これの話ね。
ヘルメットを着用しているサイクリストは、ヘルメットを着用していないサイクリストに比べて人間的ではないと認識され、一方、安全ベストを着用しヘルメットを着用していないサイクリストは、最も人間的ではないと認識されました。
Cyclists wearing helmets seen as "less human" than those without, researchers findOf those surveyed, 30 per cent said they considered cyclists as less than fully human
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手法が適切なのか?
そもそもこの試験。
・オーストラリアで行われ、回答者の72%が少なくとも毎週自転車に乗っていた(オーストラリアでは毎週自転車に乗るのは人口のわずか12%)。
・オーストラリアは自転車ヘルメットが義務付けされていて罰則もある。
実験背景、サンプル、実験手法などだいぶ偏りがあって、しかも強制選択で「イーブン」という選択はできない。
563 人の回答者が調査に回答しました。合計 836 人の有資格回答者が調査に同意して調査を開始しましたが、40 人の回答者が最初の練習問題から先に進めず、233 人の回答者が強制比較セクション中に脱落しました。
ScienceDirect
強制比較セクション中に脱落した233人がまともな可能性すら疑われる謎実験。
人間の画像を見せられて「どちらが人間らしくないと感じるか?」というムチャぶりに回答できなかった人が一番まともなんじゃないかとすら思いますが、仮に回答したとしても「そりゃそうなっても何ら不思議はないわ」というだけの結果です。
そもそも
海外での反応を見ても、この試験の手法自体を疑問視する声も見られますが、この手の論文については調査手法自体が適切なのか?から見ないと価値を見誤りするだけなんじゃないかとすら思います。
以前、傘さし自転車とカッパ着用の自転車、どっちが「安全」か?という論文がありましたが、
安全性の中でも「後方安全確認」にフォーカスした実験。
雨天時に自転車に乗る上での安全性要素はいくつもありますが、「後方安全確認」のみにフォーカスしたらそうなったというだけの話について、「安全か?」に結びつけるのも無理筋感しかありませんが、この手の調査結果をみるときは調査手法が適切なのか?から見ないといろいろ間違ってしまうと思う。
まあ、何でも無理矢理結びつけたい勢がいるのも考えモノとしか言えないけど。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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