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自転車に青切符がなかった理由は、本人確認の問題?

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自転車の交通違反に対し青切符を導入する動きが出ていますが、

 

警察庁が自転車に対する反則金導入を本格的に検討へ。
2年くらい前にも、自転車の交通違反に対する少額違反金制度の導入が有識者会議で提言されてましたが、 やはりここに来て、自転車の反則金導入に向かうらしい。 警察庁は3日、自転車の交通違反に新たに反則金を科す制度の導入を検討すると発表した。交通ル...

 

一定数見かける謎の意見がありまして。

読者様
読者様
自転車に青切符がなかったのは、非免許制で本人確認する方法がないからだ!

あんまり関係ないと思いますよ…

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赤切符でも本人確認は必要ですが

現行法では自転車の違反については赤切符ですが、例えば信号無視自転車を現認して赤切符を切ろうとしますよね。

 

その際、被疑者が身分証を持っていなかったら、赤切符を切るのを取り止めにする…とでも?

 

赤切符だろうと青切符だろうと本人確認は必要。
そもそも、交通違反は犯罪なのに逮捕されない理由は、これ。

(身柄拘束に関する注意)
第二百十九条 交通法令違反事件の捜査を行うに当たつては、事案の特性にかんがみ、犯罪事実を現認した場合であつても、逃亡その他の特別の事情がある場合のほか、被疑者の逮捕を行わないようにしなければならない

犯罪捜査規範219条の問題から、逃亡のおそれがない限り逮捕しないようにしなければならない。
逮捕って身柄拘束なので、逮捕の必要がないのに逮捕すると違法になり国家賠償請求の対象になります。

 

理屈の上では、青切符だろうと赤切符だろうと、本人確認できないなら逃亡のおそれありということで身柄拘束しても問題はありませんが、赤切符だろうと本人確認が必要なのは明らか。

 

自転車に青切符がない理由として「非免許制で本人確認ガー!」というのは、そもそも論理として成り立ってないと思います。
赤切符も本人確認出来なきゃ切れないのですから…

 

以前も書いたけど、昭和30年頃は自転車の違反でも普通に赤切符から起訴してます。
2人乗りで有罪にした判例とか、

 

昭和30年代は、自転車2人乗りで「有罪」。
自転車の「悪質な」違反に対して警視庁は赤切符運用を始めましたが、今まで自転車の違反なんて注意止まりがせいぜい。 赤切符でも98~99%は不起訴なんですが。 でも昭和30年代、チャリ2人乗りでガッツリと有罪にしていたりします。 チャリ2人乗り...

 

無灯火が故意なのか過失なのか高裁まで争った判例とか(当時の道路交通取締法には過失犯の処罰規定がなかったため)。

 

自転車の無灯火は犯罪なのか高裁まで争う。
ちょっと前に自転車の2人乗りで有罪にした判例を紹介しましたが、 同様の判例は名古屋高裁金沢支部 昭和34年10月20日判決にもあります。 (罪となるべき事実) 被告人は昭和34年4月10日午後2時20分頃敦賀市松島百三十字松原地先道路におい...

 

これらをイチイチ「逮捕」していたとは到底考えられず、しかもまだクルマの反則金制度がなかった時代。
クルマの反則金制度がなかった時代には、クルマも自転車も赤切符で検挙していたわけで、免許制であるか否かなんて関係ないのよ。
どちらにせよ何らかの形で本人確認は必要なのだから。

 

ところで、昭和20年代に不思議な判例があります。
広島高裁松江支部 昭和25年8月30日判決です。

 

事件の概要は「自転車の無灯火」なのですが、無灯火の自転車のペダルに片足をかけ、地面を三回蹴って約5m前進した行為が、自転車の無灯火通行に該当するかを争っています。

 

一審は有罪判決のようですが、広島高裁松江支部は原判決を破棄して無罪に。

 

何が不思議かっていうと、今の時代に同じことをしたとして赤切符を切ろうとする警察官はいないでしょ笑。
なんか暇な争いが多いような気がするのが、昭和20年~30年頃。

 

もちろん、当時も逮捕していたとは到底考えられず、何らかの方法で本人確認して事情聴取して起訴していたわけでしょ。

 

赤切符であっても本人確認は必要なのだから、青切符がなかった理由として「非免許制で本人確認ガー!」というのは関係ないのよ。

 

ちなみに同じく自転車のケンケン乗りについて、広島高裁岡山支部 昭和27年2月19日判決は「運転」に該当するとしたものがあります。
いったい何を争っているのやら笑。

本人確認できない場合

仮に身分証がなく本人確認できない場合、本人が自供した名前や住所について、防犯登録や家族への確認などから整合性を取るだけ。
間違ってもデタラメな名前や住所を語ると、大変まずいことになる。

 

無意味に名前や住所を黙秘するなら、タイーホ案件になるだけです。

 

けど、片足ケンケンで5m前進した行為について「無灯火通行」として起訴するくらいなので、昭和20年代ってある意味凄いなと。

 

なお、非免許制の特定小型原付も青切符だけど、普通に本人確認して運用しているようだし、何ら問題ない。

 

まあ、自転車への青切符導入で何かが大きく変わるとは正直なところ思っていませんが、赤切符に比べ現場で処理するのに要する時間が半減するとの話もあるので、警察官が違反処理するための効率が上がることは期待できそうです。
そもそも自転車の違反を取締っている現場なんてほとんど見かけませんが。

 

「自転車に青切符がなかったのは、非免許制で本人確認が困難だからだ」という前提を立てて、その前提の下で「自転車に免許制を導入したら新たな利権ガー!」などと語り始める人がいたりしますが、そもそもの前提がおかしいならその後の主張すら無意味になるような。

 

でも「利権説」が好きな人っていますよね。
「自転車ヘルメットの努力義務化は警察の新たな利権」みたいな珍説すらありましたが、

 

ヘルメット→警察利権まで考える。
なかなか凄いよね。 交通行政はそもそも警察の巨大利権である。運転免許証の更新や交通標識の設置などに投入される巨額予算は警察に群がる業者を潤わせ、警察官の天下り先を拡大させている。 自転車用ヘルメットの義務化も、実際に着用する人が少ないとして...

 

利権がどうのこうのと主張する人って、議論の前提が間違っていることをよく見かけるので、個人的には「痛い人」くらいにしか見てないのね。
赤切符でも青切符でも本人確認が必要なのに、「自転車に青切符がなかった理由は本人確認が困難だからだ」と主張されても、ハテナしかない。


コメント

  1. マイクロシフト より:

    新しいことを始めるほとんどの場合、何らかの道具が必要になるのは必然なので、何でもかんでも利権リケーン言うのは私も好きじゃないですね。

    そういった主張をしたいなら、最低限法案を提出した議員と業界団体のつながりを明らかにしてから、と思います。

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      特定小型原付も利権説が根強いですよね笑。

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