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見通しが悪い場所でベルを使うと違反?

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自転車のベルについて質問を頂いたのですが、質問内容は「見通しが悪いところで予備的に鳴らすと違反なのか?」です。
これに関連しての質問ですが、

そこは「道路」なのか。歩道なのか?
わりとどうでもいいところに着目しようと思う。 5日夕方、富山市で自転車どおしが正面衝突し、乗っていた男子中学生が指の骨を折る大けがをしました。一方の自転車に乗っていた相手は、中学生に声をかけたものの現場から走り去ったため、警察はひき逃げ事件...

読者様
読者様
見通しが悪い地下道みたいな場所があり、ヒヤっとすることがよくあります。
もちろん徐行してますが、ベルを使うと違反なんですかね。

そもそも、52条を勘違いしている人が多い気がする。

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危険を防止するためやむを得ないとき

(警音器の使用等)
第五十四条
2 車両等の運転者は、法令の規定により警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない。ただし、危険を防止するためやむを得ないときは、この限りでない。

この規定って「危険を防止するためやむを得ないとき」であって、「事故を回避できないためやむを得ないとき」ではありません。
「危険」を「防止」です。

 

実際のところ、見通しが悪い交差点(42条の徐行場所)にあたるところを通過する前に、徐行のみならずクラクションを吹鳴したことから無罪にした判例もあります。
徐行していたところに2輪車が無徐行で突っ込んだ事故ですが、徐行のみならずクラクションを二回鳴らしたことから被告人に過失がないとして無罪(東京高裁 昭和47年12月7日)。

 

要は法令で定める徐行や一時停止などをしてもまだ安全確認が十分できない場合に、「危険を防止するため」ならベルを鳴らしても違反とはいえない。
徐行や一時停止せずにいきなりクラクションやベルを使うから問題になるわけ。

 

なので、徐行や一時停止などやるべきことをしてもまだ「危険防止の安全確認」に不安が残るならベルを使っても問題にはならないですが、ニッポンではやたらと「ベルやクラクションを鳴らすと違反!」みたいな風潮になっているので、時としてトラブルになる。

 

その意味では、極力使わないほうがベター。

判例では

例えばこのような判例があります。
まずは公訴事実から。

被告人は自動車運転の業務に従事しているものであるが、昭和40年(略)普通乗用自動車を運転し、(略)先道路において後退しようとしたが、後退の合図をし自車の左右後方を注視して安全を確認しつゝ後退すべき業務上の注意義務があるのにこれを怠り、その合図をせず、左後方を注視したのみで右後方の安全を確認することなく後退した過失により、自車の右側後方に佇立していた被害者に自車右側後部を衝突させ、よつて同女に加療約二週間を要する左足根部挫傷並にアキレス腱損傷の傷害を負わせたものである。

裁判所の判断。

被告人が本件自動車を後退させるに当つて運転者としての注意義務を果したか否かの点につき本件記録を精査して勘案するに、元来、自動車は道路上において前進するのが普通で、構造上もそのように出来ており、後退するのは特別の必要のある場合に限られるものであるから、道路上にある歩行者、佇立者、或は自動車運転者は前方に停車中の自動車が突如後退してくることは通常予想しないものである。それだから、自動車運転者が道路上で自動車を後退させるに当つては、前進させる場合に比し更に格段と後方の安全確認に意を用いるべき業務上の注意義務があると謂わなければならない。
本件についてこれを見るに、被告人の検察官に対する供述調書によると、被告人は被害者が停車中のライトバンの左側に立つて車内の運転手と立ち話をしていたのを目撃し乍らそのすぐ後方を数m前進して、一旦停止し、そして直ちに再び後退して来たのであるから、同女の直後を通つて後退するに当つては、同女が立話を終わり或は被告人の自動車の通過に驚いて体を移動させることのあることを当然予想すべきであるから、警音器を鳴らす等して同女の注意を喚起し、なお、絶えず同女の動静を注視しながら徐行しつつ後退すべき業務上の注意義務があるものと解する。
原判決はクラクションを鳴らすことは道路交通法の定める後退の合図にはならないと判示するけれども、同法第53条第1項同法施行令第21条の定める後退の合図は自動車運転法規を学習した自動車運転者にとつては有効な合図であつても、これに無関心な一般歩行者や佇立者等には必ずしも有効な合図とはならない。およそ、自動車運転者は通常可能なあらゆる方法を以て事故発生の防止に努むべき業務上の注意義務を有するものであるから、本件のような場合、佇立者に注意を与えるためには警音器を鳴らすのが最も効果ある方法であつて、道路交通法の規定も斯る警音器の使用を禁ずる趣旨とは解せられない。

東京高裁 昭和42年2月14日

わりと注意喚起的な使用を認めている。
「危険」を「防止」するため「やむを得ない」の判例上の解釈って、わりと広く認めているような。

 

読者様がいう事例ですが、徐行していてもヒヤっとするのであれば、危険防止のためやむを得ない場合としてベルを使っても問題ないと思うけど、法律上問題がないことでもベルに憤慨して発狂する人もいるので、極力使わないほうがベターなのかもしれません。

 

徐行や一時停止など、法令で指定されたやるべきことをしないままベルを使うのは論外。

 

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