 自転車は、道路を横断しようとするときは、自転車横断帯がある場所の付近においては、その自転車横断帯によつて道路を横断しなければならない。
このときとっさに思ったのは、
こう思って無理矢理ですが正当化するしかなかったわけです。
とりあえず帰宅後にゆっくり考えようと。
法律を守るなら
横断していないから、と無理矢理ですが正当化しましたが、帰宅後に調べてみるとやっぱり違う。
第六十三条の七 自転車は、前条に規定するもののほか、交差点を通行しようとする場合において、当該交差点又はその付近に自転車横断帯があるときは、第十七条第四項、第三十四条第一項及び第三項並びに第三十五条の二の規定にかかわらず、当該自転車横断帯を進行しなければならない。
T字路だろうと交差点には違いないので、
こんなところでも、自転車横断帯を通行する義務があるという・・・
なので法律を守って走るなら、こうですよw
毎回毎回、自転車横断帯を通行しないと違反。
まあ、こんなの守っているロードバイクがいるとは思いません。
我こそはキッチリ守っているぞという方がいたとしても、ヘぇ・・・くらいにしか思いません。
法律を守るということ
信号とかについては当然のように守りますが、ロードバイクに乗る上で、道路交通法を完璧に守ることは不可能です。
今まで一切の違反行為をしたことがないなんて人がいるとは到底思えない。
まあ、法律を守ると豪語する人にとっては、これくらいは当たり前のように守るのでしょうけど。
こういう規定があるのも、過去に警察が
こんなことを推奨してきた負の遺産です。
年 | 法改正 | 背景 |
S35 | 道交法成立、自転車は車道のみ | |
S45 | 自転車の歩道通行解禁 | 車の交通量増加と事故の多発 |
自転車は歩道へという謎ムードが広がり定着。警察も【自転車は歩道のほうが安全だ!】などと謎の指導を始める(国会議事録にも掲載アリ) | ||
S53 | 自転車横断帯の新設 | 歩道通行が当たり前のような施策 |
H20 | 改正道交法により自転車の歩道通行要件を改訂(13歳未満、70歳以上、標識の有無など) | 歩道での自転車事故の多発 |
歩道での事故が多いので、【やっぱ原則として自転車は車道なんだよ!】と警察庁が広報し出す | ||
H23 | 警察庁が【多くの普通自転車の歩道通行が念頭に置かれている普通自転車通行指定部分の指定がある場合を除き、自歩可の交通規制が実施されている歩道をつなぐ自転車横断帯は撤去すること。 】という指針を発表。 | |
H24 | 自転車ナビマークの出現(警視庁) | |
H25 | 自転車の路側帯通行は左側に限定(路側帯の逆走禁止) | |
H28 | 国土交通省が「自転車ネットワーク計画策定の早期進展」と「安全な自転車通行空間の早期確保」に向けた提言を発表 |
まあ、警察がこんなしょうもないことを取り締まるとは思いませんが、法律を守る人は、これ以外はありえません。
先日も書いたように、自転車横断帯は守る義務がありますが、守ると爆死率が上がります。
直進したいなら、ほぼ100%のロードバイクはこうですよね。
法律を守る走り方だと、当然こうなる。
さすがに見たことが無いですが、本当にこんなプレイをしているロードバイクがいるのだろうか・・・
後続車からみれば先行するロードバイクは左折すると思うでしょうから、左折巻き込みを喰らう恐れアリ。
また対向右折車からも爆撃を喰らう可能性が出てくる。
大変失礼ながら、道交法を厳守しているというロード乗りがいたら、それは本当なのか疑問に思うことも。
このように走っているなら厳守している可能性がありますが。
これってある種の法律の盲点だと思うのですが、63条の6と7に、【車道を通行している場合を除き】などと除外規定を作れば解決しそうな気がします。
いや【車道を除く】とすると、自転車道も車道だから、マズイのかも。
自転車道同士を繋いでいる自転車横断帯。
ただまあ、自転車横断帯が無意味な構造物ともいえなくて、歩道の中の自転車通行指定部分を走っている場合とか、
自転車道と自転車道をつなぐ交差点にはあったほうがいい。
つまりは歩道を走るママチャリさんにとっては、交差点内で歩行者エリアと区分されていたほうが安心。
けどそもそもの話で言うと、自転車は車両なんだから、歩道に追いやった政策が間違っていたとも言えます。
もうママチャリの歩道走行が定着して50年ほど経つわけですが、日本の道路行政の中で最大の失策だったとも言えます。
自転車は歩道を走れ時代の名残りと、やっぱ自転車は車道に行けよ!の板ばさみみたいな謎の構造物になっているわけですが、根本的な解決ではなくその場しのぎの解決をしようとしてきたツケみたいなモンなのかもしれませんね。
