先日の記事について質問を頂きました。
「交通整理の行なわれていない横断歩道」から「横断歩道等(当該車両等が通過する際に信号機の表示する信号又は警察官等の手信号等により当該横断歩道等による歩行者等の横断が禁止されているものを除く。次項において同じ。)」に改正された理由は何か理由があるのでしょうか?
これ、意味としては同じなんですよ。
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意味は変わっていない
◯昭和42年
◯現行法
この改正は昭和46年です。
当時は自転車横断帯がないので「横断歩道等」ではありませんが。
「交通整理の行なわれていない横断歩道」と「横断歩道(当該車両等が通過する際に信号機の表示する信号又は警察官等の手信号等により当該横断歩道等による歩行者等の横断が禁止されているものを除く)」は、意味としては同じなんですよ。
分かりにくいけど。
「交通整理の行なわれていない横断歩道」というのは、車両等からみて、その車両等が通過するときに歩行者が通行できるようになっている横断歩道のことである。信号機の信号または手信号等によって、その車両等が通過するときには、歩行者の通行が禁止され、歩行者が通行するときは、その車両等の通過が禁止されている場合は、「交通整理が行われている横断歩道」の場合あって、今回の改正によるこれらの規定の適用がない。したがって、信号機の設けられていない(もちろん警察官の手信号等も行われていない)横断歩道の場合はすべて「交通整理の行なわれていない横断歩道」ということになるが、信号機が設けられていても車両等が左折または右折するときに、歩行者が通行できるようになっている横断歩道を通過する場合には、「交通整理の行なわれていない横断歩道」として今回の改正によるこれらの規定の適用があるのである。(注3)
(注3)この場合には、交差点そのものは「交通整理の行われている交差点」になるのであるが(第35条、第36条等)、横断歩道は、左折または右折する車両等からみた場合は、「交通整理の行われていない横断歩道」になるのである。
警察学論集、浅野信二郎(警察庁交通企画課)、立花書房、1967年12月
なので単に分かりにくいものから表現を変えただけです。
交通整理が行われている交差点だけど、右左折する車両の先にある横断歩道は「交通整理が行われていない横断歩道」になるなんてトンチ合戦みたいな条文ですから笑。
このような状況について、昭和42年に38条2項を新設したときから義務の対象。
だけど誤解を招くから昭和46年に変更です。
中身は変わってません。
基本的に分かりにくい
法律って基本的に、道路交通法に限らず分かりにくいものです。
分かりにくいものを分かりやすく変えていく必要があると思うのですが、令和4年改正で「特定小型原動機付自転車」まで登場したのでなおさら混乱する可能性があります。
令和4年改正によると、今まで「軽車両」と書いてあったところについて、「特定小型原動機付自転車等」に置き換えられてます。
なおさら混乱するかと。
相変わらず「歩道逆走」を違反扱いする人はいるし、違反だから反対側に行けと注意するYouTuberまで現れるし。
どちらの国の道路交通法の話なのやら。
とりあえず前回記事の話。
対向車の一時停止について38条2項の対象にしてない理由は、単にその時代、そのように決めたからという理由しか無さそうです。
2項と3項って本質的には同じような概念で、先行車が停止しているか動いているかの違いみたいなもの。
これ、自転車も適用されるルールなので、先行車が横断歩道前で停止していたら、自転車も一時停止義務があります。
知らん顔して左側からすり抜けすると危険なので、自転車も知らないとまずいルール。
あと、対向車の一時停止については38条2項の対象外ですが、この手の事故、判例ではまあまあ見かけます。
このような状況の場合、事実上徐行や一時停止して確認しないといけない。
自転車には横断歩道の優先権はないにせよ、だからといって事故を起こしてもいいわけではない。
たぶんですが、「対向車が横断歩道前に停止している場合には徐行」みたいな明文規定を置いたほうが良さそうな気もしますが、ただでさえ分かりにくい法律なので1項の義務を果たせば問題ないというスタンスなのかもしれません。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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