ちょっと前に「自転車と幅寄せガー!」というネタが炎上していた気がしますが、幅寄せでもホッコリするタイプの幅寄せがあるなんて、知りませんでした笑。
今朝の幅寄せココちゃん pic.twitter.com/jpSX5wTfAq
— ハルくん (@9Z8lquSv8B3FMpN) October 14, 2023
ムギューっと。
いやはや、最近ちょっと疲れ気味で視野が狭くなっていたのかも。
ところで
いろんな人がいるんだなと思いますが、
「一歩先を読む」のなら、こんな見通しが悪いところで追い越ししないけどな…
イエローラインは置いといても、白線だった場合の注意義務くらいしようよと…
一歩先を読めなかったバスの不手際について、自転車が一歩先を読めば済むという理屈が凄まじすぎて、さっきから屁が止まらなくてね。
ちなみにですが、バスがグイっと追い越ししたら瞬間的にバスに視線が行くのは当たり前の原理なので「対向車が迫っているのが映像で見えるだろ!」は無理強い。
けど、一歩先を読めずに追い越しを開始したツケを、被追い越し車両の責任に転嫁する人がまあまあ多い現実を見るに、世間の謎評価って怖いですね。
歩道にジャンプするという人すらいましたが、
マンガの読みすぎとしか思えない。
でも記憶によると、修行すれば空中浮遊できるはずなので頑張るしかないのか。
ところで。
この件についてやたらとこれを引用して「自転車にも追いつかれた車両の義務ガー!」という人がいてビックリしますが、
ちゃんと読んでいるのかすこぶる怪しいなと思ってしまう。
追いつかれた車両が進路を譲る義務を負うのは、道路の左側部分に進路を譲る余地があることが前提であり、何らかの障害によって道路の左側端に寄ることができない場合には、本件外側線の幅約20cmを含めても80cmしかなく、本件路側帯の幅員から本件外側線の幅(約20cm)及び本件外側線の外側(左側)から本件段差までの幅(約15㎝)を除くと、側溝の縁の部分を含めて約45cmの幅しかないことを考慮すると、本件路側帯は自転車の走行には適さない状況であったと認められる。第1審原告は、前記1認定のとおり、被告車の接近に気付いて本件外側線上まで原告車を寄せており、さらに本来自転車の走行には適さない本件路側帯に進入することにより、被告車に進路を譲る義務を果たしているといえる。また、本件事故現場(上り勾配で、しかも緩やかに左にカーブしており、本件路側帯は本来自転車の走行には適さない状況であった)及び自転車は減速するとふらつく危険性があることなどを考慮すると、本件事故現場付近において、原告車が被告車に進路を譲るため、安全に一時停止することは困難であったと認められる。したがって第1審原告が、道交法27条2項に基づく避譲義務の一環として一時停止義務を負うとは認められない。
名古屋地裁 令和元年8月2日
路側帯と路肩の違いはあるにせよ、この判例を引用して当該事案に当てはめたら、「十分譲っていたし、一時停止義務を負わない」になるのですが、中身を無視して「自転車も追いつかれた車両の義務ガー」と語り出す方々の心理はよくわからない。
ちなみにこの判例、後に続く文言は「主の原因は無理な追い抜き」みたいに書いてあります。
詳しく知りたい方は探して読んでください。
自転車に10%の過失をつけた理由は、「路側帯の中で自転車が操作ミスをした可能性が否定できないから」ですが、複数名が連なり自転車に乗っていて、先頭の一名だけが事故った点からも類推した面があると思われます。
しかしながら
これを見て「自転車が悪い」と思う人がまあまあいる様子を見ると、道路交通法の教育は残念ながら失敗に終わったとしか言えない。
けど面倒な争いは置いといて、冒頭の「幅寄せ」でホッコリしたほうが良さそうだよね笑。
ちなみに「自転車のブレーキが遅れた説」については、そもそも接触回避したのだから問題にすべきとは思わないことと、「対向車が映像で見えるだろ説」にしてもそれは当事者目線じゃないから言えることだと思いますよ。
バスがグイっと追い越ししたら、一瞬そちらに視線が行くのは当たり前の原理でしかないので。
プロの名捕手は左目でバッターを見ながら右目でボールを見るらしいけど、そこまで高度な技術を習得することは難しいわけで、結局は17条5項4号注意書きにある、
これをきちんとしたほうが早いんじゃないかと。
ちなみにですが、しばらくの間バスが後方待機して追い越しを控えていたら、譲るポイントを探す自転車はまあまあいると思いますよ。
譲る余地がないタイミングで譲れと言われてもできることはないけど、譲る余地があるポイントになれば譲る自転車はいるでしょう。
YouTuberって不思議な見解を述べる人が多いのかな?と思ってしまいましたが、見りゃわかるようにバスがわざと幅寄せしたなんて考えている人は誰もいない。
イエローラインについても、せめて白線だった場合の注意義務を守ろうよというだけの話だと思いますが…
バスの失敗のツケを、自転車に負わせる。
原因行為にアプローチすれば簡単なのに、自転車には左目で対向車、右目で追い越しバスを見る高度な技術を求めたり、しまいには空中浮遊して歩道に上がる高度なテクニックを求めたり…
修行すればできるようになるのかな。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
あれを「紳士の行い」だと平気で動画にして、反対意見は全否定。彼の紳士の概念なのでしょう。
あとから来る人のために開けたドアを支えたりするどころか、割り込んでドアを閉めるような行為が紳士的に見えるのでしょう。
侵略戦争を仕掛けたのに、反撃されたらテロと非難するロシアの指導者も紳士ですね。
知り合いに居なくてよかったです。
コメントありがとうございます。
この国にはアンリトンルールがあるのではないか?と最近疑ってます。
法律を越えた何かが…
野球でなら、対戦相手に敬意を払って、ミスやケガに付け込んでプレーしない。卑怯なまねしない。
紳士は正々堂々と対等なルールと状態で戦うこと!みたいな。
しかし、紳士曰く
自転車は邪魔だから許せないので、どんな卑怯な手を使ってでも意地で前に出なければならない。
抜かれて悪いのは遅い自転車である。
紳士には程遠いですね。
こんな紳士に遭わないことを願います。
コメントありがとうございます。
なぜ歩道を横切る際の一時停止義務(17条2項)などはテキトーになり、まあまあどうでもいい追いつかれた車両の義務に夢中になるのかも意味不明なんですよね。
しかもかなり脚色された追いつかれた車両の義務になり、もはや地球から滅亡することを求めているような…
恐らくですが、「負けたくない」との闘争心からではないかと。
道路では闘争心より協調して仲良くしてほしい。
坂道でバスの進行妨害をわざとするロード乗りは居ないです。
勝負になりませんから。
コメントありがとうございます。
>坂道でバスの進行妨害をわざとするロード乗りは居ないです
その通りですね。
ちなみに昭和35年以前の道路交通取締法では、追い越しする車両はクラクションか掛け声で先行車両に合図する義務がありました。
しかも合図を受けて左側端に寄ったことを確認してから追い越ししないと違反になるルールでしたが、個人的にはある意味興味深いルールだなと思ってます。
両者に合意がないと追い越しできなかったわけで…
平坦でならポガチャルやビンゲゴーならバスの進行妨害はできそうですけど、坂道ではワウトのスタミナお化けでも無理でしょう(笑)
追い越しの話し、昔はおおらかだったんですかね~
仲良く楽しくサイクリングしたいだけだから、いじめないで欲しいです。
いつもためになるお話をありがとうございます。
これからも楽しみにしてます!
ありがとうございます。