前にも書いたように、私自身はロードバイクに乗るときには自転車横断帯を守るつもりはないです。
そもそもの話として、
植木などで見えないので、自転車横断帯が存在することに予め気がつく手段が無い。
国道15号の自転車横断帯についても、
実態として、たまたま左を見て気がついた横断帯については、気がつくと同時に通過しきっちゃったので、最初から知っていない限り気がつくことは不可能。
画像を撮ったのは、さらにその先の横断帯です。
法律上は守る義務がありますが、守ると爆死する恐れがあると思ってます。
けど法律を守ると豪語している人なら、当然守ってしかるべきですね。
そういえば先日紹介した、フランスの自転車レーンの話。
動画、さぞかし走りやすいのかと思って拝見して唖然としてしまいました。公共交通機関とおぼしき連結バスが突っ込んでくるに至っては爆笑です。あそこまで無法状態になっている事情は良くわかりませんが、対面通行ゆえの幅員の広さが自動車の侵入を誘っているようにも思いました。
さすがにフランスでもあれで良しとなっているとは思えませんし、見たところそれなりに市街地っぽいところのようなのでそれなりの理由があってあの形態なのでしょうが、自転車先進地域のヨーロッパであんなことになっているのを見ると、日本があれこれ試行錯誤しているのも無理も無いように思いました。
いやほんと同感で、爆笑レベルなんですよ・・・
自転車レーンに向かってガンガン対向車が入ってくるわけで。
J'espère que des séparateurs physiques arrivent bientôt sur la piste de Boulevard Gambetta. Car là, ce n'est pas possible. Mention spéciale au bus auto école ! @PeS_20e au secours !
Précédente analyse : https://t.co/h6iphXXcRf pic.twitter.com/f2Vhf5UdiU
— Altis ▷ (@AlTi5) February 17, 2021
まあ、こういう構造でも車のドライバーにモラルさえあれば自転車レーンへの進入は防げそうな気もします。
モラルでは到底防げないから、構造を何とかすべきという考えも成り立ちますし、このあたりは国によっても違うでしょうし。
フランス人はいい加減??というわけでもないと思うのですが、自転車レーンを走っていて対向車がバンバン来る状況はどう考えても異常。
けどここの歩道内の自転車通行指定部分についてもそうなんですが、
全てのママチャリが青いペイント部分(普通自転車通行指定部分)を走っているわけでもなかったです。
いわゆる歩道の部分を爆走するママチャリも普通にいる。
行政も試行錯誤している段階なんでしょうけど、生暖かく見守るしかないですね。
けどそろそろ、道路交通法の普通自転車という区分から、スポーツ自転車とかロードバイクを外すほうがいいのかも。
自転車道についてもそうなんですが、
気が付いたときには知らぬ間に通行区分違反になっているので、困るんですよね・・・
法律を守るという人なら、当然予め調べて、こういうミスは犯さないのでしょうけど、普通レベルの注意を払うだけでは到底無理。
正直なところ、自信を持って
とは言えないです。
信号は当然守りますし、横断歩道を渡ろうとする人がいたら停止しますし、救急車やパトカーが緊急走行していれば端に寄せて停止しますし、逆走なんて恐くてしませんが、守りたくても守れないものはあるような。
まあ、世間ではそういう法を犯す行動を、言い訳とも言いますかね。
ついでなので先日気になったこと。
後ろから救急車がサイレン鳴らして迫ってきているのに、一切振り向きもせずに、平然と走っているロードバイクがいました。
自分が大怪我して命に関わるときに、みんな道を譲ってくれなかったらイラっとするというか死んでしまいます。
いつか自分に返ってくると思いますし、そういうところはちゃんとしたほうがいいと思うのですが・・・
まあ、自転車横断帯を守っていない私には、他人の違反についてあーだこーだ言う資格がないのかもしれませんが、あんまり同列には見られたくないのも本音。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
https://law.jablaw.org/rw_cross1
上記リンクにあるようにそういった横断帯は交差点[付近]ではないとする意見もあるようですが、管理人様的にはどう解釈しているのでしょうか?
