本題に入る前に。
モペット走行中にハンドルポストが折れる事故があり、製品の欠陥が起因だとして提訴するらしい。
女性側の代理人弁護士によると、女性が21年6月、東京都内の勤務先の敷地内でバッテリー走行(時速20~26キロ)していたところ、ハンドルと本体をつなぐ「ハンドルポスト」の根元部分が折れた。女性はハンドルを持ったまま転倒し、顔や左手首の骨を折るなどの重傷を負ったという。
女性は地元の消費者センターに事故を報告。国民生活センターが同11月に作成した報告書は「ハンドルポストが長く、減速時の荷重で根元に大きな力がかかりやすい構造だった」とした上で、根元部分が折れた原因は、繰り返し力がかけられたことによる「疲労破壊」だったと分析した。
代理人は「女性は取扱説明書の記載に違反することなくバイクに乗っていた」としており、「体勢を支えるはずのハンドルポストが壊れており、通常有すべき安全性を欠いていたのは明らかだ」と主張。バイクには製造物責任法上の欠陥があったと訴えるという。
「モペット」のハンドル根元が折れて転倒、顔面骨折した女性が製造販売元に損害賠償請求へ【読売新聞】 電動のペダル付きバイクで走行中、ハンドルと本体をつなぐ部品が折れて転倒し、顔面骨折などのケガを負ったとして、50歳代の女性が近く、バイクの製造・販売会社「グラフィット」(和歌山市)を相手取り、製造物責任法に基づいて約2
画像を見ると、ハンドルポストの根元がポッキリと折れてますね。
ブレーキングする度に前荷重が掛かり、金属疲労から折れたとしても、元々の強度が不足していたと主張するのでしょうか?
では本題に。
44.1%は「特定小型原付は普及して欲しくない」
電動モビリティ大手の「グラフィット」が、特定小型原付についてのアンケート結果を公表しています。
以下、引用する数字は「glafit調べ」。
リンク先から引用します。
特定小型原付って「キックボードタイプありき」で始まった側面があるので、特定小型原付=電動キックボードと捉える人が多いですが、特定小型原付はキックボードタイプのみではなく着座型もあります。
今後特定小型原付の主流は着座型になるだろうと以前から書いてますが、
シェアリング利用時に電動キックボードと自転車タイプ(着座型)を選べる場合、63.5%が自転車タイプ(着座型)を選択
【glafit調査レポート】 特定小型原動機付自転車の認知率は30.2% シェアリング利用時に立ち乗り型キックボードタイプと着座型自転車タイプを選べる場合、63.5%が着座型自転車タイプを選択 | glafit公式|公道走行可能な電動バイク・電動キックボードメーカー2023年7月1日の道路交通法の改正により、特定原付が新設されました。都内ではシェアリングで電動キックボードの走行を見かけるようになりましたが、どれだけの人が特定原付を利用しているか等を調査しました。 電動パーソナルモビ
キックボードタイプは小回りは効くし、持ち運びありきならキックボードタイプのほうがメリットが大きい。
しかし着座型を選ぶ人のほうがやはり多いよね。
着座型の場合に、電動アシスト自転車の劣化版みたいなもんと評価する人もそれなりにいますが…
で、本題。
特定原付の普及には、特定原付のシェアリングステーション数の増加や手軽に購入できることの他に、 走行レーンなどの整備が必要だと感じでいる人が41.8%
【glafit調査レポート】 特定小型原動機付自転車の認知率は30.2% シェアリング利用時に立ち乗り型キックボードタイプと着座型自転車タイプを選べる場合、63.5%が着座型自転車タイプを選択 | glafit公式|公道走行可能な電動バイク・電動キックボードメーカー2023年7月1日の道路交通法の改正により、特定原付が新設されました。都内ではシェアリングで電動キックボードの走行を見かけるようになりましたが、どれだけの人が特定原付を利用しているか等を調査しました。 電動パーソナルモビ
走行環境の整備は必要だし必須になりますが、このアンケートさ、「Q:特定小型原付が今後普及するために必要だと感じている事を教えてください。」という問いに対し最も多い意見は
なのよ。
「自動車を運転していて特定原付が危ないと感じたことがあるのは 72.6%」も込みで、世間の本音は「普及して欲しくない」なんだろうなと。
走行性能や他害性を考えたときに、特定小型原付ってかなり自転車に近い存在。
通行ルールも自転車に近いし、例えばこの標識にしても「普通自転車と特定小型原付は逆走可能」という意味になるわけで、
法律上もかなり似た存在と捉えているのかと思いますが、世間の本音は「やめてくれ」なんでしょうね。
読者様で特定小型原付に乗っている人はむしろ交通法規に詳しい人ばかりなんですが、それは特定小型原付に乗る人全体から見ると少数派なのかも。
個人的な見解としては、自転車の「ダメなところ」をカバーした法整備になっている分、マシなんじゃないかと思ってますが、世間の本音は「邪魔」なのかもしれません。
そうだろなと
ちょっと前にも特定小型原付のLUUPが規約変更した件で、いろいろ邪推した人たちが炎上「させていた」ように見えましたが、
ネガティブなイメージを前提に見ると、そうなるんだろうなと。
法律の仕組み上、仮に任意保険がグレードダウンしても被害者が泣き寝入りすることには必ずしも繋がらないはずですが、特定小型原付=悪とみる人は多いです。
「キックボードに乗る人は何をするかわからずまともな大人が乗るものではない」ことは「ヨーロッパでは常識だ」などとヘイト同然のことを書く人もいてビックリしますが(そのような「常識」は実際にはないそうですが…)、
44.1%はこのように「普及して欲しくない」と思っているのが実情のようです。
特定小型原付と大して変わらない自転車についても、もしかして「普及して欲しくない」が本音なのでしょうか…
電動キックボードに乗っているだけでダメな奴認定する人もいるので、電動キックボードに乗る人は大変だなぁと思ってしまいますが、他人からいちゃもんつけられないようルールはきちんと守らないといかんですね。
もちろん、ルール遵守はどの立場でも変わらないのですが。
なお、私自身は電動キックボードに乗りたいとは思っていません。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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