福山市の国道2号に「暫定的歩道の中の自転車レーン」が誕生したみたい。
~国・警察・県・市で合同のマナー啓発活動を実施しました~
福山市役所前の #国道2号 において、歩道の通行形態が変わりました。9月20日に当所で整備している #自転車走行空間 における #自転車 の安全利用について呼びかけを行いました。
ルールを守って快適な自転車通行をお願いします!! pic.twitter.com/fyHBW5RRqU— 国土交通省福山河川国道事務所 (@mlit_fukuyama) September 21, 2022
「自転車走行空間」と称しています。
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自転車走行空間
歩道の中を縁石で区切った形になっていますが、こちらの画像にもあるように、何かの道路標識が隠されています。
~国・警察・県・市で合同のマナー啓発活動を実施しました~
福山市役所前の #国道2号 において、歩道の通行形態が変わりました。9月20日に当所で整備している #自転車走行空間 における #自転車 の安全利用について呼びかけを行いました。
ルールを守って快適な自転車通行をお願いします!! pic.twitter.com/fyHBW5RRqU— 国土交通省福山河川国道事務所 (@mlit_fukuyama) September 21, 2022
なんじゃこりゃ?と思いますが、プレスリリースによるとこうなっています。
令和4年7月19日に、福山市役所前の国道2号において、自転車走行空間(将来、自転車道として完成する区間)の整備により、歩道の通行形態が変わりました。
https://www.cgr.mlit.go.jp/fukuyama/press/R04/R040908/kisya_220908.pdf
総延長距離4キロに渡って自転車道(交通法2条1項3号の3)を作る予定のうち、たった200m完成しただけ。
自転車道と言える段階ではないという判断なのか、今時点では「歩道の中の自転車レーン」という曖昧な立ち位置にしているのかと。
自転車道となると、普通自転車は車道を通行することが違反になります。
第六十三条の三 車体の大きさ及び構造が内閣府令で定める基準に適合する自転車で、他の車両を牽けん引していないもの(以下この節において「普通自転車」という。)は、自転車道が設けられている道路においては、自転車道以外の車道を横断する場合及び道路の状況その他の事情によりやむを得ない場合を除き、自転車道を通行しなければならない。
自転車道の定義はこちら。
自転車道は道路標識が必須要件ではないのですが、確かにたった200m完成しただけで自転車道だと言われてしまうと、むしろ混乱を招く危険性があります。
車道通行自転車がイチイチ歩道に上がり自転車道を200mだけ通行した後に車道に戻ることになり、リスキーですし。
まあ、歩道をだいぶ削ってますが、車椅子同士のすれ違いとかちょっと大変そうに見えるのは気のせいだといいな。
ちなみに「普通自転車通行指定部分」は白線で区切る必要があるため、普通自転車通行指定部分にもなりません。
しかも自歩道の標識が「ここまで」になっているので、現状では歩道ですらないという矛盾しかありませんが、だから「自転車走行空間」などという曖昧な言い方をするのでしょう。
自転車道の法的矛盾
記事の順番が逆転しちゃうので、詳しくは同じ内容が後日アップされますが、自転車道は法律上の矛盾があるので、「歩道の中の自転車レーン」扱いのままのほうがメリットがあると考えています。
まず、自転車道は車道なので、6歳未満の自転車は通行禁止です。
6歳未満の自転車は、道路交通法では「歩行補助車等(小児用の車)」として歩行者になるため(2条3項1号)、自転車道を通行すると通行区分違反になる。

仮に事故が起きた場合には、歩行者なのに車道を通行させたとして保護者の監督責任が大きくなるだけ。
こんな狭いところを対面通行させるのは大人でも怖いわ。
事実上低速を強いられる対面自転車道は、逆走自転車が来たら逃げ場すらないし。

自転車道の中で逆走自転車と衝突した場合、過失割合も50:50が基本線。

誰得なのかさっぱりわからない。
自転車道にすると「通行義務」が発生しますが、歩道の中の自転車レーン扱いなら通行義務はないので、そっちのほうがメリットは大きいようにすら思えますが、私は自転車道がある道路は「迂回して違う道路から進行」します。
こんなリスキーなところは走れません。
ところで、近年の自転車用ライトはやたら高輝度のものが増えてますが、残念ながら「ハイビーム」状態になっているサイクリストもいます。
夜間のサイクリングロードで、高輝度自転車用ライトのハイビームを喰らうと爆死することはよく知られていますが、明確な基準もないので、事実上サイクリストのモラルに委ねた運用です。

今回出来たような「今後自転車道になる予定の歩道の中の自転車レーン」で対向自転車から高輝度ハイビームアタックされたら、視界がぶっ飛んで制御不能に陥った自転車と重大事故の懸念すらあるわけ。
だから自転車ライトについては、都道府県公安委員会規則ではなく国法できちんとすべきなんですがね。
こんな光をこの「歩道の中の自転車レーン」で喰らったら、爆死することは容易に予見可能。
ハイビームによって対向車が制御不能に陥ると、普通に事故の責任を問われるので何とかして欲しいけど、ママチャリも光軸調整してないハイビームマンがいるので要注意です。

ちなみに今回これを書いた理由はいろいろあるのですが、あえて理由は書きませんw
視野が狭い人がグダグダ騒ぐのもいい加減にしろと思う面もありますが、まあ、構造だけ考えるような人にはそれ以外の問題は見えないのでしょう。
ちなみにですが、ほとんどの自転車はいまだに歩道を通行するわけで、その意味では歩道の中で歩行者エリアと自転車エリアを構造物で区切った点については評価しています。
歩行者の権利と安全が、今まで自転車によって激しく侵害されてきたのは事実ですから。

2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
自転車レーンとかナビラインの矢印とか大半が税金の無駄ですよね。
自動車免許を持っている人でも自転車や軽車両の法を理解していないのが根本的に問題だと思います。しかし、その事は無視して無駄な公共事業で外から見える形を作り成果をアピールする。
もしかしたら、業者からキックバックとかもあるんですかね?組織票を入れてもらったお礼に公共事業をまわすとか?
コメントありがとうございます。
さすがにキックバックは違法になるので無いとは思いますが、「何か作った感」「仕事してます感」を発揮する程度の話なんじゃないですかね。
自転車の安全を考えてます!と言い張る根拠にはなりますから。