正直上記リンクも無条件で信用はできない気がしてますが、法解釈的にはあり得なくもないと思っています。
コメントありがとうございます。
どこまでが交差点付近の範囲なのか?というところなんだと思いますが、添付頂いたURLにある【昭和55年東京高裁判決】を検索しましたが見つかりませんでした。
ちょっとこれの内容次第かなと思うので、調べさせてもらってからでもいいでしょうか?
判決の内容を調べる前に書くのもアレなんですが、警察としてはこのように考えているようです。
https://www.police.pref.hyogo.lg.jp/traffic/bicycle/tekkyo/index.htm
これによると、自転車横断帯を【交差点外】と捉えているのかはわかりませんが、交差点付近に含まれることになっています。
一般に高裁は事実審、最高裁は法律審という側面を見ても、高裁判決の内容がそのまま法解釈になるというわけでもありません。
高裁判決の拘束力は特に無いことを鑑みても、法解釈としては警察のほうが正解かなと今のところ考えます。
また自転車横断帯は原則として撤去の方向になっていますが、添付頂いたURLの通りであれば、撤去する必要性も無いと思われますし、法解釈としては警察のほうだろうなとは予想します。
ただしこれもご存知のことと思いますが、車道を走っているロードバイクについて、自転車横断帯通行義務違反は事実上取り締まりされていません。
恐らく歩道を走るママチャリですら、自転車横断帯通行義務違反は取り締まりされていないと思いますが、事実上OK(黙認状態)と法解釈が必ずしも一致していない可能性はあります。
とりあえず、判決内容を見ないことには分からない面もあるので、調べさせてください。
事件番号が分からないと調べようが無いのですが、判例タイムズなどを当たれば何かあるかもしれません。
最高裁判決とそれ以外ではそんな違いがあるのですね
その判例は気になっていましたが、そっち方面の知識はないので諦めていました
何かわかりましたらよろしくお願いします
コメントありがとうございます。
いろいろ調べているのですが、判例はまだ見つかりません。
一つ気になっていることがありまして、法律の条文はこうなってます。
【交差点又はその付近に自転車横断帯があるときは】とあるわけで、
①交差点にある自転車横断帯
②その付近(交差点付近)にある自転車横断帯
これは別物だから【又は】と併記していると捉えるべき話。
リンク先の説明だと、交差点の外は交差点付近ではない、となっているので、そうなると①と②の範囲が同一になっちゃうはずなんですよ。
いろいろ書籍も見てみましたが、リンク先の説明は無理があるように感じます。
後日まとめる予定です。
すいません、続きです。
弁護士さんが使う判例検索システムを使って調べても、S55東京高裁判決が出てこないんですよ・・・
法解釈に重要な判例であれば、普通はヒットするはず。
こちらでいろいろ調べた限りでは、交差点外でも交差点付近であれば通行義務があると見なすものしかなく、リンク先の解説はちょっと無理があるように感じます。